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好きな俳優さんが舞台・オセローに出演するので、初めてシェイクスピアに手を出してみた。
演劇の世界が文字になっていて、なるほど、と興味深かった。
脚本を読んでいるようなものなので、心理描写やシーンを把握するのは難しい。
演劇とセットで読むのがいいだろう。
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2021/2/22
理性と感情(特に情欲)の狭間で葛藤するテーマは劇的。『オセロー』はこれが顕著に現れてるなと。冒頭〜中盤まで理性によって統御されているオセローが丁寧に描かれながらも、後半のごくごく短い間に彼は感情に支配され破滅。
これらの落差が大きいほど、その転換が早いほど、作品は劇的になるんだなという発見。
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赤子の手を捻るように、いともた易くイアーゴーに心をコントロールされ誤った道を急ぐオセロ。結婚直後の愛する妻デズデモーナの真実の言葉を疑うオセロは、一枚のハンカチで疑惑を深め、部下キャシオーの死に対する妻の一言で確信を得る。犯行に至る心理的経緯や、黒人に対する偏見や差別の時代的背景については、訳者あとがきに詳細に記されていて、読了後に改めて新たな感慨に浸れました。
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白人社会の中で、黒人でありながら中年まで結婚もせず邁進し、将軍の地位までのぼりつめた男をどう見るか。劇中では紳士的な言動をし、名誉を重んじる様子が描かれている。明言されてはいないが、女性に不慣れであっても、まあよいだろう。
ひそかにいだいていたコンプレックスによって虚言を信じ、ありもしない妻の不貞を疑い、我が手にかけて殺す。
そういうこともあるかもしれない。
クライマックス、死んだと思われた人物が死んでおらず言葉を残すことが2度繰り返される。繰り返しは、シェイクスピアを詩として語るとき重要な要素だとか。
アホか。死んだと思われていた人物が実は生きているという展開はゲキガンガーで揶揄されるまでもなくしらける要因である。デズデモーナのいまわのきわの言葉は、まあ、よかろう。だが、ロダリーゴーはあかん。しかも盤外での出来事。説得力の欠如をやっつけで補った観がある。
そういうこともあるかもしれない物語。
だが、展開はやや苦しい。
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ずっと気になっていたシェイクスピアの四大悲劇の1つ、今更ながら読了。ヒトの・特に男性の嫉妬心を見事に書き表されている。訳者あとがきの「彼が疑い始めたのは、自らの男性性に対する自信が崩れたためだ。」という指摘も、今の時代の男性にぐさっと刺さるのではないか。万の心を操るシェイクスピアの見事な物語。