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【ベストセラー芥川賞受賞作、待望の文庫化!】「死にたか」と漏らす八十七歳の祖父の手助けを決意した健斗の意外な行動とは!? 新しい家族小説の誕生を告げた芥川賞受賞作。
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家で邪魔者扱いされる祖父と主人公「僕」の関係を描いた作品。
やることもなく、年齢による不快さの中で生きる祖父。死にたいと口にしつつも、体だけは健康であり、その願いは叶えられそうにない。
そこで、僕は祖父の願いを叶えるべく、色々なことを祖父に行う。そんな中、僕の内面も変化が訪れる。
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とりあえずどれかを読んでみたかった作家の、芥川賞受賞作品が文庫化された、ってことで入手。しかしまず驚いたのは、そのフォントの大きさに、なのでした。もう一編、中編作品を抱き合わせれば良いのに。内容は、介護問題に対する新しい視線提起。介護が嫌だからやってあげずに放っておく、ではなくて、あれこれ積極的に世話を焼くことによって本人には何もさせず、身体機能の衰えを加速させることによって早く楽にさせてあげるという。逆転の発想ですね。結構残酷だけど。
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要介護者を持つ家族が抱える問題、過剰介護、尊厳死、いろいろなことが書かれていた。
健斗は『尊厳死』と言っていたが、母親も健斗も、祖父という厄介者を排除したいと思っているだけのように感じた。
母親は「特別養護老人ホーム」へ、健斗は「死」へと。
最後の方でイイ感じにもっていこうとしていたが、読んでてあまりいい気分の作品ではなかった。
毎回感じるのだが、芥川賞作品はどうも自分には合わないらしい。
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老人との関わりの物語だが、主人公が淡々としているのでさらっとしている。チョットさっぱりしすぎていて現実感が無い感じ。
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死にたい死にたいと言いながら、生きている限り生にしがみつくのが人間ですね。筋肉も脳みそも使わなきゃ弱る。
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昭和一桁生まれ、戦争を知っている人たちは、本人が意識しようがしまいが心の持ち様がちがう。それを強く感じた大阪北部地震です。本作に登場する爺ちゃんもそう。「死にたか」が口癖の祖父。その願いを叶えてやりたいと思う孫。しかし祖父の尊厳を守ろうとする孫の「良い話」というわけではありません。死ぬつもりもなさそうな祖父の様子を見て、孫が体を鍛え始める辺り、いつもながらに羽田さんはブラック。今回の地震後、そういう皮肉めいた見方ではなく、命があればそれで良しという両親の姿に驚き、意外にデカかったな我が両親と思うのでした。
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字が大きくてページが150p程度なので軽く読める。
死にたい死にたいと言う介護の必要な祖父の意思を尊重し祖父へ過剰な介護をする健斗。
筋トレと就職活動と祖父への介護に勤しむ主人公の心の内を描いた作品。
老人、介護、尊厳死、肉体と精神の再構築などがテーマなのか。
何れにしても、何も考えないでダラダラ読めるのが良い!
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じいちゃん、なかなか図太い人。
「死にたか」って言いつつ、全然その気ないんだもん。こういうお年寄りはたくさんいると思う。弱者のふりをして、その実、なかなかに強い。
主人公は、苦しみのない安らかな死をもたらすために過剰な介護に勤しむが、端から見れば、やり方は間違ってるけど、祖父想いの優しい孫。
仕事を辞めて、人生のお休みみたいな時期に、自分より弱ってるように見える祖父を横目にひたすら身体を鍛える。なんだか分かりやすい。
お風呂のシーンが印象的。祖父の手を半ば振りほどく形で風呂から出た健斗が戻ってくると、祖父が溺れそうになっている。
慌てて助けたが、祖父は健斗を責めるでもなく、何も言わない。
優しくしてくれる健斗を敵に回してはいけないと思ったか、と最初は思った。でも、大事な孫を責めるなんて考えもしなかったのかも、と思ったら、老いてもおじいちゃんはおじいちゃんなのだなぁと、凄みを感じる。
最後も、祖父は健斗を優しく送り出してくれる。
「死にたか」と言うこのおじいちゃんが、長く生きてくれれば良いな。
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仕事を辞めて就活中の青年と、自宅でほぼ寝たきりのおじいさんの話。
介護に甘えっぱなしのおじいさんの、やれあそこが痛い、ここが痛い的な構って欲しいアピールとか、実は軽く余力残している感じとか、この人をイラつかせる設定の力加減が絶妙でした。
逆に主人公は、誰に言われるでもなく善意でおじいちゃんの介護をしていること自体は偉いと思えるのに、それ以外のなんだか無駄に自信過剰な感じが妙に鼻に付きました。
