1テーマで2人を対比
2020/01/02 15:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よくありがちな作品紹介の羅列ではない。文豪の位置付けを平易に解説しており、素養のない自分でも面白く読めた。1つのテーマの中で、2人を対比して紹介する手法が成功していると思う。個人的には、文学の大衆化についての部分が興味深かった。通俗小説は学問の対象ではないのかもしれないが、現代につながる重要テーマではなかろうか。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者も言及しているが、この本では幅広く作家や作品が紹介されているわけではなく、特定のテーマに基づいて紹介されている。個人的には、文豪たちのエピソードもあり、とても面白かった。
投稿元:
レビューを見る
二葉亭四迷から芥川龍之介まで、名作を紹介しながら、言文一致体の誕生、女流作家の登場、新聞小説の流行など近代文学の発展を解説
投稿元:
レビューを見る
人物史中心というスタイル。
作品の解説という要素は、あまり無い。
けれど、ここを第一歩に進めていく時には、確かな足場になるだろう。
投稿元:
レビューを見る
第1章 異端の文体が生まれたとき―耳から目へのバトン
第2章 「女が書くこと」の換金性―痩せ世帯の大黒柱とセレブお嬢さま
第3章 洋の東西から得た種本―模倣からオリジナルへ
第4章 ジャーナリズムにおけるスタンス―小説のための新聞か、新聞のための小説か
第5章 実体験の大胆な暴露と繊細な追懐―自然主義と反自然主義
第6章 妖婦と悪魔をイメージした正反対の親友―芸術か生活か
終章 文学のその後、現代へ
著者:堀啓子(1970-、兵庫県、比較文学)
投稿元:
レビューを見る
文体をテーマに三遊亭円朝と二葉亭四迷を取り上げるというようにテーマごとに2人ずつ取り上げて合計12人、代表作を中心にその人生を描いている。最後が菊池寛と芥川龍之介である。それぞれの作家の文学史に持つ意味がまざまざと浮かび上がってきて、とても面白かった。これらの作家を巡る人々や時代の様相や別枠のトピックスもまた興味深い。芥川などを読みふけった学生時代を思い出して、ちょっとなつかしい気分になった。
投稿元:
レビューを見る
近代日本文学について代表的な人物を選んで学ぶことができる。すべてを網羅しているわけではないが、この本を読めば、近代日本文学の発生から展開まで通覧できる。ちょうど三宅雪嶺の評伝を読んだ後なので三宅かほについて詳しく知れてよかった。樋口一葉、田山花袋、読んでみようかな。
投稿元:
レビューを見る
章ごとのテーマの設定が面白く、そこにそれぞれ2名だけに焦点をあて扱うことで見えてくるモノがあって面白い。
2名の選び方も面白く、円朝と四迷とくれば「ああ、文体構築の話だな」とピンと来ますが、涙香と漱石を並べられると接点が思いつかない二人で、「新聞小説」というキーワードでようやく結びついて「なるほど!」といった感じの。
他には一葉と田辺花圃(お互い切磋琢磨した女流)、紅葉と泉鏡花(師弟)、花袋と鴎外(自然主義と反自然主義)、菊池寛と芥川龍之介(正反対の親友)…とどれも面白い着眼点!
最後にかなりザックリですが現代に繋がるまでの近代文学史の話もふれていて、読みやすく面白い1冊でした。
巻末の索引と主要参考文献の詳細な一覧も流石です。便利。
投稿元:
レビューを見る
文学史を時系列通りに辿っていくというよりも、テーマを絞って掘り下げていく本である。
黒岩涙香について知ることができて、良かった。
投稿元:
レビューを見る
日本文学史にまつわる本を探していて出会った本書。
12人の文豪を取り上げながら、文学における表現方法や、作家の生い立ちおよび作品が生まれた背景やそれぞれの作家としてのスタンス、またいかにして読者に作品を届けるかなど当時の奮闘ぶりが垣間見れる作品と感じました。
それぞれの作品・人生の裏側に物語があり、あらためて日本文学を読み直したいと思え、その足がかりとして参考になる良書だと思います。
個人的には、なぜか三遊亭円朝・黒岩涙香・菊池寛の、作品を読んだことがない作家のエピソードに興味を持ちました。
そしてこの世にある大量の作品にも、いろいろな舞台裏があるのだと想像し、文学にまつわるすべてのことに敬意を持ち、心して今後の読書ライフを満喫したいと思いました。
恥ずかしながら、私には文中の単語などやや難しく電子辞書で調べながら読了しました。
投稿元:
レビューを見る
今日の日本文学の礎を作った名高い文豪たちの様々な面をエピソードや丁寧な分析、いろいろな傍証や引用をもとに検証された労作です。こんな作品が新書版で読めると言うことがとてもありがたく、この国の文化の素晴らしさだと思います。
投稿元:
レビューを見る
同時代の二人を比較しての文学論。具体例も多く、楽しく読むことができました。
個人的に近代文学が好きなんで、漱石あたりから芥川までが興味深かった。黒石涙香って、あんまりしらなかったけど、面白かった。『岩窟王』とか『ああ、無情』って、黒岩の訳なんですね。今でも、時々使うなあ。