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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国時代の領域国家がそれぞれの正当性主張のため自身の領土を中心とし周囲を蛮地としたことが後に大帝国に包括される前の個々の地域の論理が見えて面白かった。
『史記』に語られた話は事実なのでしょうか?中国の本当の事実から歴史を掘り起こした一冊です!
2021/02/06 14:24
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、読者から大人気の「中国の歴史 全12巻」の学術文庫版です。同書は8巻シリーズで刊行されているうちの第2巻目です(2021年2月現在)。同書は、紀元前1023年、大国・殷を滅ぼした周は、青銅器に文字を鋳込む技術を殷から継承し、それを権威としていくという時代から話が開始されます。続く春秋時代にようやく漢字が広範囲に根付き、戦国時代に官僚制と文書行政による領域国家が誕生します。『史記』に語られる歴史は、すべてが確かな「史実」なのでしょうか?後世の建て前や常識に縛られた史書や注釈書の中から、本当の事実を探り出した画期的な一冊です。
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史記の著述をまず疑うことから、この本は始まる。
これは入門書ではない。史記の内容を一通り把握した人達向けの本。
しかし、春秋と戦国時代の大きな違い、今でいう天下の概念で夏殷周を語るべきではない、という著書の主張は理解できた。
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後代に編纂された史料をもって過去の実像を見ることが、いかに困難であるかがよく分かる。戦国時代の領域国家形成に伴い、自己正当化のための歴史利用が国家毎にどう行われたかの比較は興味深かった。
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2/3ほど読んだところで放棄。
読みにくい日本語、自説の自慢話の連続で辟易したのが原因。
さて、第3巻に進もうか。
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現代に伝わる書物には後の時代による脚色が含まれており、どこがどう史実とは異なっているかの説明に終始した、かなり偏りのある内容だった。自説の正しさを殊更に強調する部分も何度か見られ、書物の研究に特化した本としては面白いが、この本でテーマとする時代背景の紹介がほぼ無かったのは通史の一つの巻としてはやや期待はずれであった。
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中国の周建国から春秋戦国時代までというと、史記に書かれている諸国・人物の動向のみが歴史として語られてきたように感じる。確かに重要なことかも知れないが、司馬遷の書いた「物語り」をそのまま中国の古代史と考えて良いのか?まさに司馬遼の日本史をそのまま歴史で紹介しているようなものではなかったのか!全く想像もしなかった世界を紹介してくれた読書となった。著者は夏・殷・周の3代がいかに春秋戦国時代の人々の間で確立していた歴史であったかを力説。夏が本当に存在していたかどうかは別として、この時代には「夏王朝」が事実として考えられていた!それも殷のやや西よりに存在したと!そのことの重みを感じさせられた。夏の遺跡は見つかっているとは言えない中で、殷・周ともに中国の一部の地域を支配していた国に過ぎず、それ以外にも漢字を使っていない文化圏が周辺にあったとして、殷の前に何らかの権力が存在したことは、間違いないだろうし、それの一つが夏であったと考えるのはむしろ自然なことだと納得できた。漢字が発明され広がっていく歴史の中で、「中国」「中華」とは何か、「華」は「夏」から来ている?などの説明は知的興奮を覚えた。
「春秋の五覇」と呼ぶときに、だれを選ぶのか、「左伝」「孟子」「荀子」による違いが、それぞれ書いた人の価値観の違いから来ているということも、歴史の客観性が?というところが面白いところだと感じた。
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「中国の歴史」第二巻となる本書では戦国春秋時代における各領域国家の「正当性」に焦点が当てられる。テーマ自体は興味深くなかなか読み応えもあるのだが、著者一流の「一段落=ワンセンテンス」という細切れの文体が極めて読みにくく、内容がなかなか頭に入ってこない。勢い段落間の論理構成が不明瞭となり、何にフォーカスした議論なのかが一読して理解しにくく、読んでいてやや苦痛だった。
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2021/2/13読了
殷、周~春秋戦国時代を扱う。
“春秋戦国”と一緒くたにされている、この二つの時代では、『国』の概念が異なっていたとのこと。元々、『国』を表す字は『域』だったのが、領域国家化して境界を意識するようになって『國』という字になった、という話も目から鱗で興味深かった。