例えば、筋トレだったり、勉強だったりと、自分の行動とその結果に対する信頼度が半端ないというか、、なんつーかこいつモテなそうだなーって漠然と感じたので、彼女がいるっていうのがなんだか不思議でした。
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介護の話だと思っていたら それだけでわなかったです。現実には生まれたからには 死に向かっているんだけど どう生きるか?どう死ぬか?が問題なんですね。
「死んだらよか」って言ってるおじいちゃんも 死ぬのはこわいんだよね。
仕事がない健斗も社会的に死んでしまいそうなのがこわいんだよね(-_-;)
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無職の28歳が祖父を過剰介護で弱らせて早く死なせてあげようとする話。
短くて一気に読めた。
主人公の本当の優しさは理解されないって気持ちが痛いほど分かる。
老いと若さについて考えさせられた。
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バラエティーに出ている羽田さんしかしらなくて、純文学ってだけの予備知識で読み始めた。
暗!!!い!!!!そんなに厚くない本だし、字も大きめだし、って読み進めてしまったけど、かなり気合いを入れないと大変だ。具体的に言うと、スーパーサイヤ人になるくらい気合い入れないと無理だわ。私はもう少しで舞空術を修得するところだった。
純文学って、人間の汚いところとか、敢えて目を逸らしてきていたところを陳列して、「ほら!!!こんなに!!!醜悪です!!!!」っていうジャンルなの?それが悪いとかじゃないんだよ。でも綺麗でふわふわキラキラして夢のようって作品は純文学になり得ないの?
難しいよ~簡単な言葉で、難解な謎掛けもないのに、なんでこんなに難しいの~!!
本の帯には「青年の稚気VS老人の狡猾さ!」とある。なるほど。
かつて自分も持っていた幼稚さとか、いずれ迎える老いだとかを直視したくなくて、こんなに読み終えたあとにモヤモヤするのかな。
最後まで読んで、落ち込んでツラいとかそういう話ではないよ、大丈夫!たぶん!おそらく!
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これは好き…!
ちょい要介護の祖父が口癖のように呟く「死にたい」願望を叶えるべく、過剰介護と称して献身的に援助する孫の健斗。
苦しみながら死ぬのは祖父らしくないからとあくまで尊厳死にこだわり援助する健斗は優しい孫?
また日々弱る祖父の身体を毎日目にするからこそ張り合いが生まれて筋トレ就活その他諸々に精力的になっていく妙にストイックな姿も、なんとも言えないおかしみがあった。
これは愛情なのか不謹慎なのか、どちらとも言い切れないけど、祖父と孫との間に生まれた共闘関係は不思議と晴れやかなラストを迎える。
モブ・ノリオの介護入門を思い出した。
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【内容】
「じいちゃんなんて早う死んだらよか」。ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のため面接に臨む日々。人生を再構築中の青年は、祖父との共生を通して次第に変化してゆく―。瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、老人の狡猾さも描き切った、第153回芥川賞受賞作。
【感想】
リアリティがある文章であり、
老人の介護、若者のニート&転職といった内容は、
まさに現代を象徴する様な小説だと思った。
唯、好き嫌いを問われたら、
あまり好きな小説では無いかな。
主人公の、ニートの癖に理屈っぽい感じや、
祖父と比較し、自分の方が力があると自負するところや、
生きている意味を見出しているところがムカつく。
これが筆者の一部分だと思うと気持ち悪いと思った。
あと救いが無いような気がして。他人事ではなく。
脳卒中で自宅介護・デイケアでリハビリする母、
同じ家で暮らす契約社員で、数年前に叔父のコネで正社員として転職した弟のようで。
もし祖母や父が亡くなり、
弟が家を出たら実家で暮らす母一人だけになったら、
私が住む家の近くの老人ホームにでも入れようか、
という話を家族・親戚間でしていた。
私はそれしか無いし、あまり深く考えていなかったが、
過剰な介護をしないところか、不干渉し過ぎではないか、食事内容、他人との交流など、あらゆる面を真剣に確認しなければならないな、と思った。
母本人は「どこでも良いよ、あとは死ぬだけだし」「◯◯ちゃんの負担にならないところで」とか言うだろうが、
この話の祖父のように、身体が弱ったって生きたいのだ。
中にはそうじゃ無い人も居るかも知れないけれど...
自分がやった方が早いけれど、
自分で出来ることは母にやらせなければと思う。
「死にたい」とか「もうダメ」とか聞くと、
しんどくなるけれど、それはもう口癖だと思って流そう。
上手く話題が変えれるよう、大人になれればと思う。
自分が歳をとったら、
完全に病気にノックアウトされるまでは、
自分のことは自分でするようにありたいと願う。
介護問題を考える上で、
著書は良作だと言えるかも知れない。