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主観的ではなく定量化して評価しようとする考え方がよかった。
前半はさらりと読めたが5章、6章は前提知識が足りず難易度が高く感じた。
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原子と力学の観点から、ミクロの行動を知らなくてもマクロの行動は法則に従う、という観点が面白い。その考えから、人の行動には法則がある、として、データから統計的に証明している点がすごい。
運の章はとても参考になり、いいチーム、職場を作るときに、今の状態をつながりという観点で、分析するのは面白い。そして、それを運と呼ぶ著書もすごい観点!
とっても勉強になった一冊でした。
ハピネスを高める努力をして、生産性を上げるぞ!生産性を上げる努力ではない!!
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「データの見えざる手」
読後、最適なタイトルだと思った。アダム スミスやピーター ドラッカーが理想とする社会が到来しようとしている。昨今のAI・ビッグデータ、働き方改革“ブーム”は本書が発信源でないかと思えるほど。『国富論』とともに『道徳感情論』を書いたスミスが言いたかったのは、「経済性と人間性とは、相反するものではなく、互いに関係しあうこと(p235)」。一見理系的な内容だが、「第1章 時間は自由に使えるか」や「第2章 ハピネスを測る」は良い意味で予想を裏切られた。すべての組織人に薦めたい久しぶりの最高評価!
#卒業生が薦める山形大学生に読んでほしい本30選
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未来を示す示唆に富んだ本だ。キーワードはデータとAI .....人知をいかにその融合を即す場所に置くことができるか!!
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ウエアラブル技術とビックデータ解析で世界を牽引してきた著者が、人間の行動を科学的に分析している。「どうすれば幸福感を高められるか」や「どうすれば幸運に巡り会えるのか」といった研究の中で実践方法を説明しており、知的好奇心をそそられる。科学的根拠にもとづいた組織マネジメントについても大いなるヒントとなるし、AIに関する考察も面白い。時間をおいて、再読したい本。
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ビッグデータに関する話。
大量のデータと、それを処理する機械があれば、人の運も、幸せも計れるという内容から、ビッグデータを処理するAIによるコンサルの話、そしてAIが必ずしも言われているような人の仕事を台頭することはないだろうという著者の意見などが盛り込まれている。
統計学要素が強いので、正直、自身は内容を半分も理解できていないと思う。
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人の動きをリアルタイムに計測することで見えてきた「運」や「幸せ」そして「時間」について書かれている。
温度計の歴史についての例えで示しているとおり、主観的な「計測」と実際の「計測結果」が異なることを前提としているあたりもおもしろいし、何よりも「見えざる手」を可視化するなんてのがおもしろい。
エントロピーを前提として「人を測る」というのはこういうことなのかと納得した。
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この本 もっと早くに読んでおくべきでした。得られた知見が本当に多かった。まず、データを取って客観的にみることですね。
