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子どものころ読んで以来の再読。今の時代から見るとさすがに昭和7年はおろか39年もあまりに遠い昔になってしまってはいるけれども、文章のテンポ、展開の意外性など、エンタテインメントとしての魅力は少しも古びていないと思った。何よりこのタイムパラドックスに正面切って挑む覇気がすてき。やはり日本SFの金字塔だと思う。
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時の流れという最大の批評家にも耐え得る。
ただ、着地点はやっぱりこれか、これしかないか、の感は少々。
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広瀬正のマイナス・ゼロを読みました。タイムマシンを題材にしたSFでした。広瀬正のこの小説は昔読んだときにとても気に入っていたので、再販されたので再度買って読み直したのでしたが、以前どおり面白く読むことができました。タイムマシンのパラドクスが縦糸になっていますが、横糸に第二次大戦前後の日本の庶民の風俗が描かれていて興味深く読みました。私が生まれたのが昭和30年なので、そこから20年位前を舞台にした物語に引き込まれてしまいます。また、タイムマシンのパラドクスも2重3重にトリックが仕掛けてあって、読み応えがあります。そう言えば、この本の中でフレドリックブラウンのショートショートが引用されていました。ひょっとしたら私はこの本が縁でフレドリックブラウンのSFを読み始めたのかもしれないなあ、と思ってしまいました。先日本屋で見かけたときに、復刊されたこのシリーズ6冊組を全部買おうと思ったのですが、文庫本なのに全部で5000円になってしまうことがわかったので、マイナス・ゼロだけを買いました。他の5冊は自分の家の物置に積んである文庫本の山の中から発掘して読み直そうと思いました。
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タイムマシンでも、舞台はかなり遠くの未来や過去ではなく、昭和の30年間くらいの範囲に限定されている。その為か、人の一生を何度も行ったり来たりすることで、リアリティが出ているように思う。SFをキーにしながらも、戦前戦後の生活や東京の街もよう、恋愛がミックスされていて良い。
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小学生以来、読んでいなかったSF小説。
それに再びハマることになったキッカケの作品。
最初の展開にワクワク、ハラハラ。
中盤どうなるんだ?と思いながら、最後には度肝を抜かれた。
おもしろいです。
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何度読んでも面白い、タイムトラベルものの傑作。
タイムパラドックスは歴史が修正するのかという発想も、広瀬正が走りだと思う。
緻密な時代描写、ロマンチックな展開も、他のタイムトラベルものと一線を画す。
活躍時期が短く、著作のほとんどが絶版だったりしたので、知らない人が多いけれど(全集には星新一や筒井康隆が文章寄せてるのに)、もっとたくさんの人に読んでほしい。
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まさしく日本のタイムマシン小説の金字塔だなぁ。SFとしてのアイディアもいいが、普通小説としての完成度が素晴らしい。カシラ、オヤブンなど脇を固めるキャラの描き方も素晴らしい。
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名作の誉れ高い本作を今頃読んで言うのもなんなんですが…。やっぱり古い。「夏への扉」は「文化女中器」なんて名称が出てくるのに古くさく感じないのだけど。
どうしても納得いかないのがヒロインをはじめとした女性の描き方。顔がきれいだという以外なーんにも書いてなくって全然魅力的じゃない。「運命の恋」ともとれるお話なのにそういうムードは全く漂わない。ただただタイムトラベルというこの上なく魅惑的なテーマに全体が奉仕している感じ…。
でも、それもわかる気がする。タイムトラベル!それだけでもう三つ星だ!「七瀬」も「タイムトラベラー」もここを源流として生まれてきたんだろうな。(なぜかどれも若い女性が出てくる。好意的に考えれば「取り返しのつかないもの」を強く意識させるせいだからだろう。意地悪く見れば多くのSFは「大人の女性」が苦手だからだ。←これは本当にしばしば感じる)
それにしても、失礼を顧みず言えば、このストーリーをもっと小説のうまい作家で読みたい。伊坂幸太郎が書いたら大傑作ができそうだ。
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時に憑かれた作家 広瀬正氏のSF小説。
終戦間際の昭和20年、東京を空襲が襲う。主人公である14歳の浜田俊夫に、隣人の伊沢先生は18年後の同じ日にこの場所に来るようにと言い息絶える。
伊沢の娘の17歳の啓子は見つからず空襲で死亡したとされる。
18年後、俊夫がその場所に行くと、タイムマシンが現れ、中には17歳の啓子が...
