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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェーン店は最大公約数を目指さざるを得ないため、どうしても似たようなメニューや味などになってしまう。たとえば、ガストなどはその最たるものなのだろう。一方で、大手であってもサイゼリヤはそうではない。どこかこだわりが強く、好き嫌いが分かれるようなものであってもオンメニューさせる凄さがある。
筆者は原理主義者であり、日本国民に受け入れられやすいようなローカライズされたものではなく、現地の味そのままといったものを好むようだ。そして、それは様々な箇所で表れているが、サイゼリヤに対して非常に熱意を持っているのは、この原理主義に合致しているからなのだろう。確かにサイゼリヤは安くてコスパが良いというだけでなく、なかなか面白いお店であり、そしてよくこのようなコンセプトで大成功を収めたものだと感心せざるを得ない。筆者の愛に触発され、サイゼリヤでプリンを食べたくなったものだ。
吉野家があっさりという感覚はなかったが、後発店であるほど濃くなっていく味付けというのは確かにあるのだろう。全体的に味付けが濃くなっていくというのが本当に良いことなのだろうかと疑問には思う。
本書に対しての注文として、やはり健康面に触れてほしかった。よく、栄養の本などで、ハンバーグ定食は何kcalで、などというのは書いてあるが、どこのお店のなんというメニューがどれほど健康的かなどということは書いていないためにガッカリすることが多い。そこまで書くことは難しいのかもしれないが、本当に知りたいのはどのお店は健康的で、外食でも大丈夫なのかといった安心面ではないだろうか。味とコストの関係は自分でもわかる。健康面に触れていくと、よりチェーン店を安心して使えるようになるので、その点の視点が欠けているのが残念に感じるのである。
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題名の通り、本当のスゴさがわかってしまった。最近はサイゼリヤばかり行ってるし、行きたい。今日も行ってきた。
大学を卒業して給料生活になり金銭に余裕が出てきたころから、なぜかチェーン店を敬遠し始めた。チェーン店に対して「安かろう悪かろう」という根拠のない思いを抱いていた。それは全くの間違いだった。。
半分程度がサイゼリヤ利用術に割かれているけど、それ以外にも餃子の王将やファーストフード店、食べログの活用術等も興味深い。
文章に通底しているのは食事を楽しもうという気概か。餃子の王将のニンニクゼロ生姜餃子のことなんて考えたこともなかった。何か「ない」ことが旨さにつながることも意識したことなかったなあ。
この本を読めばチェーン店での食事のみならず食生活そのものについてもっと楽しもうと思えるようになるはず。そして本のチェーン店利用活用術を試すのがなによりも楽しい。幸いなことにお金もそんなにかからないし。
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飲食関係の著者が書いたチェーン店に対する愛で溢れた本。
といっても贔屓するわけでもなく、ロジカルにいろんなチェーン店に関して解説していてとても興味深い。
サイゼリヤ、ガスト、デニーズ、ロイホ、バーミヤン、王将、マクドナルド、モスバーガー、ケンタッキー、吉野家、松屋、かつや、からやま。
チェーン店とは別の大陸系中華、インネパール、さわやか、ブロンコリー。富士そば、日高屋。食べログ。
ごちそうさまでした。
写真があるムックみたいなのになってほしい。
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稲田俊輔『人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本』(扶桑社新書、2019年)はチェーン店の素晴らしさを紹介する。チェーン店は宝の山である。ステレオタイプな感覚はチェーン店に「おいしくない」「安くて便利だから仕方なく使うだけ」「時間も金もないからこんなところで飯を食べている」などネガティブなイメージを持っている。しかし、それは勿体ないことである。
何もチェーン店のメニューの全てが優れていると主張するつもりはない。むしろ選択肢が多いことがチェーン店の魅力である。逆に個人経営の店舗に慣れた消費者の方が出されたものをそのまま食べる受動的な感覚になっているのではないか。それをありがたがってグルメ意識を持っているならば滑稽である。
チェーン店の利点としてサービスの公平性がある。誰に対しても同じサービスという機械的平等に心地良さを感じる。顔見知りの常連客に特別な気配りをすることは、別の誰かにマイナスのサービスをして成り立っている可能性がある。東京03のコント「常連客」は常連客へのサービスが、他の客には不公正になることを笑いにしている。