まず、技術者らしくエネルギーの保存則の話から。これらの方程式が自然法則の基本であり、それらがすべて保存則、とくに「エネルギーの保存則」から派生する式だとすれば、「エネルギー」の概念こそが、自然現象の科学的な理解の中心にあることから始まって、人間が1日に使えるエネルギーの総量とその配分の仕方は、法則により制限されており、そのせいで自分の意思のままに時間を使うことができないことをウエアラブルセンサの計測結果から示している。見事に指数分布(本ではU分布と書いてある)に従うらしい。そこには「繰り返しの力」という人間が普段感覚として意識していない力が働いて、世の中を動かしているという。学生時代に読んだフェラーの「確率論とその応用」でもそんな話が出ていたことを思い出した。勝ち負けは偶然に起こったとしても、それを繰り返していくうちに、凄く勝つ人と負け込む人に偏りが生まれるという話だ。にわかに信じがたい話だけど、ちょっと考えるとすぐわかる。例えば、最初に1回、偶然勝ったとして、+1とすると、+1の状態が-1になるためには2回続けて負けないといけない。その確率は1/4。つまり1度勝つとなかなか負け側には行かないし、逆もまた真。フェラーを勉強した時に、割と最初が肝心だと思った記憶があるけれど、その話がまた出てきた。「繰り返しの力」ってそういうもの。だから貧富の差ができる。実社会ではこれに本当の意味での能力差があるから、より格差は広がる。ただ、ここで言いたいのは格差のことではなく、人間の活動自体が指数分布に従っているということ。具体的には1分当たり60回以上の動きをするのは1日の半分だが、1分当たり120回以上の動きとなると1/4、180回以上となると1/8になるということらしい。筆者いわく1日の時間を有効に使うには、さまざまな帯域の活動予算を知って、バランスよくすべての帯域の活動予算(エネルギー)を使うことが大切だと気づく。これを無視して、ToDoリストを作ったり、1日の予定を決めたりしても、結局はその通りにはならないということらしい。
あと、ハピネスは計測できるという話。まず、人間にとって、自分から積極的に行動を起こしたかどうかが重要らしい。心理学の調査結果によると、人は自ら意図を持って何かを行うことで、幸福感を得ることが判っている。具体的には人に感謝を表す、困っている人を助けてあげる、そういう日常の簡単なことで人間はハピネスを感じているらしい。つまり、行動を起こした結果、成功したかが重要なのではないく、行動を起こすこと自体が、人の幸せだというのだ。幸福な人は、仕事のパフォーマンスが高く、クリエイティブで、収入レベルも高く、結婚の成功率が高く、友達に恵まれ、健康で寿命が長いことが確かめられている。定量的には、幸せな人は、仕事の生産性が平均で 37%高く、クリエイティビティは300%も高い。重要なことは、仕事ができる人は成功するので幸せになる、というのでなく、幸せな人は仕事が���きるということだ。そして、ハピネスと身体活動の総量との関係が強い相関を示しているらしい。ハピネスを研究しているリュボミルスキ教授とのコラボの結果は興味深い。毎週、「良かったこと」を書き出してもらった対象群と、単に「できごと」を書き出してもらった対象群では、「良かったこと」を書き出してくれた対象群の方がハピネス度が高かった。そして、その対象群の方が活動量が活発だったという実験結果が出ている。
これを企業の生産性と結び付けるところもあって、研究によると、身体運動の活発度は、人から人へと伝染するらしい。まわりの人たちが活発だと自分も活発になりやすく、まわりの人たちの身体運動が停滞すると、自分も停滞する。結果、ハピネスとは実は集団現象だということになる。ハピネスは、個人のなかに閉じて生じると捉えるより、むしろ、集団において人と人との間の相互作用のなかに起こる現象と捉えるべきものらしい。そして、集団にハピネスが起きれば、企業の業績・生産性が高まる。「活発な現場」では「社員の生産性が高まる」し、一方「活発でない現場」では「社員の生産性が低くなる」のは普遍的・一般的な傾向ということになる。
もうひとつ、運も計測できるという話。仕事がうまくいく人は、共通して「到達度」が高いというのである。「到達度」とは、自分の知り合いの知り合いまで(2ステップ)含めて何人の人にたどり着けるかというもの。あと「三角形」が多いことも重要らしい。つまり自分の知り合いAとBがお互いに知り合いであり、そこには「三角形」ができるということ。三角形が多いと、リーダーが直接的に介入しなくても、現場で自律的に問題が解決される可能性が上昇するためらしい。まあ、一言でいうと職場のコミュニケーションなのだけど、情報を集中させるのではなく流通させることで組織の成果は高まるということでしょうか。
色々なセンサーで体の動きを計測すると、このコミュニケーションの密度も判るらしい。まあ、それは何となく判らないでもない。積極的に話に入り込んでいけば、体の動きも出るだろうし、興味がなければ、あるいは聞き流していれば、体は動かない。それが数値化できてしまうという話。
最後はAIの話でしたが、これはこれで面白かったけど、ここまでの話の知見に比べるとそんなに新しいものではなかったような気がする。まあ、書かれた時期を考えれば凄いのかな。とりあえず、色々な知見を得られる良書でした。
