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大きなあらすじとしてはタイトルの通りなのだが、それ以上にいろいろなことが本の中で考えられている。怒りや悲しみといった感情に真剣に向き合いその源・メカニズムを丁寧に文章で解きほぐすその姿勢に、読んでいるこちらも解放感を得られる。
タイトルに関係する部分でいうと、内なる男性嫌悪に気づき、男性を「可愛いもの」として眼差すこと、愛の表現として下手に出ることを学ぶようになるというのがストーリーだろうか。でも、それだけではとてもまとめきれたものではない、という感じがする。
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読了。タイトルの付け方が勿体ない。セックスの文字で敬遠する人がかなりいると思う。その中に、この本を必要とする人がかなりいるはず。本の中で「ダウンタウンの一派のメンバーは当時、未成年との淫行でもたびたびニュースになっていた。…」とあるが、たぶん板尾創路のことと思う。著者は「板尾日記」は、読んでないだろうなと感じた。
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ジェンダー/フェミニズムに触れる中で、ミサンドリーという概念を知ったものの、男の自分があえて深く学びにいくものではないなと思っていたのだが、『キレる私をやめたい』で知った田房永子がその辺と格闘している様子をWeb連載していて、その完結編として今回書籍にしたためたとの事で、読んでみる事にした。
前半の毒親/親子関係の体験を交えたジェンダー論はWeb連載で読んでいたが相変わらずキレキレで、書籍でまとめて読んでみると分量がすごくて飲み込み切れない感を受けたが、勉強させられる事が多かった。「男は皆性暴力者」という自らのバイアスを見つけ、向き合うまでの身を切るような様には、心を揺さぶられた。
ただ一方で、解決に向かう後半は…(以下ネタバレ)
前半キレキレだったのと対照的に、微妙だなと自分は感じた。少なくとも一般化して何か学びを得ようとするのは極めて難しいと思った。
まず占い師が怪しい。初めの「人を頼る」アドバイスは良いと思うが、それを「女性的」と位置付け、あまつさえ「男性的=役立ちたい」「女性的=頼る、お願いする」と位置付けて「夫を立てろ」というのは、目一杯贔屓目に言って「毒をもって毒を制す」ものかもしれんが、とても一般論として理解できる代物ではない。また何かの本を読んで、「元彼の執着」を見つけて、それを手放すワークをするというのも…なんだか入口から眉唾としか思えなかった。
男性恐怖を克服するのに「男は可愛い」というのを使うのにも危ういものを感じたし、そこはむしろ九州出身ママ友の発言が正鵠を射ていると思う。「男ってかわいい」が全ての前提で、男のどんな横暴も女は「まあ男のすることだから、かわいいもん」で許すという不条理。著者もその危うさを自覚しているからこそ本発言を引用されていると思うし、この引用こそむしろ素晴らしいと感じた。
…という訳で、当初期待していたミサンドリーとその克服についての知見はあまり得られなかったが、男の自分がミサンドリーを知った所で元々あまり役立つ事はないので、前半のキレキレジェンダー論を心に刻もうと思う。
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“それでも、これから二人でぬっちゃんを育てていかなきゃいけないから、反省して、改善するように努力してカウンセリングとかセラピーとか行ったりして、でもまたきっと同じような別のことを繰り返してしまいながら、それでもまた反省して、自分で自分を許して、暮らしていかなきゃいけない。”(p.76)
“「この子(この人)は今こういう感情に違いない」と勝手に決めて先回りして動くことは、相手が子どもでも大人でも場合によっては失礼なことだと思う。”(p.145)
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多分この本を取る人はしんどい人だ。
育児や家族という枠に
押さえつけられたり、苦しめられたり
それを『毒親』や『殴る妻』や
『女性しか行けないところに行った人』から
だったら既存の価値観を
打ち破ってくれるのではないか?と期待してみる
子供に夢を聞く人が昔から好きになれなかった
答え合わせをされてるようで
大人が満足する夢を語らないと褒めてもらえない
ただ大人も不安だから聞いてたと
最近になってわかる
夢がある人は人に聞かない
この件で言えば
家族、結婚に関しては日本は先行き不安で
人の芝生ばっかり覗いて
自分が間違ってないか確かめては右往左往
前半と後半で温度が違くて
特に後半は夫さんの立場がないというか
触らぬ髪に祟りなし状態になってて
作者の1人相撲がかなり拍車がかかってる
夫さんの意見というよりは
彼女が投げかけたことに
イエス、ノーしか用意されておらず
彼が何を言いたいかは言わせなかった
あなたが悪い状態なので
なるほどこういう積み重ねが離婚なんだなぁーと
タイトルのミスリードは
向き合えない夫婦が向き合うには?というのが
本当は向き合ってるわけではない夫婦ってことだけだろう
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おもしろい。
育児書として読んでほしい!
