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幻想的で冷たく美しい12のお話と、岡上淑子さんのコラージュ…うっとりする本でした。
自動機械人形のお話は連作のようでした。悲しい。
「スヴニール」の料理や「ワンフォーミー・ワンフォーユー」のお茶の描写はさすがでした。とても美味しそう。
淡々と、静かな色彩でした。いくつもの青と、赤とマンダリンと。
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またまた千早さんワールド炸裂で綺麗なお話だった。
美しさとは?っていう感じで私も自分の感じる美しさを大事にしたい。
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十二粒の宝石を使ったアンティークジュエリーのような小説集。
しかし十二の宝石が囲む中央の台座にはとびきり大きな宝石の代わりに、黒々とした破壊が据えられている。
キーワードは「青いリボン」と「人形」。
〝残酷で美しい、ここではないどこか。”
どの話もファンタジーとリアルが混ざった、有りえるけどあり得なさそうな物語。
「モンデンキント」は甘酸っぱくて切なくて苦しくて、学生の頃って、若い時ってこうだったな〜と自分の学生時代を振り返りながら読んだ。
どの物語もラストは美しく儚かったなぁ。。
2021年読了、11冊目。
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ふわふわとしたファンタジーとリアルが共存する物語が12篇。
青いリボンと美しい人形。そして残酷な血の赤。
表紙の絵と、所々に入る挿絵の美しさと不気味さ。
どこからどこまでが幻想で、何がリアルなのか。
ふわふわとして読んでいて心地が良かった。
私のお気に入りはリューズとビースト。
私も人形たちに青いリボンを巻いてみたい。
私も青い眼球を覗いてみたい。
そんな気持ちになった。
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美しく、力強く、儚い物語。
美しい文章に溺れる体験ができる。
ショートストーリーだが、それぞれの物語で人形、青い眼といった共通のモチーフがあらわれる。
人形はまさに人の形をしている。
そこに人間はさまざま感情を投影したり、同一視したり、時には攻撃性を向ける。
この物語の人間たちはどこか失感情気味である。
そこに、人形(的)な対象へ感情を投影する。
感情が投影された対象は、自己でもなく、他者でもない。
自己と外との中間的な領域だ。
中間領域の儚さが暴力的なまでに美しい文章で綴られる。
本来、言語は象徴ではなく記号だ。
記号はそのものズバリを表示するために、暴力的でもある。
言葉の暴力、とはよく言われるけれども言葉そのものが暴力を含んでいるように思う。
そこにきて、この文章は美しく、暴力的だ。
この暴力性に溺れ、美しさに溺れる体験ができる。
こういう本や文章を大切にしたい。
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12の短い物語には人形と青いリボンが必ず登場するけれど、時も、場所も、人も違っていて、様々な人としての残酷さとか尊厳とか、人生の悲しみや面白味などを浮かび上がらせてきます。青のリボンと対象的に血の色である赤も印象に残ります。どの物語も余韻が残ります。焼け野原になってしまった残骸の中からキラリと光る透明な石を見つけたような、そんな余韻です。私が1番好きなのは『モンデンキント Moon child』です。単なる初恋の思い出ではない、自分のことを信じてくれて、大切にしている世界を共有できるそんな誰かがいたという事実そのものが宝になるということ。小説や物語という事実ではない嘘のようなものに何の意味がある?と思ったり言ったりする人もいるけれど、この話を読むと絶対意味があるとしか言いようがありません。この世に物語が存在する理由みたいなものを感じました。
他の物語もとても良かったです。
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ガラス玉に閉じ込められたような物語たち。
それぞれの主人公たちがガラス細工のように透明で真っすぐ過ぎるがゆえ、結果、ゆがみを招く。
だから人間は柔軟に生きる術を本能レベルで知っているんだろうか。
相変わらず千早さんの綴る文章や言葉選びは、影を落としつつも美しくゴシック的。印象的な色が鮮やかに記憶に残る作品。
ビースト、モンデンキントが物語としてはわかりやすく印象的。モンデンキントの月の光のくだりが好き。
収録タイトル
コットンパール / プッタネスカ / スヴニール / リューズ / ビースト / モノクローム / アイズ / ワンフォーミー・ワンフォーユー / マンダリン / ロゼット / モンデンキント / ブラックドレス
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どの話も美しく、どことなく冷たく感じる。
この作者の本読むたびそう思うし、どんどん世界に吸い込まれていってしまう。
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「青」「人形」がキーワード。あとは「金色」ときどき「赤」。
帯に書いてある通り、「ここではないどこか」の物語。
ありえない。けどありえそうな 現実のようなファンタジーでした。
全ての物語が繋がっているようで繋がっていない。繋がっていないようで繋がっている。
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ゆるく繋がった連作短編集という感じ。
ファンタジーっぽいものや、寓話風のものも混ざっていて、青いリボンが象徴的に何度も出てくる。
血生臭い表現もあるのに、全体に静謐な印象。どの話も、記憶の中の何かに触れる気がする。
ティーポットの話の最後、ぐっときた。
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想像と違った…
短編集で、不思議な作風の小説でした。
挿絵がちょっと耽美的…
言葉の端々に、たまに光るものがある
神様が既に死んでるんじゃないかって話は興味唆られた
そういう考えは私にも考える隙間を作ってくれる。
夢の中で揺蕩うようなストーリー
気分転換に挟みたい本
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御伽噺のような不思議な世界観。戦う人形たちは何を思って戦ったのか。戦う人形を作り出した人形師は何を思ったのか。青いリボンは何を象徴しているのか。人形に宝石と無機質なモチーフは硬く、ひんやりとしていて、鷹の目で見るような俯瞰的な物語。その硬さや冷たさを補うように差し込まれる「人」の物語は時に残酷で無神経で、時に慰め、癒す。世の中にはこんなにも色が溢れているんだと感心する。
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幻想小説。「リューズ」「ロゼット」殺戮用自動機械人形。one for me, one for you. ティーポットと女性の優しい関係。Beast 雪の化身の獣マムウと山に住む少女。残酷な話。
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12のショートストーリー。
現実と幻想の狭間。
その入口には、青いリボンが覗いている。
気付いた人だけが入る事を許される12の世界。
「モンデンキント」が切なすぎました。
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美しいという感想を見て読みました。
たしかに美しい、そしてもの悲しかったです。
初めて千早茜さんの作品を拝読しましたが言葉が綺麗ですね。
かなしい宝石が奏でる別の世界の物語、という感じでした。かなしいのが苦手なので挫折してしまいました。