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学校でいじめが起こる構造、制度的問題。破壊神と崩れ落ちる生贄、主人と奴婢、あそび戯れる神とその玩具。閉鎖空間でベタベタすることを強制。学校共同体主義イデオロギー。
中間集団全体主義。独裁国家と国家全体主義の違い。
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「群生秩序」、「ノリ」、「全能感」といった概念を用いてのいじめの構造の説明は、いじめというセンシティブな事象をきれいに切ってくれます。規範論でもなく、感情的にならず、ただひたすら現象を見つめ、それを説明するための理論開発をした筆者の社会科学者としての力量を感じます。
いじめられる子が、それを否定するためにタフな自分を作りあげ、それが逆にいじめを助長するというメカニズムは読んでいて胸が痛む限りです。
学校や家族といった閉鎖的な空間で、いじめが生じやすいという指摘は確かでしょう。自分の経験からもそれは同意できる気がします。イリイチの「脱・学校の時代」を読んでみたくなりました。
私にとっての一番の収穫は、いじめに回る人の思考パターンが少しわかったことです。なるほどな~と納得しました。確かにかつていじめる側だった人を知っていますが、外とすぐに境界を引き、そのなかで女王様になりたがる傾向がありました(大人になってそれが容易に通用しなくなって苦しんでいたみたいですが)。
人間、今の自分が一番と思ったらおしまいだと思いました。自戒の念も込めて。
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2009.04 内藤氏の本は、何冊も読んでいるが、これまでの氏の考察を簡単にまとめた内容で、わかりやすかった。いじめ学の入門書として最適では。
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ただのいじめ根絶をうたった本ではない。
いじめについては、その原因が子供の幼稚化だとか、
反対に子供たちが狡猾な大人になっただとか色々言われてきた。
こういった相反する意見は、結局問題解決にはならない。
著者が考え抜いたいじめ減少についての考えや、
具体的な問題の提示、対策について、頷けるところが多い。
是非読んでほしい。
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いじめってこんなもの。具体的な例を沢山挙げて、解り易く解説しています。場の雰囲気を読むこと、皆と合わせることが日本のこれからを作っていく人達にとって、これほどにも大切なのか、と思いました。ゆとり教育といわれる、個人の個性を伸ばす教育方針も、結局は全くの別方向に行っているみたい。
私的にはとても面白かった。でも、これを今現在高校生をやっている人たちが読んだら反感するのかな。「そんなことないし」みたいな。難しいですね。
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再読。
本当に「いじめの構造」を解き明かしていると思う。
勉強になります。
市民社会の秩序よりも、群生社会の秩序が優位となることで、いじめが発生すると説いている。
また、群生秩序の優位は、学校という空間でさらに高まるという指摘。あたまがくらくらしてきた。
いじめの発生だけでなく、生きづらさ、不自由さを生み出している原因もわかる。学校的空間は、いろいろなところにある。これを読めば、学校的空間を嗅ぎ分けることもできよう。まずは、からめとられないように生きたい。
(ぜひ、ご一読をなんて、絶対にお勧めできません。事例を読むだけでも、たいへんつらい思いをするので。)
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読むともれなく暗くなる。眩暈がするような実際にあったいじめの羅列。
しかしここまで気が滅入るのは、小学校時に自分が実際に「見ていた」いじめを思い出すからだろう。
確かに以前わたしもこの場に居た。確かにここで語られる存在だったのだ。
そしてここに描かれるいじめ・その構造と自身を完全に切り離し、他人事として眉をひそめたその時こそ、「いじめ」の当事者としての「私」が生まれるのだと思う。
いじめは決して学校でのみ行われているのではない。モンスターペアレンツ、DV、教育ママ、etcetc.
学校という異世界から離れたとしても、わたしたちはいくらでも「いじめ」の加害者となりうるのだ。
この本は万人への戒めとして君臨できると思う。
以下は個人的体験だが、わたしの通っていた学校では小学生がいじめのピーク、中学に入るといじめはほぼなかった(もしかしたらすごく閉鎖的にあったのかもしれないが)。この本で内藤先生が指摘していたのは主に中学生だったので、この時期のズレは何に起因するものか、少し気になった。地域性?調査年代の違い?学校の規模?更に低年齢化しているのか?
