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資本論とかも含む幅広い話題でなかなか面白かった。元々インタビューの書き起こしなので、文体がバラバラな所が少し読みづらいが、内容が面白いのでどんどん読めてしまいす。
これからの会社の姿については、個人的に感じてる事と同じだったので、そこも興味深く読めた。
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会社についてとても丁寧にわかりやすく書かれていてとても良い本だと思います。
サラリーマンやサラリーウーマン、これから会社に入ろうとする若い人たちはぜひ読まれるといいと思います。かなり希望が持てる内容になっています。
コーポレート・ガバナンス(会社統治機構)やコア・コンピタンス(会社の中核をなす競争力)などのなんか流行りの言葉みたいなものもわかりやすく説明されていてそそられますし、エンロン事件やサーチ&サーチ社で起きた事例やマイクロソフト社の例など事実を摘示しての理論の展開がなされるので興味深く読めると思います。
しかも、差異から利潤を生み出す資本主義の原理から説き起こされて、ポスト産業資本主義における会社のあり方、さらにその会社での働き方まで示されています。
ただ、私のように会社から脱落してしまい、組織特殊的な人的資産や汎用性のある人的資産としての知識や能力を身につけることが出来なかった者としてはもう時既に遅しです。残念。
それに、これだけ物やサービスが過剰になっている日本では、利潤を生み出す差異性を創造するのは相当困難のではないかと思われるため、平凡な大衆は他の人達とそれこそ差異がないからこそ平凡なのであって何の利潤も生み出せないまま食い詰めてしまうのではないかとふと感じてしまいました。
ですから収入を確保するには高い専門性のある知識や技能を身につける努力が必要で…そしてそれらはごく一部の人達によってしか達成されないのではないかと考えてしまい社会全体としてはなかなか楽観はできないかな?とか思いました。
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企業と会社は似て非なる存在。ポスト産業資本主義とはどのような時代か。書かれた時期は少し前だが、その根源的な問いとそれへの回答は、今読んでもなお刺激が多い。
ひきつづき、他著が読みたくなる。
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「会社」とはそもそも何なのか?「会社」はこれからどうなるのか?学者の立場からこれらのシンプルな問いに答えている。かたい話題の割にはスラスラ読めた。
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タイトルはおいておいて、個人的には会社の成り立ち、そしてその学問的分類、変遷が興味深かった。今後研究していく上で意義のあるものだった。それにしてもどうやったらこんな考察ができるようになるのだろう。
最後にNPOに言及されていたのにはびっくりしたが、もしかしたら今後そうなっていくのかもしれない。現にいくつか社会活動家がNPOで成功(?)しているらしいし。
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会社は株主のものなのか。会社が利益を上げることで、会社のためにお金を提供してくれた株主に恩返しをすることができます。株主あっての会社なのだから、なんとしても利益を上げなければいけない。利益が出れば、株価も上昇します。そうすれば株主も喜びます。また株を買ってくれる人が増えます。会社にとっても株主にとっても言うことなしです。しかし、経営者が株主ばかりを見ていて、従業員はついてくるのだろうか。ということで、日本の従来型の会社が見直されています。年功序列・終身雇用と従業員にとても優しい、家族的な会社。その中で高度な技術が伝承されたりもします。どちらが良いのか、もっと別の形があるのか、それは今後の世の中の様子を見ないと分かりませんが、環境問題をはじめ会社の社会的責任が問われている現在、会社は社会のものでなければならないようです。本書は前著「会社はこれからどうなるのか」の続編として出版されました。会社=法人企業の本当の意味は実に難解なのですが、本書を読めばその雰囲気が分かってもらえるでしょう。最後に収録されている、糸井重里との対談だけでも値打ちはあります。経済学を学ぶ意味が少し分かったような気がします。
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経済学者・岩井克人が書く易しい会社法人入門書のような一冊。産業革命以降の近代社会の黎明期から21世紀までを貫く資本主義のあり方と、その中で会社という法人がどういう立ち回りをしてきたか。バブル崩壊で低迷する日本的な「ヒト」的な会社共同体も捨てたもんじゃない。だって90年代敵対的買収ばかり行ってきたアメリカ的な「モノ」的な会社もエンロンショックで崩壊したじゃない。21世紀的な労働のあり方に、日本的な会社法人は実に有益ですよという、現代ニッポンの若者を心底励ましてくれる良書。とにかく難しい内容が分かりやすい!
