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投稿者:猫目太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人から会社、政府までもネット炎上に巻き込まれる昨今。何を書き込みしたら「炎上」する、しないの区別が分からない。些細な事でも、読み手が「気に入らない」「道徳的では無い(個人的)」という理由で多くの罵詈雑言、誹謗中傷が書き込まれ炎上する。この状況を見た他者には「情報発信の自由」を萎縮させてしまう。では、これを行うのは、大多数のネット民か。以外とそれは違う。本書の調査では「5パーセント」程度だという。この数パーセントの人間の「正義」という動力が炎上を引き起こし、相手を攻撃する。実際に起きた炎上の事件の紹介もされているが、内容も様々、一番酷いものは数年続いらという。では、どの様に対処が正しいか。本書では幾つかの方法が提示されている。だが、議論も意思の疎通も相容れない「正義厨」に対してどのようない対応があるか。その対応として、学生(本書では高校生)の炎上に対してリテラシー教育と炎上しても、「それはほんの数人」。そして多数はあなた「味方」である事を教える事だという。そして相手の発言を無視できるよう、強い意志を持ち続ける事が大切だと思う。個人的には「自由な発言」は大事であり、相手にも自分も尊重されなければならない。罵詈雑言、誹謗中傷するような人間の発言は無視するようにしたい。
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炎上をあおる人の数はそれほど多くないがそれらの人は正義感とやっていることに対する肯定的な自覚があるというのはそれなりに説得力がある。
対策のセミクローズ型がはたして欲しいものかどうかはちょっとわからない。
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良書、というか、情報発信者で自分は打たれ弱いと思う人には必読の書と言える。
ネット炎上に対してはこれくらい冷静に距離を取って客観的に観察・分析・対応するのが良いと思う。網羅的でありながら定量的。特に、炎上に加担するバカは0.5%程度、積極的に攻撃する狂者は1万人に1人以下のオーダーだということは現代の基礎知識として頭に入れておくべき数値。
SNS禁止令を発するべきソシオパス数百人程度に網をかければ、ネットはもっと息苦しくなくなるかもしれないという希望と、本当にそうだろうかという不安。アリの集団のように、また別の数百人が攻撃者となったりして。
これまでなら狭い社会の中でやり過ごし、無視し、時には吊し上げることで対処してきたノイジーマイナリティというやっかいものが、SNSを得たことで安全圏から手当たり次第に攻撃を加えることが可能となってしまった。
これらごくごく少数の例外に対しては物理的対応(検挙、SNS禁止令)をやっていくしかないのだろうと思う。そうして風通しの良くなったネット社会を見てから死にたいものだ。
サロン型SNSはピンと来ない。アンケート結果が示しているのはメンバーシップ制ではなく、ノイジーマイナリティの排除ではないのか?
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帯文:”炎上参加者はネット利用者の0.5%だった。炎上はなぜ生じたのだろうか。炎上を防ぐ方法はあるのだろうか。炎上は甘受するしかないのだろうか。実証分析から見えてくる真実。”
目次:はじめに、第1章 ソーシャルメディアと炎上:特徴と発生件数、第2章 炎上の分類・事例・パターン、第3章 炎上の社会的コスト、第4章 炎上は誰が起こすのか、第5章 炎上参加者はどれくらいいるのか、第6章 炎上の歴史的理解、第7章 サロン型 SNS:受信と発信の分離、第8章 炎上への社会的対処、付録 炎上リテラシー教育のひな形、参考文献、索引
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炎上に関して知りたいのは、やはり炎上のきっかけ、炎上が広がるメカニズム、炎上をさせている人の実態、動機、行動態様等々であるが、本書はそう言った炎上のメカニズムを理論的に整理、解明するものではなく(多少そういった話も出てくるが)、あくまでもデータに基づいた炎上の実態を分析するものである。
そういった意味でちょっと購入の意図とは異なる内容ではあったが、しかしやはり学術的に丁寧に分析がなされているので、そこから導き出される炎上の実態については、説得力があり、興味深い内容であった。
学術的なやり方としてはまあデータを取って統計的に分析するのはオーソドックなやり方だと思うが、ツイートが増加、拡散していくメカニズム・ネットワークをモデル化し、それを実際の炎上事例に当てはめて、炎上が広がりやすい・にくいネットワーク構造を特定するというのも研究としてはありだと思う。
それが炎上を防止する一つの方策にもつながると思う。
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今までイメージでしか語られてこなかった「ネット炎上」を統計学的に数値化した点で高く評価できる本。
インターネットユーザーのうち、実際に炎上に書き込んだことのある人は1.1%ほどでしかなく、さらに現役の炎上参加者の比率は0.5%、1つの炎上事件で直接攻撃をする人は0.00X%とかなり少数(数人〜数十人)だそうです。
炎上に加担しているのはほんの一握りの人にすぎないということは、だいぶ前から言われてきていましたが、実際のデータからきちんと算出する人はいなかったのではないでしょうか。
