投稿元:
レビューを見る
累という映画がとても好きで、劇中で土屋太鳳ちゃんが演じた「サロメ」が印象的だったのもあって、ずっと読みたいと思っていた話。簡単なあらすじや結末は知っていたけど、原田マハの今作を読んで、全員が狂っていく過程が鮮明にわかってぐっと来た。芸術に魅せられた人間は罪深い。
いやはや面白かったです。
三年ぐらい積読してたけど、風邪ひいたきっかけで読めてよかった~~。
投稿元:
レビューを見る
【二人の天才を滅ぼした背徳的な愛】世紀末のロンドン。妖しい容貌と数々のスキャンダルで時代の寵児となった作家ワイルドと、天才画家ビアズリーの愛憎を描く。
投稿元:
レビューを見る
私は接吻したよお前の口に ヨカナーン
恋焦がれ拒絶され……首だけになった男に接吻する女
弟に執着する姉の思いが狂っていく
真っ黒な2ページの深淵を覗き込む時間はそのまま自分の心の奥底を見つめる時間。彼女と同じ心のカケラは少しだけ私にもあると感じる。
投稿元:
レビューを見る
サロメは個人的に思い入れのある作品で、
それを原田マハさんが書かれているというのですぐに手に取りました。
ページめくる手が止まらず、大変面白かったです。
オスカーワイルドが何故「サロメ」を題材に戯曲を書いたのか。
オーブリービアズリーの絵がどうしてここまで人を惹きつけてしまうのか。
本は物語かもしれませんが、
ゾクゾクするほど深くて、怖くて、歪で、
歴史に名を馳せている人の人生に興味を持ってしまいました。
これまで芸術には触れてこなかった人生でしたが、
ほかの作品も読んでみたいです。
投稿元:
レビューを見る
新しい世界の扉を開けたような気持ち。オスカーワイルド、オーブリービアズリーのことを初めて認識した作品。もっと知りたい❗️と思った。
オスカーワイルドのサロメが出来上がるまでの実話と別世界でパラレルで繰り広げられている想像上の話だと思うんだけど、ストーリーが映像化されて読み進めることができたので鮮烈なイメージを持てた。オーブリーの姉のメイベルが貪欲で肉欲的で実際のサロメのように感じた。
投稿元:
レビューを見る
ワイルドとビアズリーの関係を軸にした長篇。
登場人物が抱く嫉妬心や執着心、奥底の欲望が正に『サロメ』だった。
投稿元:
レビューを見る
オスカーワイルドのサロメの挿絵を描いたオーブリー・ビアズリーの人生を姉の目線で描く。
面白いけどテーマが微妙。オーブリーが最期に求めた生首は、姉の首を求めたとボクは読んだけどというか読みたかったけど、オスカーの首なんだろうなというところで微妙だった。
投稿元:
レビューを見る
すごい。惹き込まれたというより、引きずり込まれた感じ。
オスカー・ワイルドと、「サロメ」の挿絵を描いたオーブリー・ビアズリー、その姉メイベル・ビアズリーを中心とした、史実をベースとしたフィクション。(なにせメイベルにいたってはWikipediaすらない。)
さすがにこのサロメの絵は見たことあるけど、こんな絵を描く人は「陽」ではないだろうな。この書き込み、恐ろしさを感じる。そういう意味でイメージにピッタリ。
しかし本作の主役はあくまでもメイベルなのだ。天才の弟をもち、それを支えつつも、自分もスポットライトを浴びていたいメイベル。弟を利用することも忘れず、弟のためと言いつつ(本人は真底そう思っているかもしれないが)、弟の希望を打ち砕く。ドロッした欲望の世界だなぁ。
投稿元:
レビューを見る
原田マハの美術系小説。オスカー・ワイルド著・オーブリー・ビアズリー絵の戯曲「サロメ」にまつわる話を、ビアズリーの姉のメイベルを通してえがく。
19世紀末。結核を患い、今にもその若い命を終えようとしているオーブリー。彼のそばに付きそうメイベルは、二人がこのようになってしまった原因である“あの男”、ワイルドのことを忘れたことはなかった。ワイルドは当時禁忌とされてい男色家であった。彼をとりまくあらゆる欲望の渦に飲み込まれていく姉弟。