調べたら面白いかも知れん。
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[ 内容 ]
学校や社会からこの苦しみが消えない理由とは?
[ 目次 ]
第1章 「自分たちなり」の小社会
第2章 いじめの秩序のメカニズム
第3章 「癒し」としてのいじめ
第4章 利害と全能の政治空間
第5章 学校制度がおよぼす効果
第6章 あらたな教育制度
第7章 中間集団全体主義
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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この本では、「いじめ」のパターンの分析、それが起こる条件、そして被害者の分析、最後には(救いとなる)解決策が書かれていて、図式やチャートを使って大体においてとても分かりやすくなっている。
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「いじめの社会理論」と90%同じ内容。その意味で、オリジナリティはないが、表現、章立てが、かみ砕いた、分かりやすい、読みやすいものになっている。
どちらか読んだらいいと思う。
学術書としては、「社会理論」。手っ取り早い理解としては、本書で。
面白かった点。
・法には、人を市民社会に連れ戻す「解除キー」としての働きがある。
・押しつけがましい設計主義的な教育でなく、自由な社会のための生態学的な設計主義を。
・「あとがき」全て。
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「いじめ」が発生するメカニズムについて、学校での事例を中心に分析し、それに対する対策を論じた本。
本書はいじめの根本的な要因は、「空気を読むこと」や「ノリの良さ」が支配する「学校的な秩序」であると指摘する。学校のようにベタベタした人間関係を求められる場所では、普遍的な論理よりもその場のノリが重視されるためである。そうした秩序を乱す者に対する不全感やむかつきが、秩序を安定させる者をして群れて暴力を行使させる方向に導く。
他にも「癒しとしてのいじめ」というものもある。それは「自分はいじめを耐えぬいてタフになった」という自己肯定感を得るために、いじめを再生産するというものである。かつてのいじめられっ子がいじめっ子になるというものである。
対策としては
・学校の法化(暴力的いじめには警察で対応)
・「学校的な秩序」を作り出している学級制度、推薦入試の廃止
・特定の生き方が共通善とならない「自由な社会」の達成
・学ぶ内容を教科的、技能的、道徳的な分野に分けた上で、すべての子供に国家試験を受けさせ、合格した者に卒業認定をする
といったもの。ドラスティックすぎて少々受け入れにくい感じがする。全体的には面白く読めたが。
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学校なんか行かなくてもいいのにとすぐ思っちゃうような人なのであ、学校って こういう 空間だったか と。
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(自分が定義した用語に対して)「~~と呼ぼう」とか、妙なルビとか気に食わん表現がけっこうあった。社会学とか文学(理論、批評)などでたまにある。
いじめの実例がけったくそ悪すぎるが、社会学的に淡々と説明される。
(多様性を認めるということは)「我慢」すればいいだけで、「仲良く」する必要はない。というのは、腑に落ちて楽な気持になった。
あと、戦後のいじめや社畜のような状況は、戦時中の国体維持が形を変えて残ったものだ、というのも確かにそうかもしれない、と思った。
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いじめの構造について徹底的に論理的に分析を試みている.
「大切なことは、群れた隣人たちが狼になるメカニズムを研究し、そのうえでこのメカニズムを阻害するような制度・政策的設計を行うことだ.」と述べ、その構造の分析や処方箋を提供している.
子供の世界のみならず、大人の世界にも通用する論考.
子供のいじめには、(1)学校内のことでもきちんと法に委ねる.(2)コミュニケーション操作系のいじめには学級や学校への囲い込みを廃止し自由な交友関係を試行錯誤できる場を提供する.
この2点が大切だとわかった.
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学校という、異質な他者と長い時間べったり密着させられる環境の中でいじめが起こる。共同体と排除が表裏一体の関係なのだから当然で、やはりどうあがいても画一・均質化に向かう。『思考のフロンティア 教育』では、時代性を考慮してグローバル化や国家間の格差をも教育過程に反映させるため「他者への想像力」が強く主張されていた。けれども教室という箱の中にいる限り、身近にいる異質な他者にさえ想像力を働かせられない。とりあえず学校に司法の原理を介入させなければ。まずはそこからのような気がしている。
※「自分は幸運にもいじめに関与することなくここまできた」ということをどこかでしゃべってしまったが、そう認識している人間ほどいじめに加担しているという友人の鋭い指摘を胸にとどめておく。