偉大なる世界の荒鷲
2019/07/23 07:51
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投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
坂口征二のプロレスってどんなだったっけ?あれだけテレビで見ていたはずなのに、実際に一度だけ生観戦しているのにほとんど記憶に残っていない。アントニオ猪木に藤波辰爾、タイガーマスク、正規、維新、国際の三軍団抗争とかならすぐ思い出せるのに。確かに強いのには違いないが、華になるような必殺技とかがない、でもこの人がいなかったら新日本プロレスは過去の歴史にいたくらい、重要な人物だったことがこの本でよくわかる。またそれと同時に、ビジネスとしてのプロレスの裏側の話も面白く、特にアントニオ猪木の異種格闘技シリーズは全く別の目的で開催されていたなどそういったことも書かれておりとても興味深い。ただ坂口さんの酒にまつわる話や、本人が当事者ではないが伝説の「旅館破壊事件」のことなども触れていて欲しかった。
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元柔道家・元プロレスラーにして
元新日本プロレスCEO、坂口征二。僕がプロレスに初め
て触れたのはNET(現テレ朝)の中継番組「ワールドプ
ロレスリング」。シングルだったのかタッグだったのか
はさすがに覚えていないが、坂口はそこでブルート・バ
ーナードと闘っていた。つまり、僕の40年を超えるプロ
レス観戦は坂口から始まった、ということ。
そんな偉大なプロレスラー・坂口征二の、本人公認バイ
オグラフィー。著者の佐々木英俊氏とは、ファンクラブ
「荒鷲」の会長だった人だから、熱の入れ方が半端ない。
なにしろ生誕前の坂口家の人物考察から話が始まり、幼
少期・青年期・壮年期・老年期から現在に至るまでをし
っかり取材。結果500ページ(!)を余裕で越えるもの
凄い作品を作ってしまったのだから、これはもう尊敬に
値する仕事。
本当に「坂口の全て」が詰まった本。
柔道日本一の時代、現役プロレスラーの時代、新日本プ
ロレス社長の時代など、どの時期も不足の全く無い書き
込みがなされており、もう唸るしか無い程。しかも、決
して事実の記述だけが続いている系の作品ではなく、読
んでいるうちに坂口征二という「人物」の大きさが解っ
てくる。これはもう、ノンフィクションの手本と言って
良いかもしれない。
強烈に印象に残ったのは、やはり組織としての新日本プ
ロレスを立て直した時代の章。この部分はリアルに経営
指南書であり、世の企業経営者皆が参考に出来る内容だ
と思う。
ちなみにこの本、今日時点で発売日前なのだが、1月4日
の新日本・東京ドーム大会の日に先行発売されていたの
を入手した。他の人より早く、この本に巡り会えて幸運
だった、と素直に自慢しときます(^^;)。凄いよ、コレ。
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新日本プロレスの栄光から凋落まで全てを見てきた男といっても過言ではない「世界の荒鷲」実力は猪木以上とも言われながらナンバー2に甘んじた彼の生き様にカッコよさをみる。後に社長から会長へとのぼっていくわけだが、彼なしでは新日本プロレスの今はなかったのではないだろうか。プロレス会社を世間一般並の会社へと変貌させるように取り組んだことは十分にわかる内容だった。インタビュアーたちが語っているように人柄が示す彼らしさが十分にわかる内容だった。