また、炎上を起こす人は、ネクラで低収入・低学歴、ネットヘビーユースの独身男性というイメージで語られてきましたが、実際のプロファイルは「年収が高く、ソーシャルメディアをよく利用する子持ちの男性」だそうです。ある程度の知的生活も送っている人が、世の中に何らかの不満を抱いて炎上を誘発させているのだと。意外ですが、言われてみるとそうかもしれないなと納得。
個人的な憶測ですが、30代くらいの子どもを持つ高学歴男性って、戦後以降、会社で世代交代がなされていないため出世もままならず、バブル以降に就職して好景気も経験していない、加えて女性の権利も拡大してきましたから会社でも家庭内でも親世代より肩身が狭く(しかし、その親に育てられてきたため、親世代の志向を受け継いで現実と折り合わない苦しさがある)、子どもを持っていればイクメンするプレッシャーと仕事とのせめぎ合いが生じ、不況のご時世に起業や転職するなんて言ったらいわゆる「嫁ブロック」のようなことが起こる…というように、にっちもさっちもいかない感があるのではないでしょうか。一般的に脳のつくりとして、男性のほうが女性より言葉によるコミュニケーションを得意としないので(これも、男は文句も言わず寡黙に仕事をするのがかっこいいというような言説が生み出されているからこそ、そうなっているところがあると思います)、近くの誰かに相談もできず、ネットのなんの関係もない人を攻撃して鬱憤を晴らすようなことになっているのではないかと。
残念ながら、本書では炎上の背景となる日本人のメンタリティや性別・世代の特徴、各人を覆うストレスなどについて、より詳細で深い考察はなされていません。分析を放棄したり、著者の思い込みで書いていたりする部分も見られます。社会構造的な視点はやや欠いているため、それは別の社会学者あるいは心理学者の方にお願いしたく、今後広がりをみせていきそうな予感がします。
事例に関する分析は、五輪エンブレム問題やルミネCM炎上、志摩市の碧志摩メグ、のうりん、アイスケース事件、USJ迷惑行為事件、ほしのあきのペニオクなど、かなり最新のものが掲載されており、大変興味深かったです。
ただ、出版を急いだからなのか、文章がこなれておらずコロケーションがイマイチな点、誤字脱字が多い点、何度も同じことを繰り返す点などは惜しいです。
と、少し粗も見えましたが、総じて示唆に富み、とても面白い内容でした。
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インターネットというと、あまり利用しない人に取っては、「便利かもしれないけど怖い」場所というイメージがあるように思う。いや、ヘビーユーザーにとっても「怖い」場所であることには変わりはない。広い世界への扉が開くということは、自分にとって好ましいことばかりではなく、厄介なことや煩わしいことも招き寄せるということであるからだ。
ネットの中でもTwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)の「匿名性」・「双方向性」・「即時性」・「つながり」は、よい方向に働けば、実生活では出会うこともなかったような人との交流を産み、刺激となる反面、自分の発言が思わぬ受け取られ方をしたり、一部分だけが取り上げられ一人歩きをしたりする。
人間関係のごたごたはリアルな社会でも付きものだが、ネットに関しては匿名性や即時性といった特徴がさらにそのストレスを大きくする面もある。
SNSのトラブルの大きなものとして、「炎上」がある。企業や個人の発信に対して、SNS上に批判的なコメントが殺到するというものである。
本書は、この炎上がテーマである。まず、炎上事象について、定量的な分析を試み、その実像を探る。次にはこうして浮かび上がった実像から、炎上を防ぐためには、さらにはよりよいネットワーク・システムとはどういうものかを考えていく。
本書では主に、Twitterでの炎上例を取り上げている。FacebookやLINEに比較して、開いた場であり、コメントが何件ついたか等の数値としてのデータが取りやすいためである。
発信者が誰であったか(著名人・企業・一般人)、何をしたか(反社会的行為の告白・批判や暴言・自作自演等)、炎上後の対応(反論・削除・無視・謝罪)に注目して分類し、具体的な事例の経過を検討していく。
データとしてのもう1つの柱は、アンケート調査である。約2万人の人に対して、年齢・性別・年収などの基本データと、インターネットとの関わり方、炎上を知っているか、また参加したことがあるか等のデータを集めて統計的に分析する。
一般的に、炎上の背後にいるのは、ネットのヘビーユーザーであり、時間を持て余し、自宅に引きこもって、インターネットで誹謗中傷を繰り返すという見方が多かった。が、この分析から、若い世代の年収が高い子持ちの男性が、炎上に参加する傾向が高いことが浮かび上がってきた。
またひとたび炎上が起こると、まるで世間の大多数が批判に殺到しているように見えがちだが、実際に批判コメントを寄せるのは、ユーザーのうちのごくわずかな割合でしかないことも見えてきた。
各論には異論も出そうだが、まず何より、漠然と「怖い」イメージがある「炎上」を分析することが可能であることを示した点が本書の意義だろう。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というが、実態がわからないと実物以上に怖く感じることはままある。わからないものに対しては、対処のしようもない。その結果、何だか怖そうだから近づかないでおこう、ということになりがちである。
炎上とはこういう分類ができ、炎上に関わる傾向が強い人はこのような人で、しかも実際に炎上に参加する人は思いの外少ないといった特徴がわかってくれば、手の打ちようもありそうに思えてくる。
また、本書のもう1つの美点は、既存のネットワーク・システムに固執することなく、新たなネットワークの構築が可能ではないかと提案していることだろう。インターネットはまだまだ若いツールであり、元々は研究者同士の交流・議論のために発展してきた背景を持つ。さまざまなバックボーンを持つユーザーが、コミュニケーションの道具として使うために、十分に試行錯誤が尽くされているとは言えないのだ。