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私なりに、この本の内容を解釈すると以下になりました。
個人が1日で「集中力や体力を強く必要とする活動」は、「3時間」がMAX。
人生とは、毎日この3時間を何に使うかの繰り返しで、その結果が「今の自分の状態」だということです。
この著作から、1日のうち(正確には活動時間は、15時間前後)3時間を何に使うか、どのような活動をするかが、よりよい人生を築く上で最も大切なことの一つだとわかりました。
時間術の本や雑誌には、いかに効率的にスケジュールをこなすか、無駄な時間(テレビ、スマホを頻繁に見る)を如何になくすか、その方法論を独自の考え方や、いわゆるエビデンスを提示するために論文の結果をわかりやすく読者に伝える方法をとったりしています。ここ10年ほど大流行りの「脳科学によるエビデンス」は、その内容を、わかりやすく読書に伝えて、時間帯による生産性の違いだったりを、最新科学では、こうなんです!とわかりやすく提示していますが、この著作は次元が違います。やはり、一流の科学者、人間活動から帰納的に普遍法則を導きだしています。もしこの本がビジネス本という括りなら、ざっと100冊分の付加価値があると思います。
現代は個人が仕事、生活の面で付加価値をつけなくてはいけなくなりました。
そうしないと淘汰される時代になっています。
経済格差という問題は、日本でも20年前から、かなりピックアップされていますが、今では人生格差まで、指摘されています。日本社会は、今どんなに頑張っても報われない状況で生きている人が、大量に生まれています。
これは、日本における経済政策や政治の失敗ではなく、おそらく世界的な潮流になっています。
個人の付加価値というのは何かというと、定義が非常に難しい。以前なら、これらは学歴や勤め先、つまり自分が所属している先が、個人の付加価値の高低とほぼ同義でした。しかし、今はそうではなくなっています。所属するところから、「さようなら」と言われたり、所属先がなくなることも、しばしば起こっているからです。
私なりに個人の付加価値とは何かと考えると、自分の人生を形作る8要素、健康、家族、趣味、職業、教養、友人、社会貢献、ファイナンス、これらの要素をバランスよく最適化するためのTODOだと考えています。そのTODOを考えると、1日3時間という時間は、あまりに短いと思いました。これは、残酷な真実だなと思いました。
私なんかは、毎朝5時に起床し、5時30分から、自分が好きな本を読んだり、その時に勉強したいこと、勉強しなければいけないこと、仕事で必要となる知識の習得、外国語の勉強をして、そして、仕事を開始。夜には、夜で、運動や、友人や家族と楽しい時間を過ごして、週末は、たっぷり自分の趣味に没頭する。しかし、実際、これらを行うと、不都合なことがたくさん起こります。毎日、好きな勉強して、仕事を頑張って、、、、と続けていたら、必ず、無理がきます。好きな勉強をしたら、仕事に影響します。また仕事を頑張れば、私生活に影響が及びます。土日に好きなことをやり続けたら、月曜日に仕事で、うまく集中できない状態になったりします。以前は、自分は、何で、こんな腑抜けなんだ、気合いをいれないとだめだ、と思っていましたが、そう考えることが、無意味で、絶対に考えてはいけないことだとわかりました。
この著作から、人間活動で常識とされる時間の使い方というのは、幻想だということがわかりました。違った見方をすれば、そういう欲望が人間には本質的にあつて、それを、支配者は利用して、搾取するんだと思いました。
人は、好きなことをずっとはできません。好きなことをずっと行えば、好きなことは、嫌いなことになってしまうこともあります。また、好きではないことも、やらなければいけないことも、ずっとできません。もし、この著作で語られるU分布に依拠する人間活動に法則が真とするならば、やればやるほど「調整」が起こります。その「調整」とは、もしかしたら精神疾患などの、病気かもしれません。
もしよりよい人生を築く上で大事なことは何かと問われてば、この著作を参考にすると、今の自分の状況を正確に知り、またそのための方法論を確立し、なぜなら、自分が今どういう状態なのかを知らなければ、自分は何をするかの、何が比較検討できないからです。そして、付加価値が高いと思われる活動をバランスよく、時には全力投入する勢いで行い、自分に与えられた3時間を未来の自分に投資することでしょう。
