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投稿者:showan - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルどおり、いろいろな風が吹いていました。一人の人生には、たくさんの気持ちのいい風、悲しくなるような風、恐ろしいことをもたらす風、それを救ってくれる風など。バルサが単そうを振り回す時、馬に乗って旅をする時、シャタが鳴る時に感じる風は、読みながら、バルサたちが感じるのと同じ風を感じる自分がいました。また次の作品で新たな風と行くバルサに会いたいです。
エピソードで物語りが増幅
2019/03/12 21:20
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投稿者:ぽんたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編の登場人物たちのエピソード。過去であったり、その後の話であったり。守り人の世界の人たちのエピソードは読めば読むほど本編の世界が膨らんでくるので、もっともっとと期待してしまいます。
エピソードを読むと、本編をまた読みたくなってしまう、そんな魔法にかかってしまうのです。
守り人シリーズのことを思うたび、青少年期、思春期と呼ばれる頃に読みたかったな、と今正にそんな年齢の人たちにちょっと嫉妬したりします。この物語を夢の中まで引きずってしまうくらいに感受性の高い頃に読んでいたら、もっと違った視点を持って世の中を見ることができるようになっていたように思うのです。大人な友人たちは、ファンタジーはちょっと難しい…と言うけれど、緻密に描かれている世界の中に身を置いて、自分も生きてみたいと思う、それだけ魅力のある妙に現実味のある物語だと感じています。
これまでと少し風合いの違う、守り人シリーズ番外編
2025/02/18 13:36
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある二つの名家に渡る秘密を追う、バルサの過去と現在を繋ぐ物語。
番外編なので、言わば本編完結後のオマケなのだが、それだけに色々と挑戦した感のある展開だった。ほんのりミステリーで、ファンタジー要素もこれまでと比較して控えめ、そして他の番外編で語られたストーリーから発展させた内容。堅実なだけに飛躍が物足りなかったが、守り人シリーズの新しい一面を覗けるのは一読の価値があるだろう。
庶民と名家で罪と許しのあり方にどれだけ差があるか、また平和の実現のために先人が呑んだ苦渋の多さ。深いテーマを巧妙な駆け引きを通して描く筆力は、さすがである。
それでも生きていく
2018/12/10 12:07
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の作品には「天と地の守り人」「炎路を行く者」に感じた圧倒的な熱量がないように思った。
亡き人たちへの惜別、残された者たちの哀しみと寂寥感を抱えながらたくましく生きて行く力ががこの作品の柱だと思う。
バルサたちの世界がタルシュとの戦いの後、皆が焼き尽くすような熱量を必要としない世界になったということなのかもしれない。たぶん、それでいいのだろう。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バルサの過去の話も交えながら、なかなか奥が深かったです。ファンでなくても楽しめる内容だったように思います。
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『天と地の守り人』のその後も、ジグロとの話も読めて大満足。
今度はもうちょっとタンダが出てくる話を読みたい。
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「だけど、お前が思いだすのがいやだといった、そういう旅が……ひとつ、ひとつの旅が、おまえを、おまえに、してきたんだろうな……。」
バルサとジグロ父娘の歩んだ道、バルサをバルサたらしめるに至った道程のひとつ。
許しと救済と鎮魂の物語。
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まさかバルサシリーズを書いて頂けるとは思ってもみなかったので、新刊が発売されたニュースを見た時は、本当に嬉しかったです。
そういう思いがあったので、この本(私以上にファンの娘が買ってきたサイン本!)は、一文一文を、とても大事に丁寧に読ませて頂きました。
やはり本当に素晴らしい物語でした。
登場人物が、それぞれの想いを持ちながら、自分の立場や役割との折り合いに葛藤しながら進んでいく様子が、歴史的な流れと、奥深い存在論的(ナユグまで織り込む世界観をなんと言えば良いのか、、)な視野で描写されていて、こちらの魂も揺さぶられる読後感でした。
ああ、これがバルサシリーズだよなあ、と、改めて感じ入りました。
ファンがゆえではありますが、書いていただいて有難うございます、と、作者に感謝を伝えたい、そんな一冊でした。
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完結したと思っていた守り人シリーズのまさかの続編。内容的には過去のバルサとジグロの話が中心なので、正当続編とは言いがたい話ではあるんだけど、バルサとジグロの話が読めるだけでファンとしては非常に堪能出来た、というのが正直な感想。
また、外伝と銘打ってはいるものの、物語として蛇足にならないと良いなと思っていたけど、読み進めるにつれてそんなことは全く気にならず、上橋さんの確かな筆力をベースとした物語に身を任せて幸せに浸るのみ、という感じでした。
一方、この形式であと数作書けそうな感じはあるな、とそんな事も思ったりした。また、外伝という形式で、大戦後の新ヨゴ国、カンバルやロタを単に旅をして色んな人と出会うだけ、という物語も読んでみたい。そんな物語、書いてくれませんかね?