著者らは、炎上しにくくSNS疲れのないSNSの例として、サロン形式のシステムを提案する。書き込みが出来るのは主宰者の友人の友人までなど、限られた範囲としつつ、閲覧は不特定多数も可能で、一定期間以上、アクセスがないユーザーは、自動的にメンバーから外されるというものだ。それ自体、唯一無二の解ではない(と著者ら自身も言っている)が、インターネットの長所を活かしつつ、どうすればよりトラブルの少ない、より建設的な議論を生む場にできるのかを考えさせる提言であるように思う。
インターネットは強力なツールである。
炎上を初めとするトラブルで、多くの人が萎縮し、発信するのは極端な意見を持つ人のみとなるのは望ましくないと著者らは言う。
インターネットがより成熟したツールになることは可能なのか、考えさせられつつ、興味深く読んだ。
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ネット炎上を行うのはごく少数の人、ということでは臨床心理の出番であろう。サロンSNSの提唱はいいかもししれない。
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ネットの炎上を書き込んでいるのは
0.5%ごく少数である。
ではなぜここまで社会的問題として日本では炎上が捉えられるのか。
それは炎上を行っている人の社会的属性も関係している。
ステレオタイプではニート、引きこもりなどの時間がある人が攻撃的に行っているというイメージがあるが、実情は栄光収入こと、子供と同居、メディアリテラシーが高く、インターネット上では非難し合って良いと思っている人。
その結果、ごく少数の攻撃的な意思が
全体の意思として攻撃的な人が多く、怖いところだというイメージをインターネットに根付かせてしまっている。
面白かったのは、このような攻撃的で怖いと思っている人達が炎上自体に傍観者、共犯者として参加している点である。
著者達は解決策の一案としてはサロン型SNSを提案している。これはオープンでもクローズでもないSNSとして1つのモデルケースとして有用ではないか。
炎上という言葉そのまま、少し頭でっかちに全てにキレイゴトで答えようとしすぎている。
熱くなるなよと。
横に受け流してもいいし、逃げてもいい。
ただ頑張る事だけが解決策ではない。
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実際の事例、アンケート、データから炎上について定量的な評価を行なっている。また、炎上対策としてサロン型SNSの導入を提案。炎上は対策可能であるという著者たちの強い信念を感じる。
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多くの先行研究も引用しながらネット炎上の初期からどのように変化していったのか分析していて、この時代を実際に生きてきた私はとても面白く読むことができました。イメージと実際は異なるということがわかった。
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仕事用も兼ねて。実際の例が豊富にあげられていてめちゃくちゃ説得力ある。最後の方の炎上対策については,業務でSNS等を運用しなくてはならない人に非常に参考になると思った。
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ネット炎上の研究
炎上について定量的に考察し、原因や対策について述べた本。
アイスケースに入った学生の件などは、その後学生の通う学校側が謝罪文を出し、学生は専門学校を退学させられている。(撮影した人は入った人とは別人で退学していない?)
被害にあったスーパーかすみは、お客様が営業時間中にアイスケースの中に入った事実を確認したためとして、アイスを全撤去し、ケースの清掃および消毒を実施する金銭的被害が出ている。
炎上は2014年には年間400件程度発生しており、実被害が出るケースも少なくない。
リツイートによる拡散ってバケツリレー方式だから、一括配信するニュースとかと違って情報の統制が効かなそうだと思った。影響力のある人は責任ある行動が必要。
炎上により、有名人でなくとも炎上する可能性が出て来ている。
英語では炎上をフレーミングという。ただし、より広い意味でインターネットを通じた一対一の罵り合いも含む。
炎上をしっかり分類している。
炎上には然るべき理由があるものと、
(おせちが画像と違う問題など)
とばっちりや逆恨みで受けるものがある。
炎上事件へ書き込みをしたことのある人はインターネットユーザの0.5%と少数で、さらに炎上参加者の9割は一言コメントを述べるだけで攻撃しない。
炎上参加者は子持ちの男性が多い。
2ちゃんねるなどの炎上事件の実行犯は実は少ないことが多く!コメント数の大半を一人で埋めているような場合もあるという。
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オーソドックスにネット炎上を分類し、状況を分析し、原因を探り、政策的な対策を検討している。
148ページまで読んだ
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ネットでの炎上について、実際に炎上に加担しているのは全ユーザーのごく一部であることを実証したもの。炎上コメントの多くは、極めて特殊なプロファイルを持っており社会集団の代表ではないと思われるが、炎上を嫌って自由な意見交換ができなくなることが問題と説く。
地道な実証は好感できる。難を言えば、分析の表し方が特殊で、データの説明力が弱いところだろうか。