いろんなエピソードが零歳児を育てる自分には共感出来すぎる!
中でも(他の人の共感があまりなさそうなエピソードかと思うが)「子供へのプレゼントを買うのが自分達しかいないということが(祖父母達と疎遠なため)、物凄く悲しかった」とか。あああーわかるーー!!ってなった。
他人からすれば細かいこと。でも育児で大変な人には重大なこと。親子関係、夫関係、女の子育児、男の子育児。日々の生活で揺れ動く心情のその原因は?対処は?の答えを示すことのできる一冊。
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作者と母親の特別な関係は、誰にでも心当たりがあるようでないような感覚。自分は作者と母親の関係は共感できるところが多かった。そこから人間関係の構築が始まっていることがこの作品を読んで気付いた。重すぎず読みやすかった!
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タイトルがちょっと恥ずかしい……と思いながら、図書館でリクエスト予約。
「毒親」関連の本で著者のことを知ったが、その後、彼女がジェンダーに関してもいろいろ考えていると知り、少しずつ著作を読んでいる。
とにかく自分の思考ととことん向き合う人で、「なぜ私はいまこのように考えているんだろう?」ということを、逃げずに突き詰めようとする。
私も「自分はどういう人間なのか」ということを、ぐるぐるぐるぐる考えて生きているので、似ているなぁと思う。
息子さんに対する気持ちへの違和感から潜在的に男性を憎んでいると気づいたり、夫に対するモヤモヤで時に爆発してしまう自分を分析したり。
自分で自分の感情的な行動に驚いて、すぐに「どうしてこんなことを思ったんだろう。(良くないとすれば)どうしたら、変われるんだろう」と、冷静に考えているところが興味深い。
夫との離婚騒動?での自己分析は、一周回って読んでいるこちらがちょっと笑いを抑えきれなかった。
読み終えての結論……タイトルは、やっぱりこれしかない。
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図書館にて。
以前からTwitterで一部読んだりしていたが、全編読んでみてやはり圧倒された。
プールでがっつり泳いだあとのような疲労感。
これは見ないようにしていた、気づいてても気づかないふりをしていたものを突然目の前にばん!と出され、脳や心どころか全身で拒否してるということか。
高校を卒業したあたりから、性別の不平等をだんだんと感じるようになった。
女性が性的に見られる、痴漢が普通にいる、男性という性の中にある残酷さのようなもの、性欲処理の対象として女性を消費していいという暗黙の了解を今や私は殺意のレベルで嫌悪している。
特に娘が産まれてからは。
息子が産まれて混乱する田房さんの気持ちもよくわかる。
この本で田房さんが自分の考えや旦那さんとの関係を試行錯誤し、新たな世界にたどり着くのは奇跡だなと思った。
解決はしない。
誰もが逃げられないもやもやしたものと闘ったりやり過ごしたりしながら、私もやっていくのだと思う。
でも、この本には発見がたくさんあった。
手元に置いておくのはきついけど、折に触れ絶対また読みたくなるはず。
あと、題名はもっと別なものの方がいいと思う。
子育てを考える、ってのも、夫とのセックスが、っていうのももうそれだけで男は絶対拒否、手に取らないだろう。
子育ても考えたくないだろうし、妻ともセックスしたくないだろう。
ましてや妻の本音やトラウマなど知らんぷりしたいと思うが、男性こそ読むべき。
こうすれば女にモテる!という見出しの雑誌よりも、この本が理解できれば間違いなく女にモテる。
内容関係なく(失礼)男性が手に取る題名をつけるなりして読ませ、この本を読んだ感想をぜひ聞いてみたいと思う。
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自分を被害者と認識してどう向き合うか。
自分の感情への向き合いかたや分析がすごい。
キレる行動というのは 自分自身を守っている部分 を普段から自分が無視していることが原因。その部分をおさえつけていると絶望し怒り狂い あんたが私を分かってくれと身近な人へ吐き出されるのがキレるのメカニズム。
産後の夫婦の癒着しやすさも共感。
いいこシーソーや依存と自立のバランスなどイラストつきでわかりやすい。
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自分の中に存在していた不可思議な「男性嫌悪感」を紐解き、自身の心の傷を癒やし理解したことで、夫との関係性も改善された、という話。
