副業について真剣に考えた書です!
2018/07/07 11:02
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人生100年時代を迎えた現代、人手不足の中、少しでも優秀な人材を確保したいと躍起になっている企業と、長い人生を謳歌したいと考えている労働者の双方にメリットがもたらされる副業について真剣に考えた書です。本書には、企業の視点、労働者の視点の2つの視点が非常にバランスよく入っており、なるほどと納得させられることばかりです。ぜひ、企業を経営されている方々、また一般の方々に読んでいただきたい良書です。
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会社以外で働くことを「複業」ととらえて、事例や提言などを書いた本。
収入が少ない副業については、「輻業」とか「伏業」とかいう字を割り当てて会って、うまいこと思いついたなと思った。
サイボウズでは複業を解禁することで、離職率がさがり、優秀な人材も採用できるようになったのだとか。そういうメリットもあるのかと驚いた。
エンファクトリーという会社は勤務時間中に複業してもいいし、会社の資産をある程度まで利用するのもOKなのだとか。すごいだいたんな改革だなぁ。さすがにここまでいくと、マネできる企業も少なそう。
なお、ドイツでは兼業は自由と法律で認められているそうなのだけど、「①本業で必要とされる仕事ができなくなる場合」「②本業と競業する場合」「③本業の休暇中に行う場合」「④労働時間法の上限を超える場合」は副業が認められないのだとか。①②はともかく、③④は厳しいような。むしろ、副業というのはそういう時にやるもんじゃないかと思うような気もするし。
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ただ副業(複業)を解禁すれば良いというものではない。個人にとっては質的にキャリアアップ、会社にとっては外部の力を借りたキャリア人材を活用する機会ととらえることが重要。
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副業には4種類ある。伏業、副業、幅業、複業。
伏は内職、副はコンビニ、幅はボランティア、複は本業との相乗効果が期待できる仕事。収入も能力も伸びるのは複業。
副業に必要な条件は、やりたいという強い意志(will)×やれる能力と体力(can)×やれる環境(environment)。
従来の企業内教育であるOJT、OffJT、自己啓発に加えて複業などによる越境学習も重要になってきている。従来の教育ではイノベーションを生み出す能力開発に限界があるため。越境学習はビジネススクールなどの座学ではなく実践の方が望ましい。
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企業内研修ではできない「越境学習」としての 2枚目の名刺に興味を持った。やりがいをもって社外とツナガリをもつことで、幅を広げて、所属企業に貢献できる。
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”副業”と安易に使っていたが、稼ぎや満足度で4種類に分けている考えが新鮮に感じた。実際に導入している企業や個人の紹介、メリットやデミリットも同意できるように感じた。自分も”複業”を頭の片隅に置きつつ、日々を過ごしたい。
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・インターネットの普及によって、起業のコストは下がり、仕事の受注は、身体を移動させなくてもできるようになり、会社に在籍したまま、仕事を始めることも容易になった。
・現在の日本には、時給900円、9千円、9万円以上の仕事があると言える。
・代替可能性と報酬金額は、逆相関している。
・起業の前段階として、副業を行っていた人が、3割いた。
・スキルの向上を求めた潜在的副業希望者は、大手企業に多いことが分かった。
・多様性には、多様性でしか対応できない。
・ドラッカーが「明日を支配するもの」(1999)で「パラレル・キャリア」という考え方を提示した。
・グラットンらは、生涯に2~3のキャリアを持つようにするマルチステージの人生を提示した。マルチの例の一つが、様々な仕事や活動を同時に行うポートフォリオワーカーえあり、これが副業、兼業に相当する。
・複業には、人材育成の機能もある。会社員のままでは、なかなか修羅場を味わえないから。
・複業により、収入を得るために支払った費用が、経費として認められる。
・新規事業の成功率は、28%(1995)
・伝統的日本企業において、突出を最も阻害してきたのは、同僚による妬み、やっかみである。
・複業は、現金流出のない人材確保政策とも位置付けられる。
・「滲みだし多角化」と同じようなシナジーを、起業した社員との関係を築ける。
・「縛り付ける」「囲い込む」という経営スタイルから「自立した社員が共通の目的で集う場」としての会社に変えていく必要がある。
・副業解禁は、いわば「放牧宣言」に近い。
・日本企業では「成果」よりも「頑張った代理指標であるプロセス」で評価していた。その最たるものが「勤務態度」や「勤務時間」であった。
・中途採用のような「外から中」への人材、ノウハウの流入は良くても「中から外」への人材の提供は禁止という考え方は、あまりにも自己中心的である。
・副業の問題が難しいのは、副業の経験のない経営陣が、副業解禁の意思決定を下さなくてはならないことにある。
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この本は働き方について書かれている本だが、「副業」ではなく「複業」と記載されているのには、理由がある。
それは、「副業」が「本業」にと対立する言葉であり、また、「副業」とは、本業に充てる時間とは別にプライベートな時間を割いて行うもの、という意味だからだと筆者は語る。
筆者は「複業」によって、会社に支配されないキャリアを選択していこう、と述べている。
本書p28~の、縦軸をケイパビリティ、横軸を収入とした、「副業・伏業・幅業・複業」の説明が非常にわかりやすいと思う。
また、NPO二枚目の名刺の話がとても興味深かったので、調べてみようと思った。
本書は複業の意義、複業の事例など説明している本であり、実際に複業したい!となったときのハウツー本ではないので注意。読んでいて、どうやってやりたいことを見つけたらいいんだろう?どうやって複業にしたらいいんだろう?と思ったので、その辺りは別の本を読んでみたい。
2時間くらいで読める本なので、働く人としてこれから生きていく中で、読んでおいて損はないと思う。こういう本で言いたいことって、「行動しろ」ということですね。
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著者は、早稲田大学ビジネススクール教授だということで、実際の企業での副業の事例なども詳細に書かれており、読み物としても大変楽しめた。