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繊細で幻想的で、だけど扱うテーマはとても現実的なもので、読んでる間ずっとふわふわしてた。目を向けたくないものを無理やり見せられてるみたいなところがあるな。
人のおすすめの本って面白くて好き
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めちゃくちゃ上等な「世にも奇妙な物語」みたいでした。
少し不思議なファンタジーテイストの作品が主ですが、全7編の内、ファンタジーテイストになっていない「愛のスカート」と「茄子とゴーヤ」が特に良い。
思いが報われることだけが恋愛のハッピーエンドじゃなくていい。こんな距離感、こんな着地点があってもいい、ということを、均整のとれた美しい文章で描いてくれます。
ゴテゴテした比喩がなく、無駄のない文章は、読者に無理に共感を迫ることがなく、読みやすいです。
どんな立ち位置だっていい。自分を卑下しすぎることなく現実と向き合う上記2編の主人公が愛しくてたまらなくなりました。
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『愛のスカート』『茄子とゴーヤ』以外は、今わたしがいるこの世界とは違う世界の物語だった。あ、でも『薄布』もこっちの世界でもありそうな話だったか。
とにかく、どんな話なのか知らずに読んだわたしは、最初の話で本のタイトルにもなっている『くちなし』の冒頭で度肝を抜かれてしまった。
不倫関係にある男に別れを切り出され「最後に何が欲しい?」と聞かれた女は「腕」と答える。すると彼は自分の左腕を自らもぎとって、彼女にくれてしまうのだ。そこまで読んで「えっ?」と驚くが、それが当たり前の世界に、気がつけば引き摺り込まれてしまった。
どれも濃密な愛の物語だ。狂気をはらんだもの、一途で純粋なもの、満たされない隙間を埋めるようなグニャグニャと柔らかい何か、はたまた長い年月をかけてようやく見えてくるしかないもの。
そこには抑えた表現の裏に激しさを秘めた、純度の極めて高い様々な愛の形があった。
一番心に残ったのは『山の同窓会』かな。それと『くちなし』。
もしあのとき、あの人が同じことをわたしに聞いたら、わたしはなんて答えただろう。
やはり腕?それとも声?
あの人の声と話し方をわたしは愛した。だから声帯にする?でも腕と暮らすのって、なんだかとても楽しそうなんだよね。
とにかくもうわたしのあの人はここにはいない。あのときも決して手に入らない立場の人だったが、今は焼かれて骨となってしまい、ねだることも願うことさえも出来なくなってしまった。
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2話目だったかな?人に花が咲く話の最後は電車に乗ってたのにこらえきれなくて泣いた。たまらない気持ちになる。ほかの話も全部ブワァっって気持ちになる
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不思議な表現をする作家さん。
引き込まれちゃった。
だからちゃんと理解して読む事が出来たのか?はわからないけど、自分の恋愛とかと被って共感できた。
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一見人間の話なのに、明らかに違う生き物たち。
・別れの時に彼の片腕をもらった女
・3回産卵をすると死んでしまう女たちの中で、一度も産卵をせず見守る女
・激情を抱くと蛇や怪物に変身してしまう女たち
こんな発想できるのほんとすごいなー!と思うけど、普通の人間たちの話である「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」がなんだかんだ良かった。
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私たちが生きる世界とは異なる世界も「当たり前」として描かれるとすんなり受け入れられてしまいます。
やけに「蛇」が出てきたのが印象的でした。
「くちなし」
腕を欲しがる、トカゲ、くちなし。愛することは相手の全ても自分のコントロール下に置くこと?意志をもつのは体?
