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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作『七人の敵がいる』に続く、保護者もの。
前は小学校のPTA、こんどは中学の部活の親の会。
文化部だけど運動部体質の吹奏楽部。
前作からのメンバーに加え、ゴルビーや東京さんなど、
脇役で登場する人たちがそれぞれ持ち味を発揮してきて、
それによって面白くなってくるあたり、
まさに七重奏。
四重奏ぐらいまでは知ってるけど、七重奏ってほんとにあるんだ。
しかも、セプテットって読むなんて知らなかったよ。
ただ、ジェンダー的にいえば、夫の影が薄くないか?
陽子の獅子奮迅に見合う動きがあればなあ、
とは思うけど、そしたら、話はこんなに面白くはなくなる。
東京さんの夫も無理解そうだし、
あとから反省するゴルビーもそうだけど、
そんな男たちへの非難もこめられているのかしら。
『七人の敵がいる』、続編だけど・・・。
2019/11/30 13:47
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
部活をがんばる中学生を支える親たちの物語。
出版社の編集としてバリバリ働く山田陽子は、同時に一人息子の陽介を愛する母親。中学生となり陽介は吹奏楽部に。小学生の時はPTAだ自治会だといろいろ大変だった陽子は、中学校に入れば楽になるだろうと思っていたが、<吹奏楽部親の会>というものが存在して・・・という話。
PTA小説『七人の敵がいる』の続編。
おいおい、ちょっと待て! 陽子の夫はこんなに「いい感じの素敵なダンナさん」ではなかっただろ! ふざけているのかと首根っこつかんで締め上げたくなるような「ダメ系夫の最大公約数」だっただろ、とつい前作『七人の敵がいる』を引っ張り出してちょっと読み返してしまったではないか。ほら、やっぱり。なので序盤はキャラが変わった?、という違和感でいっぱい。夫だけでなく陽子自身も。
その後、夫のダメ振りもあらわれてきたのだが・・・確かにおなじみのメンバーも出てくるのに、微妙に<シリーズもの>感が薄い。前作を読まずとも楽しめるように書かれているからだろうか? キャラクター小説ではなくコンセプトが先にあって、それにキャラクターを当てはめたからだろうか。それとも、彼女たちは成長したのに読者である私は成長してないから?
公立中学校で吹奏楽をやる大変さ、それを支えるための大変さに脚光を当てているのはいいのだが・・・ほんとはもっとあるよね、各方面に気を遣ったためにいまいち踏み込みが足りないような気が。三年間を7章で収めているために、ディテールが少ない感じで物足りない!
まぁ、それは『七人の敵がいる』も同じで、一冊で六年間だから・・・陽子の仕事についても具体的な描写は避けているのが気になったし(そっちを描いてしまったらPTAのほうに集中できないという事情はわかるのだが)。
そう、もっと細かいところまで読みたかったのかもしれない。
もう中学生のときのように繊細でも尖ってもいないですが、でも中学生だったときの気持ちは覚えているから。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
母親行進曲。
吹奏楽に目覚めた息子。
の、応援をしたい母親。
が、保護者会で奮闘。
リアルに考えるとホラーじみた。
フィクションとしてはコメディの。
作中のペースが、
中学生を抱えた母親の体感速度を現しているようで
なんとも言えない気持ちになる。
タイトルは「山田陽子物語」でいいんじゃないかと思うくらいキャラが立っていたのだけれど、実際シリーズがあるようなので、前作にあたる「七人の敵がいる」も読みたいです。
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中学の吹奏楽部のお話ではなく、その親の会のお話。運動部には親の会の活動があるらしいけれど、文化部にも??
そうか、集団で活動し部員が多ければ先生の手だけでは足りず親の活動も有りなのか。親といえどもできる親ばかりではないのは当然で……中心になって活動していただいている親御さん方にはお世話になります。お疲れ様です。陽子さんのようなグイグイ引っ張っていただける人がいると助かりますよねきっと。
ありがとうございます!!!
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相変わらずのミセス・ブルドーザー。
忖度なく、合理性を求めて突き進む。だけど、一人息子のことになると、途端にまわりが見えなくなる。
今回は中学生になった息子の部活をめぐるお話。
おもしろかったー。
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中学生の息子を持つ母親の奮闘記のような物語。PTAに部活の親の会にと忙しい。仕事がもありなかなか上手くいかない。そんななかでも主人公陽子の強引さ、意見を言う時の言葉の強さ、そういうものが面白い。自分の主張はしたいけれど我が子に悪い影響があってはいけないと迷う瞬間などに親の想いが見える。当たり前のように部活をしていたけれどこうやって支えられていたんだなと改めてありがたく思う。子の成長と親の喜びが詰まった作品。
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ワーキングマザー陽子の一人息子・陽介は、トランペットに憧れ、中学で吹奏楽部に入部する。
部活と勉強に明け暮れる陽介の青春の日々。一方、陽子を待っていたのは、〈部活保護者会〉での戦いの日々だった――。
中学生の部活動を、舞台裏で黒(くろ)子(こ)となって支える親たちにスポットを当てた作品。
いやぁ、この先生の作品は働くお母さんにとっては毎回突き刺さる!
