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事業の集まりとしての企業全体の戦略を論じた書。この点にポイントを絞り、要領良く、内容を論じている。実例を交えた説明もわかりやすい。特にキヤノンの全社戦略について、ともすれば静的な成績表になりがちなPPMを時系列で考察し、戦略展開を述べている点は、コンサルタント経験豊富な著者の力量が感じられ、流石である。今後、著者の補論で述べた部分、すなわち、全社視点からのガバナンスの問題とヒューリック・リソース・マネジメントの詳述を、次の機会での期待を込めて星4つにとどめたい。勉強させていただきました。
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全社戦略についてよくまとまっている。
コーポレート部門は、何をすべきか。
事業部門は何をすべきか。
コーポレートは、全体最適を考える。
事業部門は、当該事業で勝つことを考える。
全社として目指す方向性をきめる。
事業の持ち方、やめる、はじめる、くっつける、わける。
事業間の間をとりもつ。
共通機能を担う。
組織のあり方をきめる。
統治の仕方は、ヒト、カネ、カンバンなど。
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戦略には、個々の事業がどうやって勝ち抜いていくのかを扱う、個別の事業戦略と同時に、複数の事業を持つ企業が、その複数の事業を含む会社全体をどう経営していくのかを考える全社戦略がある。
例えば、複数の事業のうちのどの事業に優先的に資源を配分するのか、更に具体的にいえば、投資案件が複数あった場合、どの投資案件を選ぶのか、それはどのような考え方に基づいてそうするのか、等が典型的なイシューである。
個々の事業戦略については、例えばポーターのファイブフォーシズなど有名な理論が多くある。全社戦略の方は、BCGのPPM等は有名だが、あまり書籍も多くなく、どちらかと言えば、関心は高くないのではと思える。
しかし、今の時代、単一製品、単一事業のみの会社というのは少ないと思えるので、もっと全社戦略に関心を持っても良いのでは、と思う。
本書は入門書、でも、網羅的、かつ、分かりやすい良書だと思う。
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この本の冒頭にも記載がありますが、経営戦略の本は大量にあれどその中身は事業戦略的な要素の多いもので、「全社戦略」について体系的な解説を試みている本は少ないと思います。私は初めてそのような本と出合いました。
この本では、会社の中で『本社組織』と『事業部組織』を分け、その中で『本社組織』の戦略的な機能として、『ポートフォリオマネジメント』、『シナジーマネジメント』、『全社事業ドメインと全社ビジョンの設定』、『全社組織の設計と運営』について、概要解説、実際の戦略構築の観点提示、実際の企業事例を説明しています。
一つ一つの理論や事例については、経営戦略に関する本を読んでいるとよく見るものです。しかし、それを『本社組織=事業部を横ぐしでマネジメントする組織』という観点でしっかりとまとめられています。一読すると、自分の会社の組織図の再定義(再整理)が出来る内容であると思います。
本社組織の課題として、定量的な成果把握のむずかしさがあると思いますが、「なるべく定量的に評価できるように」という記載があったと思いますが、具体的な方法については記載がなかったように思います。
そこまでの内容をこの本では対象としていないという理解なので、全くマイナスポイントではありませんが、次回作があるならば要望として、より実践的な内容の本も読んでみたい・・・、と思います。
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【メモ】
・全社戦略:複数事業を持つ会社において、経営者あるいは本社が全社的視点で考える戦略。複数の事業を営んでいるので、「顧客は誰か」「提供価値は何か」「競合は誰か」という問いすら意味をなさない
・事業ポートフォリオで具体的に考えるのは「やめる」「まとめる」「分ける」「はじめる」の4つ
・全社事業ドメイン:多数の事業を営んでいるが、どのような事業であれ、この領域の中で事業を行う、という領域。それを設定すべきかどうかを考えることも全社戦略の大切な要素
・自社内の事業や機能をどのように切り分けて組織を作るかは、本社が考えるべき全社戦略の一つ
・人材マネジメントを本社が主導あるいは関与すべきなのか、あるいは各事業部に任せるのかを決めるのが本社の仕事。現実的には一部を事業部に任せ、一部は全社で行う場合が多い
・全社ガバナンスにおける論点は①何のためにコントロールするのか②どのようにコントロールするのか
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前半部分に多くドッグイヤーをした、ほぼPPMについて。
PPMは事業ポートフォリオの投資判断に使うが、自己に置き換えると商品ラインナップの判断基準に使うこともできる。
全社戦略の(複数事業を営む)上で唯一の解は存在しないという困難さを感じた。
「組織は生き物」という繊細な物に、判断を下す術を私はまだ知らない。
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個別事業部は個別事業部最適の動きしかできないので、本社が全体最適の動きを取る必要があると言う概念構造がよくわかった。リソース配分とか事業撤退とか
ただし、コーポレートビジョンとかの話はそんなに刺さらなかった
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事業戦略ではなく全社戦略について書いてあるので複数事業に対する考え方がわかった。
コアコンピタンスをいかに設定するのかが大事であることが理解できた。