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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語が好きで、将来は通訳者になりたいと思っていた。しかし、結局そこまでの英語力もなく、凡人となってしまったが、このように名作を翻訳してみるのは面白い。
シリーズ化してほしい本である。
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英語のニュアンスのあれこれはもちろん、物語の背景も読み込んで日本語に置き換える面白さ。英語がわからなくても、原作を読んだことがなくても、読み物として面白いと思う。
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直訳ではなく,意訳でもなく,原文のニュアンスを可能な限りくみ取り,適切な日本語で表現する.
このとても奥が深い作業のエッセンスが味わえるではなく,対象とした小説の優れた批評にもなっているように思う.
1章「赤毛のアン」
2章「不思議の国のアリス」
3章「嵐が丘」
4章「アッシャー家の崩壊」
5章「ライ麦畑でつかまえて」
6章「ピグマリオン」
7章「灯台へ」
8章「高慢と偏見」
9章「情事の終り」
10章「風と共に去りぬ」
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翻訳とは外国語で書かれたものを日本語に訳することだ。訳するとは何なのか?それは外国語で書かれたものを深く読み、掘り下げて、作家の意図を探り取らなければならない。翻訳とは訳をする作業なのではなく、読み込む作業なのだ。
翻訳家であり、翻訳教室なども催している筆者が、10作品の例文を提示しながら、その訳し方を解説する。
韻を踏んだ文章や、当時の時代背景や文化とは切り離せない登場人物同士の関係、辞書では同じ日本語になりがちな複数の英単語の使い分けによる違い、などなど、それは原文を読み込まなければ見えてこない。
翻訳文学が好きな身としては、翻訳家の苦悩が垣間見えて面白かった。
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古典を実際に訳していくゼミのようすから、翻訳の多様性と読解力の重大性を考える。
鴻巣さんがツイッターでもたびたび触れている「透明な翻訳」問題。欧米では「翻訳本だと意識しないで読めるほど文章がこなれている訳」を指すが、日本では「原文が透かし見えるような訳」を指す言葉だという。本書のなかにこの話がでてくるわけではないのだが、逐語訳が〈本物〉と評価されやすい日本の翻訳界において、鴻巣さんは原文が伝達しようとしているものを汲み取る努力を最大限した上で、エンタメとして受け入れられやすい訳文を目指している人なのだなと思った。
そうした訳文を実現させるためには、訳者が踏み込んだ解釈を文章に反映させる必要がある。だから鴻巣さんは「よく読め」と繰り返し言う。読者としても、読んでいて違和感のある翻訳は訳者の解像度が低かったのだな、と訳者あとがきなどで納得するときがある。「訳すために読む」のではなく、「読むために訳す」という順序が大切なのだろう。
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202106_023
風と共に去りぬの新訳で知った翻訳者による解説本。翻訳者が何を考えて、どのような背景で翻訳したかを垣間見られて面白い。
是非原文で読んで面白さを感じたいと思ったのは、風と共に去りぬ、ピグマリオン、高慢と偏見。
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本書に出てくる英文の名作は、今の自分では自力で読み解くのは難しいレベルのものばかりでしたが、それぞれの名作に対する著者の解説を読むと「あぁなるほど」という新しい学びが多く楽しく読めました。
古今の名作というものに対して、無意識に「これは『正しいものだ』」という思い込みを誰しもしてしまいがちだと思いますが、本書に出てくるエドガー・アラン・ポーの文などは一つのセンテンスが異常に長かったりするので、細かい部分まで分からなくても「これは変だ」と感じました。
ただその「変な部分」がその名作の重要なエッセンスになっていて、翻訳はそういう部分も活かす (著者は「デコボコを均しすぎない」と表現していましたが)ことが大事だと。翻訳という世界の深さを改めて感じました。
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タイトル通り翻訳とはなんであるのかを書いてくれる本です。
何個かの有名作品を取り上げて、文章の知識、訳し方、英語の表現など勉強になる事がたくさん多かったです。
中学入試にも取り上げられていますが、英語学習者にも最適な内容だと思います。
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箸休め的に軽めの一冊。
翻訳本は結構読むけど、こういった視線は新鮮だったり。
筆者のスタンスは序章に言い切ってしまっていて「翻訳とは一種の批評なのです。しかし翻訳者が書くのは、その作品の論評ではありません。作品そのものを書くのです」という文に集約される。いやー、あまりに正鵠を射た意見すぎて何も付けたせない…。
学芸書も同じように翻訳本が結構あるわけだけど、ああいったのもキチンと専門家が訳してくれている意義があるわけだ。いやぁ、ホントありがたいなぁ。
そういえば各章に英語本文を持ってきて、どちらかというと翻訳者を目指す人向けではあるんだけど、どういう思考で翻訳をするかという視点の読み物でもあるので楽しめると思うな。英語はもう当たり前のように読めなかったし!