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【キングが小説への愛をこめた圧巻のミステリー】多額の現金と幻の原稿を拾った貧しい少年。それは出所したばかりの強盗の盗んだものだった。少年を守るため元刑事たちが立ち上がる。
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焼かれてしまった未発表原稿は、実はダミーで、本物は残っていた、とはならなかった。
その未発表原稿の魔力に取り憑かれた犯人像は、「ミザリー」の彼女を彷彿とさせるが、あっさり亡くなってしまったのはちょっと拍子抜け。
キングらしい偏執狂的な部分が抑えられた気がするのは、穿った見方かな。
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三部作の充実感、最高。あらためて、キングが執筆時に傾ける歴史、風土等博学な知識の泉に触れ、単なる文学でない奥深さを味わえた。
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前半がなかなか進まないです。後半ホッジスが出てきてピーターと会うところまでがもう長くて長くて。上巻の後半でようやくホッジス登場、だけど2人が接触するのは下巻の後半だったかと。そのころまで行くと読むのが止まらなくなるのですが、そこまでがちょっとだらだらと長くて、うーんやっとか!という気がしました。個人的にはミスター・メルセデスに続きジェロームとホリーが活躍し、親しい友人のようにそこにいてくれたのがうれしかったです。ミスターメルセデス3部作、あとは任務の終わりのみ。ちょっとブレーキ踏んだ感じの第2部から第3部に向けて、楽しみです!!
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献辞にもあるとおりケープフィアーなお礼参りもの。ただし悪役はひたすら狂った殺人鬼。
話もシンプルで読みすすめやすいが、ねちっこさが物足りなかった。
ミスターメルセデスはこれからドラマで見ます!
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「ミスター・メルセデス」の続編です。
上巻はのんびり読んでいたのですが、下巻に入ったら案の定止まらず…!一気でした。
ああ〜面白い‼︎
今回、なんといっても、設定が面白かったなあ。モリスというのは、最低最悪のワルなんだけど、こと、好きな文学に対しての思い入れが異様に強い。それは、ある意味やっぱり「愛」ではあるんだけど、その歪み方というか…。ともかく酷いヤツなんだけどね。30年も経ってから少年ピートが
それを発見して・・・という流れとその後の展開が、ホントに読んでて映像が浮かびました。だ〜か〜ら、キングは映像化されるんだろうなあ。
そして、我らがホッジスたちの活躍につながっていきます。
しかもまだ、この続きがあるんですねえ〜!
毎度言ってる通り、キングの細かい細かい細かい描写が…クセになる(笑)一種の中毒ですね。
さて、次はこのまま、「最後の任務」にいっちゃいます(^^)
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ビル・ホッジズ三部作の第二弾。内容としては、第一弾『ミスター・メルセデス』の続編というよりもスピンオフに近いかなと感じた。独立した作品としても楽しめるが、第一弾のネタバレを含んでいるので発表順に読むのが無難。
プロットや描写が期待よりも淡白だった点や、第三部で物語が疾走し始めるまでが長く感じられた点などは、他の方のレビューに同意せざるを得ない。ただ、第一部では他のキング作品でお馴染みの要素がいくつか含まれていて、長年のファンは楽しく読めるだろう。
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3つの軸にどれも肩入れしながら読み進めた。
前作とは趣が違うけど、キングの文学愛がひしひしと伝わり結果面白く読めた。
難癖つけるなら、(前作同様)終盤の捜査・追跡が出来すぎてやしないか、とは思った。
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上巻で各登場人物ごとに同時進行していたお話が下巻で融合して一気に加速していきます。
この各パートの合体が早いのはキングにしては珍しいなと感じました。
あ、もうここで合流するんだ、みたいな。
その後多少の付かず離れずな展開はありますが、時系列も素直で読みやすかったです。
ちょっと綺麗にこじんまりまとまりすぎたな、という印象はありますが、それはここ最近のキングによく見受けられる傾向ですね。技巧的に成熟して、冒険的・実験的な要素は薄くなってしまいました。それでもやっぱり天才的に面白いんですよね。
やはり本書で特筆すべきは偉大な作家の幻の原稿を扱っているところ。
我々読者がキングにそれを重ねるように、キングもまた偉大な先人たちに思いを寄せて書いたんだろうな。そしてこのシリーズが三部作であることもまた興味深いですね。キングも原稿を隠してないだろうな、なんて。
少し間を置いて(自分の中で本作をじっくり寝かせて)最終作「任務の終わり」にとりかかろうと思います。
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2024/2/19読了
今作もミステリ路線だが、途中と最後で〈メルセデス・キラー〉ブレイディ・ハーツフィールドが登場、何やら不穏な描写が……。
困窮家庭の少年ピートが偶然掘り出したトランクの中には、多額の現金と30年以上前に強盗に殺された作家ロススティーンの未発表原稿を含む膨大なノートがあった。ピートが現金を家族の為に使い果たし、次に作品ノートを換金しようとした矢先、ロススティーンに異常なまでに執着する強殺犯モリスが仮出所してきて――という所から物語が一気に加速、クライマックスになだれ込んだ印象。
作中のピートの現金給付作戦だが、あれは長らく紙幣デザインの刷新をやっていないアメリカならではであって、日本で同じシチュエーションで同じ事をやろうにも、1978年当時は1万円札の肖像が聖徳太子だから、2010年代に給付金だかなんだかを装って、そのまま送りつけるのはさすがに無理だろう(1万円札の肖像が福沢諭吉になったのは1981年~)。
『ミスター・メルセデス』の感想で『ミザリー』のアニー・ウィルクスに言及したついででいうと、本作のモリスも、フィクション中の人物とその作品世界に執着しているアニーの同類に思えた。物語が意に沿わない事で、作者に怒りを向ける所も、片や作家に自分だけの続編を書くように強要し、片や作家を殺しての違いこそあれ、その作品世界を独占しようとした所も……。
また、モリスとピートはロススティーンを挟んでの鏡映しの関係とも採れないか。2人とも同じ年頃にロススティーンに出会い、作品を愛し、文学方面の才能を認めた教師が居たという共通点まであるのに、加害者と被害者という形で出会ってしまうという悲劇というか。
あるいは、”FINDERS KEEPERS”(拾ったものは自分のもの)というのは、その拾ったものの因縁も自己責任ですよ、っていう教訓の話、とか?