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会社の歴史的な経緯、現在の構造分析から、今後会社がどうなるかまで示唆している点が素晴らしい。将来像についても、会社は将来独立をするための修行の場と考えるという考え方が良いと思った。そうすると社内政治はさしずめ将来クライアントとやりとりをする際のコミュニケーション能力を磨く場ということかな。
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インタビューを元にしているので読みやすい。
分析は的確。
デフレ脱却の策が失敗であるのは間違いないが,経済学者として正しい策は提示できないのか?
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コアコンピタンスとは、たえず変化していく環境の中で生産現場の生産技術や開発部門の製品開発力や経営陣の経営手腕を結集して、市場を驚かす差異性をもった製品を効率的かつ迅速的に作り続けていくことのできる、組織全体の能力
単純に得意な分野のことだと考えていたが、いつそれを越える技術が出てくるかわからないので、それを生み出す組織、力のことを指すという言葉に目から鱗。
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そもそも会社とはどのように誕生したのか、法人とは法律的にどのようなものであるのか、ありうるのかを考察し、これからの日本の会社と資本主義の形について考えます。
各章、感動しましたが(ふわっとしたイメージに形が与えられる感じです)、特に第四章の「法人論争と日本型資本主義」に衝撃を受けました。世間で当たり前のように運用されている「法人」という概念が、現代においても「名目的なものであるか」「実在するのか」という形而上学的な議論の争点になっているのが驚きでした。法人のあり方について多様な解釈があるからこそ、日本的な会社、米国的な会社がどちらも存在しうるのだ(どっちが正しいということはなく)ということが理解できます。
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会社について、歴史的にも、構造的にも、説明している。「株式会社無責任論」をベースに、その株式会社に在籍している者の一人として、もっと思い切った施策をやるべきだと、提言してきたつもりだが、その根拠となる点が整理できた。
ヒトとしての会社の復活、文化的には、日本人が、取りいれやすいのではないか。というのは、目から鱗。
それにしても、この本のアイデアが、エンロン破綻事件の前に温められていたというのは、著者の時代の先を読み通す力のあらわれで、すごいこと。
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とても示唆に富む一冊。
会社とは法人である。すなわち、人であり、モノであるという二面性を持っている。株主主権のイメージが強すぎるのは、「会社=モノ」の側面が強く出すぎている。実際には、株主が所有する「モノとしての会社」は、株主に指名され、「モノとしての会社」から委任された経営者が運営している。そこには、「人としての会社」という忘れてはならない側面がある。
会社が稼ぐためには、他社との差異化が必要。そのために必要なものが、「設備・資産」⇒「アイデア」に変わってきている。そのため、「アイデア」や「イノベーション」の重要性が大きくなる。そして、それらに向かって、金が動き回る。将来的には、規模/範囲の経済を活かした非常に少数のグローバル企業と、非常に多数かつ小規模でアイデアを継続的に生み出せる企業に二分化されていく。
会社で働く人たちにとって必要なことも変わってくる。長く働くことを前提にした「組織特殊的な能力」の重要性が下がり、「汎用的(ポータブル)な能力」の必要性が高まる。両者のバランスするポイントが変わってくる。
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読みやすかった。大学一年生にはこの本を必修にしてほしい。今でも読む価値は十分にある。タイトルはタイトルとして、テーマは時勢により古くなるものではない。しかし展望については岩井先生少し甘かったのでは(というか歴史は繰り返されると言ってもグローバル経済と日本政府クソすぎない?)と思う。あるいは大企業正社員男子みたいなクラスを主に想定しているのかなぁ、そんなこともないはずだけど。面白く勉強にはなったけど自分の展望にどう役立てるかはちょっと…時間ができばまとめてから感想を書きたい。
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「利益は差異性からしか生まれない」、「ポスト産業資本主義社会では新たな差異性を次々と創り出して行かなければ生き残れない」という言葉に暗澹たる気持ちになる。本当に創造性のない人間にとって生きづらい時代だと思う。そして不毛だ。
この本を読んで、
差異性とは具体的にどんなものだろうか?各企業はどのような差異性により利益を上げているのか?
なくならない差異性、なくなりやすい差異性は何だろうか?
差異性により利益を得るこの社会は、公平な社会へと向かっているのだろうか?それとも差異(格差)の維持を目論んでいるのだろうか?
もっとよい社会の仕組みはないのだろうか?
…etc というようなことが脳裏に浮かんだので、もう少し考えたり本を読んだりしたいと思う。
読みやすく、それなりに刺激的で、適度に学術的なバックボーンの存在も感じられるということで、経済学関係の最初の読み物として非常に読後の満足感は高かった。