最初は、またこのパターンかよって思ったけど、現代部分は短く、最低限。知的好奇心をくすぐられ、原田マハをどっぷりと堪能しました。
投稿元:
レビューを見る
表紙はちょっと引いてしまうような絵。それでもマハさんの本だし読んでみたかった。
内容的にはサロメの衝撃(一般常識を知らなかっただけだが)にびっくりしつつ、天才たちと彼らを取り巻く家族の目線がだんだんと怖くなり。なんとか読めた。
投稿元:
レビューを見る
デカダンスな雰囲気が漂う、映画としてみたくなる一冊。
時代の寵児オスカー・ワイルドと彗星のように現れた夭折の天才画家オーブリー・ビアズリー、そしてその姉の女優メイベル・ビアズリーに男色家ワイルドの恋人の翻訳家アルフレッド・ダグラスの、それぞれの感情や思惑が複雑に絡み合ったストーリーに引き込まれる。
ワイルドの戯曲「サロメ」の悪魔的な魅力が、取り巻く人を狂わせていく。
投稿元:
レビューを見る
原田さんの芸術家を主人公にしたこのシリーズが好きで思わず買ってしまったけれど、表紙のちょっと怖めの絵。
「サロメ」聞いたことあるような、事前に調べてみて興味が沸く。新約聖書を元にしたオスカー・ワイルドの戯曲。この
戯曲のストーリーと、オスカー・ワイルドとオーブリーの背徳的な関係と姉メイベルを加えた三角関係があいまって、昼ドラ感がすごい。
以前からミュシャが好きだったのだけど、ミュシャ作品で有名なポスターのモデル、サラ・ベルナールが出てきたので一気に親近感が。モデルとなった写真を見るくらいだったので、ヨーロッパでのスターぶりがよくわかる。
現代パートとどんな感じで繋がるのか、最後一気にミステリー要素満点でちょっとゾクッとくる。
ほんと、原田さんは世界観に引っ張り込むのが上手い。
投稿元:
レビューを見る
なかなか没入できなかった。珍しく、原田マハさんの本で読了感に満たされなかったのは、黒い感情に覆われた物語だったからだろうか。
投稿元:
レビューを見る
以前モロー展で観た『出現』。あの絵で初めてサロメのモチーフを知りその禍々しさに、なんとも言えないドロっとした恐ろしさを感じた。
同じモチーフで書かれたオスカー・ワイルドの『サロメ』とビアズリーによる挿絵。そして更にその人間模様全体さえもをサロメというモチーフで語るのが本作原田マハの『サロメ』。禁断のテーマに魅せられた人々がサロメさながらにその情念を露わにしていく様は、サロメというテーマにぴったりなドロドロした感情が渦巻いていて、非常に緊迫した空気感漂う作品となっていると思う。軽い方の原田マハさんが好きな人は、この展開には少し驚くのではないかな。
オーブリーとオスカー、ダグラスとオスカー、そしてメイベルの思い。サロメのモチーフが幾重にも重なったかのような展開はビアズリーの絵のように緻密で迫力がある。特に自身に内在するサロメ性に目覚めたメイベルは正にファムファタール。人生をかけてサロメを演じきったのだろう。メイベルのオスカーに対する感情は直接的な思いと屈折した思いが混ざったサロメそのものだったのかも知れない。やはり本当に怖いのは女の情念…
敢えて難を言うならオスカーの人物描写かな。それまでの怪しい雰囲気がパリ行きキャンセルから一転、一気に存在感がなくなるのは何かの意図があるのか。もう少しその魅力を厚く表現されていればラストシーンがもっと映えたかも。まぁ作者も編集者も考えた末でしょうからやっぱりこのバランスが良かったのかな。
あと皆さんの言うとおり現代パートは不要ではないかな…楽園のカンヴァスの二番煎じ感だけが残る。本編が良くできてるんだからこの仕掛けは蛇足と感じた。
そういった細かいところを除けば十分に楽しめる作品でした!
投稿元:
レビューを見る
オーブリー・ピアズリーとオスカー・ワイルドを取り上げるとことから、原田マハの独断場となっている。話の進め方にも作者らしい二重3重の工夫がみられて楽しい仕掛けになっている。