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センター試験と銘打ってあるが、著者も一般向けとことわっている通り、本書は試験対策のための本ではない。センター試験の問題を通して、哲学を網羅的に理解する一般向けの哲学入門となっている。
学参のいいところは、解答を導くこと、つまり、質問に答えることが大前提となっているというまさにその点にあると思うのだが、質問に答えるという過程を通して、わかっていたつもりでわかっていなかった点が確認できてとても参考になった。
えてして、大人向けの、つまり一般向けの入門書というのは、哲学の関連書籍に限らず、説明が簡単すぎてかえってわかりにくかったり、内容が軽すぎて使えないような本が多い。その点、本書のような入門書は本質的な理解を助ける良書といえる。ただ一つ心配なのは、受験用と誤解されて敬遠されてしまうこと。編集の人はその辺もうちょっとうまい見出しをつけたほうがいい気もした。
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センター試験倫理の問題20問をれいに、西洋哲学を勉強できる本。
俺は興味はあるものの、センター試験は世界史選択だったのもありちゃんと勉強したことが無かったので良かった。
ギリシャ哲学からヴィドゲンシュタインまで通史で説明していく中で、新しい人は何が新しいのかの説明が丁寧でわかりやすくて、これが哲学を学ぶということか!という知的興奮も味わえた。
あと、俺はkindleで買ったが、教科書的に前のところとか読み返したくなるので、紙の方が良いかもしれない。
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ほんとは受験勉強って成長には必須でありむちゃ効率的なものなんだけど、なんか悪者にされちゃってるよね。
だからこういった本が出るのはうれしい。哲学は、そして受験勉強は、役に立つ。確実に。
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書き口、喩えが平易で読みやすい。
お勧め文献も充実している。
ニーチェ、プラグマティズム、ヘーゲル、キルケゴールが好き。
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センター試験!
なんと懐かしい響きだろう!
そして、高校「倫理」の科目も。
地理も公民も得意で、好きだったし、教員免許だってあるのに、しかも公務員試験で勉強し直したはずなのに、キルケゴールもヤスパースも、大陸合理論もイギリス経験論もごっちゃごちゃ。
ちゃんと覚えているのは、「無知の知」くらい。
言葉としては、洞窟のイドラ、超人、神は死んだ、タブラ・ラサ、なんてものは覚えているけれど、選択せよ、と言われるとちょっと怪しい。
でも、自分で興味を持って、絵を描いて、100分de名著を見る......何より楽しんで向き合ってみると、一旦頭のどこかに散らかっていたものが戻ってくる気がする。
これが生涯学習、反復練習の意義だなあと思うのだ。
さて、ディオゲネスの逸話で、『ONE PIECE』の初期の物語を思い出した。
宝箱にすっぽり入ってしまった男の話だ。
あるいは中島京子の『樽とタタン』。
繋がっていく記憶は面白い。
哲学は暗記科目、かもしれない。
どうせ使わない、かもしれない。
しかし、すぐ使える知識はすぐ使えなくなる。
スピードを求めるなら、回り道に見えるような道を行く方が早い場合もある。
センター試験の問題も、なかなか凝っていて、解いていて楽しかった。
人生は、思想でできている。
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入門書というのは、そこから原典や他の書物へと読者を誘うことができれば、ほぼその著作としての目的は達せられるという意味において、この本は出色の入門書と言えよう。
まず、センター試験の設問を手掛かりにするという発想がいい。さらには、ともすれば難解になりがちなところを、いかにも馴染みのある例を提示して説明しているところがいい。何より、説明を容易にしてくれるイラストがいい。個人的には、今すぐにでもニーチェの著作が読みたくなった。
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「神とは何か」「自由とは何か」「知識とは何か」とか普段考えることがほとんどない。語りもしない。
哲学?何でこんなにまどろこしい言い方するんだろう。結局何が言いたいのかわからない。
それでも最後まで読み切った。少しは見えてきた。気がする…
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センター試験の問題を呼び水にして西洋哲学の変遷を纏めた著作
紀元前のソクラテスから近代のウィトゲンシュタインまで
私自身、紀元前の哲学は退屈さが否めなかったのだが、本著では関係性と影響を重ねながら時代を下って行くので、過去の哲学の意義について理解が深まった
自然を畏怖し、神を絶対とした価値観から自然科学へ転換するには、これ程までに思慮深い方達の思索が積み重なる必要があったのだと感慨深かった
何も知らずとも、自然科学の知識を学べる今が幸福であると感じるが、その価値すら理解できなくなっている世界に辟易ともする
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p117 デカルト 方法序説 良識はこの世でもっとも公平に分け与えられているものである
p171 ヘーゲル 世界史とは自由が拡大していくプロセスである
弁証法 正ー反ー合 ある主張(正)に対して、それに反する主張(反)が対置だれ、その両者を高い次元で統合する(合)ことが弁証法
この合の部分(矛盾を統合すること)をアウフヘーベン(止揚)とよびます
あらゆる事物は、否定を原動力として発展していく
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2021.07.11 読み終わるのに意外と時間がかかった。試験問題をうまく使うとでただ読むだけでなく、再読につながって良い。難しすぎずとても学びになったのではないかと思う。また、自身の得意、不得意がよくわかる。
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現代の成人の多くが通った「センター試験」という入り口を構えることで、日本人には馴染みの薄い哲学への入門を誘う一冊。
内容も試験形式で設問があり、それを解くことにより理解が確認できる方式を取っている。最初は解けなかった設問が解けるようになることで、しっかりと満足感を得やすい哲学入門書になっている。
おすすめの西洋哲学入門書として、ここに記録しておきたい。
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古代から近代までの主要な哲学の辿った道を簡単に学ぶことができた。
近代になると科学技術が哲学の領域に大きく影響を及ぼしているように感じて、小難しく理解が難しいと思った。
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センター試験の倫理の問題を各章の冒頭にかかげて、西洋哲学史をいろどる思想家たちについての基本的な解説をおこなっている本です。
読者自身が哲学の問題に直面して考えるということを重視する、教養主義的な態度とはまったくかけ離れたスタイルの入門書です。著者の文章は、受験参考書的なわかりやすさが感じられる説明のしかたになっており、西洋哲学史についてざっくりとした知識を得ることのできます。これもまた、入門書が果たすべき目的のひとつではあるはずです。
巻末にはブックガイドが付されているので、より踏み込んで勉強してみたいという読者は、そこからもっと深く哲学の世界に入っていくことができるのではないかと思います。
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どこかのブックガイドから。たまたま今、ちょっとずつ哲学用語図鑑を読み進めているところだったから、タイミングとしてもバッチリかな。本新書は、あちらの図鑑から更に主要な人物にターゲットを絞り、一方で、その各人についてはもう少し掘り下げて解説する、みたいな結構。センター試験を縦軸にっていうのも、なるほど確かに、入門にはうってつけだな、と。高校卒業に至るまで、ほぼ全くノータッチの分野だから、まだまだ分からないことだらけ。けど、色んなところで目にしてきたあれやこれが、実は哲学思想から来ていた、みたいなことの多さに改めて感銘を受けた。もっと掘り下げてみないと、って気にもなる。
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「試験に出る」というタイトルから受験生向けかと思うとさにあらず。
センター試験に出たことのある哲学の問題から著者が厳選して集めた問題を取っ掛かりとして広く浅く西洋思想が学べわる仕組みになっている。
小難しい話は置いといて西洋思想ってどんなもん?と気軽に読める入門書。
難しくは無いけれど中身は充実。
巻末のブックガイドがとてと重宝でありがたい。