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才能と狂気と嫉妬と
2020/05/27 22:21
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビアズリーの姉メイベルがこの物語での罪深きサロメ。
結局自分が可愛いのからなのか、弟の才能に嫉妬しているからなのか、女の欲ぶかさを見た気がする。
ワイルドもビアズリーも才能が有るが故の狂気。
命を削ってでも没頭して、それが自分の一番したい事であるのが少し羨ましい。
女性の怖さを描いた作品
2022/04/14 04:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
オスカーワイルドの戯曲『サロメ』の挿絵を描いた画家として一躍有名になったオーブリー・ピアズリーの半生とその姉メイベルの話。弟に恋するメイベルと男色家のワイルドに恋するオーブリー。そしてワイルドに嫉妬するメイベルの関係がこの話の焦点。最後の終盤の展開は、前半までのメイベルとはまるで別人で、女性は怖いと思わせられました。
サクッと読めて面白いです!
2020/06/08 20:02
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投稿者:めめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつものパターンといえばいつものパターンなんだけど、面白かったです。
ファムファタル
2021/04/16 15:58
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ツクヨミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
オーブリー・ビアズリーはアカデミックな美術教育を受けていなかった。しかし彼の絵の才能は作品を一目見ればわかる。ただ切っ掛けさえあれば。そんな彼をあたかも恋人のごとく愛している姉は、弟の作品を高名な画家に見せるためなら、有力者に身を売ることも厭わない女優。彼女も女優として成功したいと思っていたが、自分には弟程の天性の才能がないことにも気づいていた。
そして天才ビアズリーと、当時時代の寵児であったオスカーワイルドが邂逅する。世界が一気に動き出す。
『サロメ』を出版する。もちろんビアズリーの挿画入りで。世間は衝撃を受ける。成功は目の前。しかし…。
ビアズリー姉弟とワイルドとの捻じれた感情が、サロメとヨカナーンと重なって行く。
読み始めると一気に引き込まれます。
銀の盆の上の生首は、誰のものか…。
『サロメ』が誕生するまでのもうひとつの物語。
2020/12/13 22:55
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これそのものが、7つのヴェールの踊りのような狂気に満ちた禍々しい雰囲気を出していた。同性愛、兄弟愛、家族愛、尊敬、絆、共依存、愛の形は変幻自在で止まることはない。サロメは高校の時にコントラバスで演奏したことがあるのだけど、とても強烈だったから良く覚えている。あのいやらしいグリッサンド、鬼気迫った踊りの音。まず銀の大皿に生首という衝撃。それを唯一無二の表現で描いたオーブリー・ビアズリーのことは今回初めて知った。今でさえこんな絵を見せられたら多くの人がまず驚くだろう
正にマハワールド
2020/06/04 21:25
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「フィクションです」と断りを入れつつも、それは分かってるんだけど史実として読んでしまう。読んでいく内に現実の話と思えてしまうのは原田マハさんの密かな力。
耽美的・退廃的
2021/05/12 20:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
中野京子さんの本でビアズリーの「サロメ」の絵を知ったので、解説が中野京子さんなのも嬉しいです。一瞬で19世紀末の耽美的、退廃的な世界に引き込まれ、史実だと思えてしまうような強烈な衝撃を受けました。ビアズリーの絵が目の前に迫ってくるような、小説なのに絵を見ているような凄まじい迫力です。
戯曲サロメに人生を狂わされる者たち、そしてサロメへの変貌
2023/12/12 01:03
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投稿者:猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サロメを題材にした美術小説。原田マハさんは相変わらず美術作品を言語化する能力に長けており、最中ビアズリーの「ヨカナーンの首」を直接見ていなくとも、すぐ作品の細部まで思い出すことができる程である。また、史実とフィクションを織り交ぜ、読者に説得させてくる文章を書く人でもあり、登場人物たちの性格や言動は本当にこうだったのではないかと思わせてくる。本当にこの人の文章は読んでいて気持ちがいい。冗談ではなく、声に出して読みたくなるのだ。本編は、メイベル視点で物語が進行していく。彼女はワイルド、オーブリーの2人の天才に掻き乱される端役かと思えば、どんどんファムファタールへと変態していく様に驚き、興奮した。彼女は自身が天才オーブリーほどの才能はないことを、ワイルドが自分ではなくオーブリーに夢中であることを知りながらも、周囲を騙し、誘惑し、目的のために行動する。『オーブリーがイメージする「運命の女」。それは、絶世の美女でもなく、裕福な貴婦人でもない。一見、ごく普通の貞淑な女性。ひょっとすると、年端もいかぬ少女かもしれない。けれど、そのときになると女性に変わる。獰猛で、残酷で、自分の欲望に忠実な、手のつけようのないほど魅惑的な女』。弟のために献身的な姉が、いつしか、吐血した弟への口吸いで、その血に酔いしれるのである。私生活においても、ファムファタールとは言わずとも、女性が警戒するような女性っていますよね。例えば、彼氏の元カノたちの中で、顔は普通なのに付き合っている期間が長かった人とか。私は、顔じゃない、こういう人こそ男を真に沼らせる厄介な女なのでは、と考えてしまいます。