投稿元:
レビューを見る
『怖い絵』新章開幕めでたい!
ミレーの『落穂拾い』を怖い絵として括ってくるのがまた興味深い。
この絵は直接的に怖い絵ではなく、歴史的背景が分かると怖くなる絵。
『世の栄光の終わり』は見た目からして怖い絵。
怖いと一括りにしても、このように種類は様々。
特に今回は作者自身が怖いと言う話が印象的。
血塗れの体に金粉をかぶるという稀有な事故にあった女性の自画像。
殺人鬼による絵画。
自身の妻の遺体を描く画家などなど、絵よりあなたの方がよほど怖い!という強烈さ。
『怖い絵』の世界はまだまだ奥が深いのだと思い知らされる新章である。
投稿元:
レビューを見る
絵画の鑑賞体験を味わい深いものにしてくれる本。事前情報なしに美術館へ行くと、流し見て、綺麗・怖い、なんて大味な感想で終わってしまう。それは勿体ないと思わせられた。この本も美術館同様、まず絵が来て次に解説の流れで進む。絵を見た時点では漠とした感覚しか湧かないが、解説を読むと受け取り方がまるで変わる。時代背景や作家&モデルの人生を知ると、見え方が全く違うものになる。教養があった方が芸術を何倍も楽しめることに気付かされる本だった。特に印象に残った絵画はシャガールのヴァイオリン弾き。シリーズの他の本も読みたい。
投稿元:
レビューを見る
大大大好きな中野京子さんの怖い絵シリーズ、新章。
待ってました!
期待を裏切らない、次から次へと紹介される怖い絵たち。
文章力があり博識な中野さん、エピソードを他作品から引用するそのタイミングも素晴らしく、ドラマチックで切なくて、最後にやっぱりゾッとして…と、その筆致にうっとり恍惚になりながら読ませていただきました。
名だたる画家と並んで、ジョン・ウェイン・ゲイシーの自画像があるのも心憎い感じでした。
うん、この絵は怖い。
投稿元:
レビューを見る
紹介される作品の年代が幅広く、新しい作者の絵画も増えて読み応えあり!さらに、各絵の怖いエピソードがより美術的かつ恐ろしいので、満足度高いです。
投稿元:
レビューを見る
先に読んだ『怖い絵』シリーズ3冊ほど面白いとは思わなかったなー。取り上げられている絵画がマイナーだったり、未完だったりするせいもあるけれど。
絵として魅力的だと思ったのは、ミレイの『オフィーリア』(表紙になっている絵です)。
この後の運命(水死体になる)を知るとなんとも言えない気持ちになりますが、知ったからこそ感じる美しさもあるわけで・・・芸術って奥深い。
投稿元:
レビューを見る
一番怖かったエピソードはフリーダ・カーロ。一番インパクトのある絵はゲイシー。リアルさが不気味だったのはレーピン。
投稿元:
レビューを見る
『絵画』を『読む』本。
と、いっても画家や時代背景などを読み解くことも多い。
様々な視点から絵が見れて、知識も広がるのは面白い。
宗教画は美しくて見ているのは好きですが、宗教は不学なので読んでいても理解しきれないことも多々ある。
勉強したい。
-括弧-書きが目につく文章だった。
投稿元:
レビューを見る
『怖い絵』『新 怖い絵』一気に読破。面白くて為になる。
ふだん美術や絵画に馴染みの無い層向けに"怖さ"という独特の切り口で娯しみ方(絵画の"読み方")を教えてくれる。
主役はもちろん名画の数々なのだが解説文にも筆力扛鼎たるものがある。片言隻語も忽せにしない筆致がより一層名画の世界観ー絵画には物語があるーを引き立てている。
それもその筈で著者はその昔小説の賞に応募して最終候補まで残ったこともあるという独逸文学者だ。名画の解説それ自体が一つの文芸の域に達していると言えよう。
過不足なく雕琢された美しい日本語で極上の名画を"読む"。この読書体験は実に得難いものである。
投稿元:
レビューを見る
中野京子氏の本は『ハプスブルク家12の物語 』以来だけど、あいかわらず示唆に富んだ内容で面白かった。
「怖い絵」と題されてはいるが、「怖い」の定義を柔軟に変えて読者を飽きさせない。
一見穏やかな風景に見えるミレーの『落穂拾い』も当時のバックグラウンドを踏まえると当時の人には「怖い」ものとして映った。この対比が何とも言えない。
というかやはり、絵画というのはある程度の文脈(知識、背景、観念)があってこそ光るものなんじゃなかろうか。描く者に求められるのであれば、それを見る者にだって求められるだろう。
僕らが行ける美術館や展覧会ってのは間違った説明に恐れてあまり詳しいことは語られない。まぁそれも正しい芸術鑑賞の一つなのだろうけど、「私はこう思う!」と声に出してくれるのも美術鑑賞初心者としてはありがたいなぁと思ったわけでした。
お気に入りはバルデス=レアルの『世の栄光の終わり』
九相図を想起させる詩の無常さは、どこでも同じように見られてた…のかもしれない
投稿元:
レビューを見る
分かりやすくておもしろく読めた。
美術館で絵画を見るのがすきで良く行っていたけど、
ただただ絵の迫力や繊細なタッチ等に感動していた。
絵画を取り巻く時代背景や歴史、神話や宗教を知った上で鑑賞するとより楽しめるんだと知った。
知識は宝ですね✩.*˚
投稿元:
レビューを見る
怖い絵シリーズ個人的2作目。
最近、背景を紐解きながら絵画を鑑賞するのが楽しいので、本作も楽しめました。絵自体は恐らくマイナーなものが多いと思いますが、ほんとに色々な作品がありますね。。印象に残った作品は幾つかありますが、モネの「死の床のカミーユ」は先日モネ展に行ったこともあり、なるほどこんな作品もあったのかとびっくり。家族関係複雑で面白いです。「懐かしい我が家での最後の日」は宗教が絡んでないのもあってシンプルに分かりやすくて好き。ギャンブルはほどほどに。表紙にも描かれている「オフィーリア」も好きでした
投稿元:
レビューを見る
怖い絵というタイトルに疑問を感じるくらいどのエピソードも怖くない。暗い絵、という感じ。
でも絵の背景を面白く解説してくれるので、絵の鑑賞の仕方を学ぶのにとても良い本。
絵画の中に書き込まれている何気ないモチーフ(背景の壁に描かれた絵画など)が、その作品が何を表しているかの手がかりだというのが興味深かった。
画家は適切なモチーフを考えたり、古典を引用したり頭を使って作品を作ってるんだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
絵の背景を探るという難しいテーマがありつつもとても読みやすく、ワクワクする本だった。
ただぼーっと眺める、自分の感性で絵を見るのもいいが、こうして歴史的背景や、モデルや作者の人生を知って観るとよりおもしろいと個人的には思う。美術史を勉強したい、自分にとってはとてもいい入門書にもなるなと思った。この絵たちの本物を見に行きたい!特にヨーロッパ史と宗教に絵画は密接にかかわっていることから、世界史が苦手だった自分にとって新たな視点から学び直せて嬉しい気持ちになった。