常連客へのサービスは、常連ではない一般消費者には不公正感を与える。大口顧客への割引のようにルールが明確化されていれば、不公正感は少ない。しかし、昭和の村社会的な贔屓になると、透明性がなく、不公正感が高まる。サービスを受ける側ではなく、受けない側がどう思うかの視点が必要である。それは消費者を相手にする経営者にとっても有益な視点である。
美味しさは値段で決まらない。値段と味や品質は比例しない。高かろうが安かろうが、チェーン店だろうが何だろうが、自分が気に入ったものを選択する。それが家計簿にも良い。戦前戦中の集団主義的な価値観を嫌悪するが、唯一「贅沢は敵だ」は評価する。消費が美徳の昭和の時代は終わっている。
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・これを片手にサイゼリヤに行きたくなる
・ファミレスは70点×100人の戦場で、70人が100点をつけてくれるところを目指したら、30人は食べられなくなるジレンマの話が面白かった
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世の中には食べることの好きな人と食べることが異常に好きな人の2種類がある。実際に幅広い種類の飲食店を複数運営するという筆者。プロの視点だからこそ気づく人気飲食チェーンの魅力。
全4章のうち初めの4分の1はサイゼリア礼賛。どうなることかと思ったがその後、デニーズ、ロイヤルホスト、バーミヤンからマクドナルドやモスバーガーなどファストフード、最近雨後の筍のように増殖中の大陸系中華やインドカレー店(実際はほとんどがネパール人経営だとか)まで、実に広いジャンルを解説。
本書の魅力、何より実際に飲食店の経営者が筆者と言うところが実に良い。原価、仕入れの手間、調理方法、メニュー構成などチェーン店のマーケティング戦略を推察する視点はさすがはプロ。
100点×70人か、70点×100人か、なんて視点は客サイドからはなかなか出てこない。
元々はサイゼリアのメニューのアレンジのブログがから生まれた本作。本書に登場するチェーン店1つ1つを粗探しでなく、前向きに捉える姿勢が良い。
ダラダラした記載は素人っぽいが中身の充実度でカバーできた一冊でした。
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★★★★
今月7冊目
おもろかった。食べることに命かけてる私もうすうす気がついてましたよ。
チェーン店の凄さに。
そして個人店よりチェーン店を見下す事に。
この本読んでサイゼリアめちゃ行きたくなった。
カスタムして食うぞ。
大陸系中華屋とこインドネパール屋をインネパ系とか新たなワードを手に入れた
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これは新書版「メシばなタチバナ」です。
「メシばなタチバナ」とは、チェーンの牛丼店
などの歴史や、そのメニューの変遷の歴史を語
る人気漫画です。
そしてこの本も、チェーン店のビジネス的な観
点でのスゴさを語るのではなく、「こういう隠
された楽しみ方ができる」というスゴさがある
というのを語っているのです。
例えばサイゼリヤ。
サイゼリヤでは普通の調味料としてオリーブオ
イルがあります。このオリーブオイルを使って
既存のメニューを「味変」させるテクニックを
語っています。
チェーン店も侮れない。明日の昼には行ってみ
るか、と思う一冊です。
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サイゼリア
パスタ アマトリチャーナ
ハム プロシュート、ミラノサラミ、粗挽きグリルソーセージ
フレッシュチーズとトマトのサラダ(モッツァレラチーズ)
バッファローモッツァレラピザ
無料のオリーブオイルと粉チーズ(ペコリーノ、グランモラビアチーズ)
イタリアンプリン
マック
クオータパウンダーはなくなったが、グランシリーズ
ダブルチーズバーガー ハティ2倍を狙え
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筆者のサイゼリヤ愛がひしひしと伝わってくる本。
松屋の紹介「とにかく私たちに米の飯を食わせようとしている」は非常に納得!(笑)
食べログの低評価レビューの話は、実用的で良い。
チェーン店の凄さを語る筆者の勢いに圧倒される。所謂"美食家"は、チェーン店を色眼鏡で見勝ちなものの、筆者の飲食に対する平等愛、尊敬を感じ取れる。飲食店を経営しているからこそ分かる凄さなのだと思う。
P266で、若い世代はチェーン店への偏見も少なく、今後は旧弊な先入観に囚われない実力勝負の時代が来る、と記載あるが、コロナで予想以上に早くその時代がやって来ている様に思われる。(3千円の格安店なら、お家で良いものを食べる動きなど。出版時点で2019年。)
筆者も述べる様に、成功しているチェーン店とは常にアグレッシブな挑戦をやめない企業だろう。消費者としても、チェーン店(に限らずだが)の挑戦を楽しむ度胸が大切。
チェーン店でもっと自信を持って食べて欲しい、凄さを知って欲しい、その思いで書かれた事を最後に知り、その熱い思いに感動しました!