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守り人シリーズ外伝。
守り人シリーズを読んだのが数年前なので、前の戦の事情とか、殆ど覚えていなかったのですが、さすが上橋さん。物語の世界へずんずん引き込まれていきました。
サダン・タラム〈風の楽人〉の頭の護衛を請け負ったバルサ。過去にもサダン・タラム〈風の楽人〉達と共に旅をした時の話が挿入されている構成です。
まだバルサがジグロと共に旅をしていた頃、10代のバルサとジグロとの厳しくも固い絆が素敵です。ジグロは本当に“プロ中のプロ”という感じでゆるぎないものを感じますね。
バルサもこの頃の感情の揺れを乗り越えて、その後のブレないカッコイイバルサに繋がってゆくのですね。
ジグロとサリのロマンス(?)や、話の本流にある民族間の確執など、読み応えも満足です。やはり『守り人』好きですね~。
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通勤電車の中で立ったままでも読み進めたくなる本でした。あまりののめり込みすぎに、座って読んでいた時は乗り越しそうにもなりました。
バルサが少女だった頃を思い返しながら辿る護衛の旅。あの時のジグロの想いに気付きながらのこの旅はまた、守る者と守られる者の心のありようを、大人になって幾多の経験を積んだバルサだからこそ気づけたこと、と綴られています。
上橋菜穂子さんご自身も齢を重ね、経験を積んだからこそ紡ぎ出すこと川出来る物語のように思います。
人生経験を積んだ中高年が楽しめる物語だと、思いました。今の子どもたちがこの物語を読めることに嫉妬します。でも、この作品の味わいは時を経てまた読み直すことでわ違う感情が湧き出てくるように思うので、いつも書棚の片隅に鎮座させいつでも手に取れるようにしておきたい、そんな作品です。
成長したチャグムに会いたいな。
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解説がある軽装版をオススメします。
覚えのあるエピソードなのは、発表済み短編を膨らませたものらしい。過去と現在が巧妙に交差する。インド映画ばりに歌いだしたり、ジグロに隠し子疑惑があったり、バルサが後妻?に嫉妬したり、ツッパリ不良ぶっていたり、ツッコミどころ満載。
楽団の頭が狙われる理由についても、あんた最初から言いなさいよ、と。
泣けるほどではないが、『闇の』に肩を並べる鎮魂と融和が主題。序盤のもたつきと、男性陣が薄い、槍術の見せ場が少ないのが惜しまれる。
ジグロに瞬殺された王の槍の人、なんだったんだ…。
あいかわらすタンダがお留守番。トロガイふくめ、もうちょい外伝読んでみたい。早めの文庫化望みます。
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あとがきに「もっと書けませんか? と言われて書いた」という内容が記載されていたが、嗚呼、確かに。書かされて書いたのかなというような蛇足感があり、少し残念に思った。
天と地…もしくは炎路…で終わっておいたほうが綺麗に完結していた気がする。バルサの若い頃の話と、タンダ・バルサのその後が見られたのは良かった。
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過去と現在の行ったり来たりで迷子になりそうだったけど、あとになって読み返しながら物語を追っていった。バルサとジグロの絆がアツい
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現在のバルサと過去のバルサ。
異界への道をつなぎ戦士の魂を慰める楽の音を、
再び護衛することになるバルサ。
その音を奏でる娘が、養父ジグロの娘らしきことには驚いた。
伝説の英雄の墓を巡る
ロミオとジュリエットの現実を解き明かし、
国の未来を手繰り寄せるとは、もはや護衛士の範疇を超えている。
いや、政治的駆け引きの巧妙さは、
かつて山賊の襲撃を退けた時に見たような気がする。
いまだに危険から足を洗えないとはいえ、
現在のバルサが幸せそうで良かった。