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人は進化した歴史からの性質を多く持つことはイメージしていたが、人の行動が、熱力学と同様なボルツマン分布によるところであるとは思っていなかった。新たな視点を得られた。
データとハピネスの考え方についても得るところが多かった。
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めちゃくちゃ面白い。「ユビキタスコンピューティングは社会科学の手段のひとつになる」と最近強く思ってるのだけど、まさにその話だ。もっと早く読めばよかった。物理法則と絡めて書かれているのも個人的にはとてもうれしい。ただ、個別事例は眉唾で、論文がほとんど出ていないのが気になる(企業だから出しにくいのかもしれないが)。
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あなたが1日に使えるエネルギーの総量とその配分の仕方は、法則により制限されており
U分布はボルツマン分布を一般化したもの
熱機関の効率の上限を表すカルノー効率の式を人間の活動にも適用できる。つまり、人間の活動についても効率の上限がある。
この研究のアプローチを、定量的に遂行するために開発したのが、人の行動の計測に加え、その「コンテキストを計測できる」世界初の技術
テイラー以降、肉体労働の生産性は、平均して年率3.5%の割合で伸び、20世紀の終わりには、五〇倍に向上した
人々の「熱意」や「共感」などの、人間の行動をドライブする要因をコンピュータが理解し、これを推奨する技術:「アフェクティブ」
「アフェクティブ・サービス」を可能にする基盤技術が「アフェクティブ・テクノロジー」
柔軟な組織、組織のヘルスケア
国家レベルの社会実験のテストベッド
ルール指向からの脱却という、新しい時代の要請に応えることに最も苦労しているのが、日本である。なぜならば、ルール指向を徹底して実践し、その結果最も目覚ましい成功をおさめたのが日本だったからである。
日本はこの「過学習」が強く現れた状態にある。
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もっと早くに読んでいればよかった。
繰返し精読することを薦めたい。
ヒトの行動がどれだけ定量的に解析できるか、IoT・ビッグデータはどう活用されるか、そういったバズワードが流行るたびに具体的なアウトプットやサービスがイメージできなかったが、これを読んでだいぶスッキリした
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とても興味深い内容だった。
第一章、第二章はウェアラブルセンサー端末から得られた大量のデータをもとに
・人間には1日の活動量の総数が決まっている
・時間の使い方は自分の意思で自由に決められない
(科学的に制御する事が可能)
・人により「活動温度」が異なり、長時間行える活動が違う
・幸せは自分から積極的に行動を起こすことで得られる。
など、今まで科学の領域と認識されていなかった内容を客観的に論じている。
著者が日立製作所のフェローという立場である事を鑑みても、本書で書かれた内容が何かしら製品という形で私たちの手元に来る日も遠くないと感じる。
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最後まで新しい知見に溢れた内容で、非常に勉強になりました。この内容で2014年に書かれているのが本当に驚きです。人の行動を読み解くことで、今まで科学とは無関係に考えられていた「運」との関係性の説明は非常興味深いものでした。
本のタイトルだけでは、書かれている内容についてイメージが沸きにくいかもしれませんが、人の行動記録から読み取ることのできる考察は、本当に凄いです。また、読み返したい本です。
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これは、新しい「幸福論」。
これまであまたの思想家がテーマにあげてきた「幸福の正体」を、物理法則とデータから帰納して解き明かそうというアプローチには感銘を受けた。
ニュートン力学に対する量子力学の考え方にも通じるものがありそう。
思い悩み一喜一憂する人間たちも、つきつめれば単なる量子の集まりとその運動でしかない。なお「幸福の科学」とは関係はないようです。