俊夫は、啓子とともに生活を始めるが、衝動的にタイムマシンで昭和7年へ行ってしまう。
元の昭和38年に戻ろうとするが、アクシデントで、俊夫を残してタイムマシンだけ消えてしまい、俊夫は昭和7年に取り残される。
俊夫は、タイムマシンを所有している伊沢に出会えれば元の時代に戻れると考えるが・・・
一言で言うと、ミステリーのようなSF小説。
緻密な構成で、いろいろな登場人物や随所にちりばめられた伏線が終盤で見事につながっていき、この点でまさにミステリー。
タイムスリップ、タイムパラドックスをテーマにしている小説、ドラマは現在では多数あるが、この小説が昭和40年に書かれ、この時代にタイムパラドックスをテーマとしていることに驚く。
また、タイムパラドックスについての著者の考えも伺える。
単にSFというだけではなく、俊夫が過ごすことになる昭和初期の風景や人物、当時の技術、銀座の町並み、風俗が詳しく描写されており素晴らしい。
かなりの読み応えあり。
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紹介を受けてひさしぶりに読んだタイムトラベルもの。この手の作品はタイムパラドックスが矛盾なきように論理展開が大前提である。恋愛とパラドックスをうまく絡めていて大変読みやすいストーリーに仕上がっている。俺とあいつ、彼女と君は‥!?更に魅力がもう一点。昭和初期の銀座の様子がきめ細やかに描写されている。4丁目の交差点の様など目に浮かぶようである。名作です。さて光速を超える‥が発見出来たという事は理論的にいよいよ夢のタイムマシーンの完成がカウントダウンか♪
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言わば日本版Back To The Future、タイムマシンでのタイムスリップもの。
と言っても舞台が昭和とか戦前とかなので、デロリアンのようなSFメカ的なかっこよさは全くなく、全体的にノスタルジックな雰囲気に溢れています。
緻密に張りめぐらされた伏線と、無関係に見える数々の事象がラストでしっかりと一つに収束する完璧さは、読んでいてかなり爽快!
後から伏線だったと判明する部分も多々あるので、
一度読むとまた読み返したくなります。
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タイムトラベル物が好きなかたは
一読の価値がいっぱいあります。
昭和テイスト満載で、味がありました。
ラストも話が上手に一地点に集約して良かったです。
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タイムトラベルものの傑作。
昭和20年、隣家の年上のお姉さんに淡い恋心を抱く
いたって普通の少年俊夫。
ある日空襲で燃える隣家に駆けつけると、
そこの親父(伊沢先生)が倒れており、
息絶える前に俊夫にある頼みごとをする。
18年後、中年になった俊夫は
伊沢先生との約束を守るべくある場所に訪れた。
それが数十年にも及ぶ俊夫の旅の始まりとなるとは…という作品。
登場人物が非常に良い味を出しており、
どのレビューにも書かれているけど、
昭和初期の風俗描写がとても活気があって、
その時代に生きていないのに「昔は良かった…」
となぜかせつなくなるんだな。
俊夫が旅路の果てに得たものとは!
読後感もとても良いです!
(つっこみどころはありますが)
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時間軸の使い方が天才的です。
タイムスリップもの。予想より長くタイムスリップしてるしどれが昔でどれが今かとか途中からどうでもよくなってしまう。
親殺しのパラドックス、これは良い解決方法だと思った。
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いや,展開は王道だからわかるから,いいんだけどさ,圧倒的なリーダビリティ.読みやすさが段違い.久々に500ページ3時間気が付いたら読破だよ.
広瀬正,あさってみてもいいかもしんない.