田房さんの書籍は何冊か持っているが、自分の生臭い部分と対峙する覚悟・決意には毎度驚嘆し、勇気をもらえる。
私も所謂毒親の元で育ち、男性嫌悪感を抱いたり鬱病になって過去の自分と向き合う経験をした。
結婚した夫を愛おしく思う一方で、男性である夫に対し謂れのない怒りや憎しみを抱き、そんな自分に戸惑ったり、2人の息子を持ったことで、自分の思っていた"男性像"と現実の"男性"が全く異なることに気づき、男性学や性犯罪者の本を読み漁ったりもした。
しかしそんな自分の心理と対峙することは本当にハードで、自分を保つのに精一杯になることも多く、育児と同時進行で進めるのは中々大変であった。
そんな大変な作業を精力的に進め、しかもその内情を明け透けに執筆してくださるのはとてもありがたく、自分も頑張ろうと思える。
田房さんには今後も是非、面白い本を執筆していただきたいです。
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『母がしんどい』『キレる私をやめたい』などなど、田房さんの本をいろいろ読んできたけど、ずっと一本筋が通っていて、ぶれなくて、それでいて読むたび新しくて進化していてみんなにわかりやすくて、、すごい。すごく面白い。
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性犯罪の被害にあったことはないし、交友関係の中でも遭ったという人を聞いたことはないのだけれども、社会的背景だったり現状の話が記載されていて今までに感じていた違和感と共感する部分があった。
他にも自身の感じていた問題が作者の話と一致する部分があり改善策を学べた気がする。
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著者の、丁寧に自分の心の動きをみつめて向き合っていく過程がスリリングで目が離せない。
なにか不自然な、過剰な感情が湧くとき、その根底にあるのはなにか。
過去の体験から生まれた、自分を守ろうとする心の働きに気づくこと。
そしてその感情が生まれた理由を思い出し、癒すこと。
男性への思い込みについて
子どもとの関係について
夫との関係について
周りの人との関わりや、専門家のサポートのもと、
著者が自分の心の奥底をのぞき込み、
誠実に向き合って自分を癒やし、
過去に振り回されない関係性で家族と付き合えるようになるまでの記録。
その過程で著者が気づいたこと。
・親子関係:子どもと大人の関係は対等ではないから、大人は簡単に加害者になってしまう。夫婦関係がうまくいっていないとき、その皺寄せは一番弱いこどもに流れる。それを自覚し、子どもに押しつけるのではなく、原因であるパートナーと向き合うこと。
・男女関係:男性は本来、上に立って下にいる女性を助けてあげたい、優しくしたい。だから下に立たされると助けてあげられなくなる。男性と戦ったり攻めるのではなく、頼ったり感情を出すことで関係性がうまくいく。
・日本人のセックス観:女性を虐げる価値観のセックスコンテンツが溢れていて、その影響で女性を虐げる価値観を学んだ男性が多く、痴漢の蔓延など有形無形の女性への加害につながっているのではないか。
ぜひこのスリリングな旅路を辿ってほしい。自分の傷や思い込みに気づき、癒やし、周りの人とより良い関係を気づくきっかけがそこにある。
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田房さんが第二子として息子を授かった時に、自分の中にある男性に対する感情と向き合った本。
これを読んで、私も父に対する気持ちを色々と発見することができた。
うちの父はそのへんにエロ本とかエロビデオを置いておく人だったんだけど、私は本当にそれが嫌だった。性的なことと父とが結びついていることを知るのが嫌だった。でも私は父に私を見て欲しかったので、父が持っていたエロコンテンツに出てくるような女の人になろうとしていた。それは決して父に対して性的な感情があったわけではなく、そうしないと私には価値がないような気がしていた。成人してからのモラ男遍歴もそれじゃん!!と思ったらすごく腑に落ちた。
本当はザ・草食男子みたいな見た目の人が好きなのは、父と正反対だからかもしれない。まあザ・草食男子の人を選んでもモラ男だったんだけど…。
そして田房さんの旦那さんに対してもモラっぽいところがあるなと思うんだけど、ちゃんと向き合っていけるんだと衝撃だった。元夫はもっとヤバいモラだったから比べるのも違うかもしれないけど、私はこれまで生きてきて、男性に対等に扱われたことがないような気がしていて、私、対等に生きていくやり方を知らないかも。と、気づいた。
自分の中に存在するアンビバレントな感情に気づくことができた本。
でも「おちんちん部屋」は笑った。