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サイゼリヤ編はもちろんのこと、マクドナルド節、松屋節、バーミヤン節も素晴らしく、挙げ句の果てに「さわやかvsブロンコビリー徹底比較」節は見出しを見た瞬間に顎が外れそうなほど笑ってしまった(この本を読み終えるときには倍ダブチを買ってきてアサヒ生ビール缶と一緒に食べていた)。
話の内容の巧みさもさることながら、ここ30年のチェーン店の限定メニューを、さも食べて覚えていることが当たり前であるかのように持ち出し、論じてみせるあたりに、職業的食い道楽の面目躍如があるように見えた。まるでここ半世紀の演劇の演出論を複数の公演を全部踏まえた上で語るような、そういうともするとスノッブな風合いさえ出てくるような語り口、それがファミレスほかチェーン店の限定メニューでも可能であり、マウント要素たりうるのだと(本人はマウントしてるつもりはなくて本当に好きで覚えてるだけなんだろうけど)圧倒させられた。著者の稲田さんが言う通りにチェーン店を舐めずに向き合うことで、食事の楽しみは増えるはずだと思えたのは収穫だった。その辺のなんてことないチェーン店の限定メニューのことを、数十年後まで語り継ぐかも知れないと言う思いで注文することなんてこれからどれだけあるだろう。そんな食い道楽的にスケールのデカい想像をさせられる本だった。
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めちゃくちゃ面白かった~!ゲラゲラ笑いながら読んだ。イナダ先生は文才があるのだ。だからTwitterも面白いんだね。
松屋行きたい~
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サイゼやガストなど、外食チェーンの知られざる凄さを語る一冊。特に、冒頭にあるサイゼ愛が凄い。著書の推奨するサイゼのフルコースは一度は試してみたいな。ひとに教えたくなるネタも多し。いいですね。
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著者の『おいしいものでできている』を読みオモシロかったので新書である本著をサクッと読んだ。画一化の象徴であるチェーン店について深掘りしていてとても興味深かった。どこの県の国道沿いにも同じようなレストランやファーストフードチェーンしかないことを憂いてはや数十年。その画一化の中での進化を見過ごすのは本当にもったいないと思えた。当然個人経営のお店を真っ先に応援したい気持ちはありつつ著者のようにチェーンの良さを最大限まで堪能したいなと感じた。
チェーン店を安かろう悪かろうで下に見る風潮の中で著者が目をつけたのはサイゼリヤだった。2023年現在、サイゼリヤをメタ的に本格イタリアンだと考えてベタ褒めするのは当たり前になっているが著者が火付け役のよう。提供されるメニューの美味しさに加えて顧客側のカスタム要素を根掘り葉掘り教えてくれていた。特に無償提供されている調味料を最大限に活用するテクニックの数々は今すぐ真似したくなるやつだった。ただ読了後に食べに行ったものの本著が書かれたときと状況が異なっており調味料はかなり縮小されており残念…とはいえ本著を読むことでサイゼリヤだからこそ楽しめるメニューを知れるので有用なのは間違いない。
冒頭かなりのボリュームで説明されるサイゼリヤと同じように、さまざまなファストフード、ファミレスについて延々と書かれていて、いずれの論考も興味深かった。行ったことない店はほとんどなく身近なメニューに関する新たな価値観の提示があるので、食べたことあるものだとしても改めて食べたくなる。個人的には松屋のパンチの効いた味に関する歴史を紐解いた章が納得度が高かった。またチェーンではないものの、どの街にもある中華料理屋、インドカレー屋についても背景含めて細かく解説されていて勉強になった。「ベタ」はバカにされがちだけども、その先を見つめられるような著者のような視点は忘れずにいたい。
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書かれた当時と状況は変わってしまっている部分があるものの、だいぶ興味深く読んだ。
面白い。
文体や表現などに誤りや不自然な箇所が見られて若干気になった。