「花虫」
運命の花は、体に巣食う虫。それを知ってしまったら何か変わる?あるとも分からない「本当」を探す?それとも、運命やしきたりを信じていた方が幸せ?「埋まりたい」
「愛のスカート」
相手の幸せを「正しく」願う、「こうあってほしい」の押し付けではなく。傍にいられるのは苦しいけど嬉しい。
「けだものたち」
愛ゆえに食べてしまいたくなる。知らない世界を知るのは怖い、知ってしまったら戻れない。いつかどこかでふっと目覚めるのかもしれない。
「薄布」
望まれている役割を演じることの方が実は楽なのかもしれない。自我を出した先に見えるものもあるけれど。
「茄子とゴーヤ」
「相手のため」が押し付けになることはやっぱりある。自分がしたいことをする。独りよがりにならないように。難しい。
「山の同窓会」
運命、とか、役割、とか、普通、とか。そういう言葉に当てはまることの楽さ。当てはまらないことの辛さ。どちらがいいとか悪いとかじゃなくて。理解する、歩み寄るなんていうのは中々おこがましいことかもしれない。ただ淡々と粛々と受け止められたらいい。
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「わたしは“ひとり”」という心もとない思いが、常にどこかにある、オンナのひと多めな短編集。
誰かを深く愛したいわたしには(フミヤくんの歌詞です。笑)、彼女たちの心境がよく伝わってきました。
繊細だけど、現実的。
とは言え、現実ではない世界ばかりが舞台なのがほとんどで、美しかったり、不思議だったり、独特のワールドを楽しませていただきました。
お初の作家さんです。
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全7編の短編集。
1話目読み出して、あ〜、なんか奇妙な世界に引きずり込まれていく〜と思った笑
そんな1話目「くちなし」は、長く不倫関係にあった彼と別れる際に、最後の贈り物に何が欲しい?と聞かれ、彼の左腕をねだるとこから始まる。
もぎ取ってもらった左腕を慈しみ、いい関係で過ごしていたが、ある日奥さんが訪ねてきて彼の腕を返して欲しいと言う、、
7編のうち2編は普通の設定だったけど、後は全部、現実的ではない不思議な感じ。
どの話でも感じたのは、男性と女性の感性の違いかな〜
1番印象に残ったのは「花虫」
奇妙だけど、繊細で美しい空気が漂ってて凄く好きだったな〜
あと「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」の2編は不思議世界ではなかったけどとても好きだった。
彩瀬さんまだ2冊だけど相性良さそう♡
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「とにかくなにか贈らせてくれよ。なんでもいいから」「じゃあ、腕がいい」
なんじゃ~この世界観! それから貪り読んだ7編。今まで自分の身を固めてきた鎧兜を一つひとつ引き剥がされていく感覚...。
「けだものたち」が好み。他作品も読んでみたくなる一冊。
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幻想小説が読みたいな〜と思って本屋に行ったら見つけた。短編集なので読みやすかった。どれも突飛な設定の世界観だったけれど、どれも誰かを深く愛する女性たちの物語で、まあまあ普遍な話だった。個人的にそんなに嵌らず。最後の話で、主人公が気まずい扱いされるシーンは、私のあるある話なのでうるせ〜〜と思った。
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短編集だが、一部を除き、SF的な変わった世界に住む人たちの暮らしを描いていて、すごいなと思う。運命の男女の間でのみ見えるという体に咲く花についての「花虫」もいいし、中年女と床屋の親父との交流を描く「茄子とゴーヤ」もよかった。長編も読んでみたい。
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くちなし
おもしろいじゃん、なんとなく惹かれて手に取った本がおもしろいとうれしいね
不気味だけど柔らかく透明感のある話だった
花虫
わたしは知らないほうがいいことは知りたくないなぁ
大人の女性向けのファンタジーってかんじ
不思議な世界でたのしかった
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綺麗で儚くて、切ない。
1話1話、きゅっとしめつけられるような。
余韻にひたってしまう
綾瀬まるさんの世界観から出られない。
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彩瀬 まるさんの短編集。
「くちなし」 「花虫」 「愛のスカート」
「けだものたち」 「薄布」 「茄子とゴーヤ」 「山の同窓会」
これら7篇が収録されています。
1つ目の「くちなし」を読み始めてすぐに、不倫相手の腕が取れると言ったSF的な要素が現れ独特な世界観になっています。
全7篇の内、何作かはこういったSFやファンタジーの物語です。
どちらかと言えばそう言った類が苦手な事もあり、個人的には
男女の感情の細やかな揺れを感じた「愛のスカート」
床屋の店主と主人公の女性の日常がサラリと描かれた「茄子とゴーヤ」が好みです。
全体を通して独特で奇妙な雰囲気のある短編集に仕上がっていました。