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[ 内容 ]
後醍醐天皇は、鎌倉幕府を倒し南北朝時代の幕を開けた動乱の立役者、天皇親政を復活させ全国支配の規範を示した専制君主、死後も怨霊として足利政権に影を落としつづけた存在と幾つもの貌を持つ。
本書では、彼に討幕を決意させた両統迭立の中での立場や、その王権を特異ならしめる芸能や密教への深い関心、海外との交流を当時の社会的文脈に即して読み解き、後醍醐政権の歴史的役割を探るとともに、多面的な後醍醐像を提示する。
[ 目次 ]
第1章 後醍醐政権成立の背景
第2章 後醍醐の登場とその環境
第3章 討幕志向の形成・展開
第4章 後醍醐天皇と国分寺―長門・周防
第5章 後醍醐政権の特質
第6章 怨霊の跳梁と鎮魂
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後醍醐天皇の人柄、背景、思想などに焦点を置いた一冊。そのため必ずしも歴史を追って細かに事象を解説するわけではなく、まずはそういった知識を得てからの読書をお勧めしたい。
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後醍醐の吉野脱出によって南北朝の内乱が始まる。南北朝の内乱は長く続き、皇国史観(南朝史観)とは逆に朝廷の権威を下げる結果になった。後醍醐天皇は自分が唯一絶対で正しいと思っているが、南北朝の対立によって政争の対立側が南朝を担いで徹底的に対立するようになるため、戦乱は長引いた。