前回読んだ 七人の敵がいる という作品も、かなり感情移入する箇所があったが、
この作品も然り!!
愚息が野球部の頃、ありましたよ保護者会。
居ましたよ、保護者会のボス(笑)
凄い分かる!!
私は主人公の様に気が強くはないし、弁が立つわけではない。
だからこそ、主人公がぶった切っていく姿が清々しい(*´▽`*)
あちこちでコロナ感染が広がる中、恐ろし過ぎて外には出られず、
一日で一気読みしてしまったが、中々に引き込まれる小説だった(*^-^*)
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「七人の敵がいる」の続編。さらに言えば「月曜日は水玉模様」~「レインレイン・ボウ」から作品世界は繋がっていますが、まあ「七人~」だけ読んでおけば大丈夫かと思います。
さて、前作はミステリ作家異色のPTA奮闘記だったわけですが、お子さんも無事!?進学し、今回は部活小説です。より正確には、部活"母親"小説。文化部の中でもとりわけ体育会系と言われる吹奏楽部ですが、いやあ親御さんも大変ですね。自分は中学の時、母親の第一希望だった吹奏楽部を蹴って科学部に引きこもりましたが、母にはその選択に感謝して欲しいものです(笑)。
前作が「PTAなんてワーキングママには絶対無理!でもそれ口にしたら終了…」という問題提起だったのに比べると、今回は割合自主的に輪に飛び込んでいる感じがしますね。陽子が丸くなった、という要素もあるでしょうが、やはり子供の成長を目の当たりにできる部活動、という舞台措置がそうさせているのでしょう。まあパート分け直訴する辺りはほぼモンペですが。
そうなると翻って、PTAって何なんだろう。来年が怖いなあ。
あと、東会長は本当にいい人すぎる。
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お久しぶりの加納朋子作品でした。やはりハズレ無し!「動かざること山田の如し」と自身に戒めつつブルドーザーの如く山積した問題を薙ぎ倒して更地にしていく山田陽子、痛快この上なしっ!息子陽介くんの高校編を請うっ‼︎
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年末に読んだ「七人の敵がいる」の続編。
幼かった陽介も中学生になり、トランペットに憧れて吹奏楽部に入部したものの、意に沿わないファゴットを割り振られる…。
大きく出遅れた中学お受験の話から始まって、パート変更を顧問の先生に直談判したり、親の会の役員会で女帝とぶつかったり、陽子さんも多少は学習したようではあるが、前作の焼き直しみたいな話が並ぶ前半はあまり興が乗らず(ファゴット奏者がファゴットやり始めたきっかけはこんなものなのかなとか、そんな楽器でもお金はかかってなかなか大変ねと思ったりしながら)。
後半、女帝にたてついて役員に立候補したり、会長の娘へのいじめに対する神対応など、ミセス・ブルドーザーの本領が発揮されてようやく面白くなった。最終章に至っては鬼神のような立ち回りで、最後には満足して本を閉じさせてくれるところは流石(ゴルビー親子のエピソードには泣ける)。
それにしても、まともに親の会の役員をやるとなると、とても仕事と掛け持ちしながらなんて出来ないなぁと思わされ、ここに描かれていないが編集長たる陽子さんのお仕事はどうなっていたのか、いささか心配になるのだった。
前作に続き★は3.6くらい。
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子育て中なので、親しい人に薦めたくなる。PTAも保護者会もしんどそうだけど、なんとかなる!励まされた。
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好きな所がたくさんあった本でした。七人の敵がいるは読んでなくて油断だった。陽子のブルドーザーは的を得ていてどんどん前に進むのが頼もしくて、周りが上手くいって凄いと思う。イジメの対処も今現在にある学校のイジメに有効なのでは、マニュアル作れば出来るのではと希望が見えた。東京さんのあだ名も遊びを入れて、不穏な空気も最後の方は無でした。ゴルビーの献身と音楽教師だったのかと最後の親子の告白は1番よかった。かぐや先生の登場をもっと欲しかったかな、あと新谷さんのきらめきももっと見たい、シンヤとはまた面白い
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[七人の敵がいる]の続編。中学生になった陽一が吹奏楽部に入り、部活を巡る保護者たちの奮闘物語。協調性があるとは思えない陽子に少しずつ仲間が増えていくところが面白かった。さらなる続編を読んでみたい。
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七人の敵がいるの続編
今作も前作同様、陽子のミセス・ブルドーザー(渾名)ぶりが面白かったり、はらはらしたりなエンタメ作品でした。