投稿元:
レビューを見る
【八百比丘尼伝説が新撰組に! なんと沖田総司が吸血鬼!】人魚の肉を食べた者は不老不死になるというが…舞台は幕末京都、坂本竜馬、沖田総司、斎藤一らを襲う不吉な最期。奇想の新撰組異聞。
投稿元:
レビューを見る
面白かったです。
単行本で既読なのですが、史実には忠実ですが怪異を上手く絡めてあって、再読でもわくわく読みました。
血を飲むと不老不死になり、肉を食べると妖に魅入られる。この違いが良いです。
坂本龍馬の「竜馬ノ夢」、沖田総司の「肉ノ人」、そして斎藤一vs斎藤一の「分身ノ鬼」が好きなのですが、今回は「血ノ祭」がぐっときました。
倒幕だ、とか、不逞浪士を取り締まる、と言っても、京の一般の人々にとっては、京をめちゃくちゃにするのは同じだよなぁ、とつくづく思いました。時代を変えるのは必要なことですが、犠牲になるのは日々の生活です。どんどん焼きで焼け野原になっても生きていかなくてはならない。切ないお話でした。
でも面白かったです。読書会でおすすめしました。
投稿元:
レビューを見る
2作目
竜馬ノ夢
妖ノ眼
肉ノ人
血ノ祭
不死ノ屍
骸ノ切腹
分身ノ鬼
首ノ物語
解説・島内景二
投稿元:
レビューを見る
幕末の京都を舞台に【人魚の肉】を食した坂本龍馬、岡田以蔵、近藤勇、沖田総司といった幕末の有名人が【妖】へと変貌する姿を描く連作短編集。伴天連の邪教をベースに吸血鬼、ゾンビ、ついにはドッペルゲンガーまで登場する怪奇異聞録だが、史実にはあくまで忠実。事件や出来事の背景に怪異を用いることで、伝奇小説としての外連味が見事に際立っている。沖田総司と山南敬助の絆を描く「肉ノ人」に胸が熱くなり、斎藤一対斎藤一のドリームマッチが実現する「分身ノ鬼」に身震いし「血ノ祭」の切なさが胸に沁みた。時代小説に疎くても充分楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
なぜ、沖田総司は、血を吐いたのか。
なぜ、岡田以蔵は、「人斬り以蔵」になったのか。
斎藤一と藤田五郎、とは。
歴史的事実の裏に、実は人魚ノ肉と血があったとしたら……
ゾワゾワしながら、楽しませていだだきました(*´▽`人)
投稿元:
レビューを見る
食べると不老不死になると言われる人魚の肉。幕末の志士たちになる坂本龍馬、沖田総司、近藤勇、斎藤一が食べてしまった、その運命は?
ただ不老不死になるといわれる人魚の肉から色々な解釈を生み出していて面白い。死のループ、吸血鬼化、分身など史実を混在させながらなので、時代背景などに詳しいとより面白く読む事が出来る。
投稿元:
レビューを見る
幕末の偉人と八百比丘尼伝説を上手く絡めた作品。
幕末と怪異の融合がすごく自然に感じて、まるでこれが史実であったかのような錯覚に陥ってしまう。
戦国時代や幕末を生きた人達は、それだけ怪異ともとれるような狂気の世界を生きてきたのだろう。
真夏の夜に読むのにピッタリの作品。
投稿元:
レビューを見る
作品を知ったのが某ソーシャルゲームのイベントの時期だったので「これは読まねば!」と思い買いました。
出てくるのは幕末に活躍した坂本龍馬や岡田以蔵、新撰組…といった人々。
最初の岡田以蔵、坂本龍馬、中岡慎太郎の幼少期は内心テンションMAXで読んでました。血の描写が生々しくて良いです。
投稿元:
レビューを見る
歴史小説は普段ほぼ読まないのだけれどとても面白くてすらすら読めた。
史実とフィクションを上手く絡めていてとても好き。
山田風太郎や刻迷宮を思い出した。
他の本も読んでみたい。
大当たりを引けた気分(*´ω`*)
投稿元:
レビューを見る
短編連続時代小説ホラー。幕末志士、新撰組の実際の逸話とホラーを合わせた斬新な小説。全部がいかにも「それっぽく」書かれていて、最後まで飽きなかった。この話のオチはどうするんだろ?と考えながら読める。
投稿元:
レビューを見る
初めましての作家さん。
史実を上手に利用して、そこに人魚の肉を紛れ込ませ
表面的には何も変わっていないように見せている。
これは面白い!というか上手い!
