本当の大金持ちの世界が垣間見えるノンフィクション小説です。
2018/10/23 08:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、主人公のプライベートバンカーが垣間見た本当の大金持ちの世界を描いたノンフィクション小説です。プライベートバンカーとは大金持ちをタックスヘブンに誘うことを仕事にする人々ですが、彼らの前には様々な世界の大金持ちが現れます。若くして300億円の資産をもつ男、ただ時が過ぎるのを待つだけの大手メーカーの会長、伝説の相場師などです。これに対してこうした人々の脱税を見逃さないと鋭い目を光らせる国税庁の美人調査官が、かれらの動向を追跡します。ハラハラドキドキのノンフィクション小説です。
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タックスヘイブンのシンガポールを舞台にした、野村證券出身のプライベートバンカー、海外移住者、国税査察官、ショッキングな不正事件など、投資・金融関係者には、一気読み間違いなしのノンフィクション。
シンガポールの風景だけでなく、海外租税回避の現場が生々しい。
資産家というのは幸福ではないというのは庶民のひがみか。
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小説というよりドキュメンタリーや週刊誌の記事みたいだけど、だからこそ生々しくて面白いと思う。
拝金みたいに、みたことない華麗だけど寒々しい景色を垣間見れる。
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小説だと思って読んでいたら、ノンフィクションだった。話があっちこっちに飛ぶわけだ。ある程度の知識はあったので、内容にそれほど目新しさはなかったが、不正の事件についての記述は面白かった。後日談である、追跡章が一番面白かった。被害者が幼い娘を残して亡くなってしまったのは皮肉な話だ。
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ノンフィクション
外資系金融機関の営業に転職したい人や海外移住希望者(新興国に早期退職)にも一度読んでみることをお勧め。
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野村證券からSMBC、そしてシンガポールのプライベートバンクへと転職した主人公を追いながら、日本人富裕層の資産運用に関して実話も交えたストーリーが展開される。
プライベートバンクは顧客の資産運用を行い、資産総額に対して一定の手数料を取るビジネスモデルのため、一般的な証券営業マンとはインセンティブが異なる設計。
また今ではかなりの規制が入ったと思われるが、シンガポールのタックスヘイブンとしての機能性は高く、キャピタルゲイン課税や相続税がないか極小であり、またケイマン諸島などを活用した法人税回避のスキームに関しても、エージェントが多数おり、まさに打ってつけの場所であった。
一方で、そうした資産運用のために、一定程度シンガポールで過ごす富裕層の切なさ、寂しさもリアルに描かれており、お金は本当に人を幸せにするのか、について深く考えさせられた。