誰も知らない。気付かない。
幕末の竜馬や新選組が人魚の肉を口にして・・・
想像以上に面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
個人的な好みとして、自分が今生きている世界と地続きになっているように感じられるというか、世界観が真に迫っているというか、そういう物語が好きなんだけど、久々にそんな感覚を覚えた小説。多分、幕末もの(大好き)×怪異もの(大好き)が自分にとって相性が良かったからだと思う。
投稿元:
レビューを見る
人魚の血を飲めば不老不死に、
人魚の肉を食べれば、妖に取り憑かれる。
人魚というと外国のお伽話に出てくるイメージが強いが、しかし、それは幕末の京都に実によく合っていた。
史実をなぞりながら、そこに人のものではないものの何かを重ね、美しくも恐ろしく悍しい物語が出来上がった。
わたしはこの時代に疎いので多少読むのに時間がかかったが、興味がある人には堪らないのではないかと思う。八百比丘尼伝説も恥ずかしながら知らないので、こちらは後にきちんと調べておこうと心に決めた。
最近ミステリー続きで、ストーリー重視の本ばかり読んでいたので、こういう想像力が掻き立てられるような描写や、心が掻き乱されるような文章を読めてよかったと思う。
想像力といえば、人魚の肉の描写が何度か出てくるのだが、腐るギリギリのとても美味しい魚肉ソーセージというイメージだった。わたしの想像力って乏しいなと少し悲しくなった。
投稿元:
レビューを見る
木下作品は面白いなぁという感想だった。
宇喜多の捨て嫁よりは書いている過程を想像できる作品だったが、それでも歴史イベントを場面場面でそれぞれの人物になりきって生きるような作風はすごい。
そして、オチで人魚の血は京都の町に染みこんだっていうのも良かった。
日本では遷都によってかつての首都は廃れているけれど、京都だけはまだ賑わっている。
こういった事実や新撰組の史実を巧みに取り入れながら、グルリと見方を変えて(歪ませて?)ホラーにしているのはやはりすごいと思った。
個人的には斎藤一の名前のギミックが好き(山口次郎、藤田五郎は史実)。
投稿元:
レビューを見る
最近、著者の偏りを感じ、新天地開拓のような作者を探していた。大型書店で歩いていて著書が目に留まった。明らかに作品名が気になった。歴史背景や登場人物も興味をそそり衝動買いの様に買って帰り直ぐに読み始める。
幕末天地がひっくり返る中、物語は進んでいく300年にも渡り鎖国を続けてきた当時の日本国民は外国人をどう観たか、夷狄 攘夷の嵐、異教切支丹弾圧、当時の人達は外国人そのものが妖の物、怪異であったに違いない、この時代背景で歴史上の人物、出来事に合わせて「人魚の肉」を巡りそれぞれのストーリーが展開されていく、歴史概念・時代背景がしっかりと出来た上での視点が非常に良かった。幕末維新がすきな私は楽しめた。少し くどく感じる点はあったものの各ストーリーの終焉は全てを明かすのではなく、酷いと思われる描写もほぼなく、読者に何か?が残る文章構成も絶妙で小説としての出来は素晴らしいと感じた。歴史観のしっかりとした著者の作品更に深めて読んでみたいと感じさせる一冊であった。