誰もがみんな学芸員
2021/04/04 13:02
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投稿者:ぷー - この投稿者のレビュー一覧を見る
美を感じ、集めることを当たり前に行っている人は多い。それを発信する方法も現代では情報技術の発展で容易である。
誰もがみんな学芸員の時代。
貯めるがゆえに後から意味が湧いてくることの楽しさを、前向きに捉えられる一冊。断捨離好きには向きません。
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投稿者:ぶっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
頭の良い人、その分野を極めた人などは考え方や視点が違うのか…
なるほど…と考えさせられた一冊
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脳科学者の中野信氏と西洋美術史・博物館学が専門の芸大美術館准教授熊谷氏による対談形式の本。ミュージアムの成り立ちから、普段は表に現れないミュージアムの実際の姿(見えない所で何が行われているのかや、学芸員の役割・存在意義等)、ミュージアムの公的な役割、美術品の来歴の重要性等、これまであまりよく知らなかったことを知れて、展示会等で訪れた時にミュージアムの見方が変わると思う。
「アートは、明日の自分は変わらないかもしれないが、3年後、10年後の自分のために観に行く」本当にそうだなと思う。
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近くのミュージアムに行ってみたくなりました!改めて鑑賞すると新たな発見や今すぐ何かにならなくても何年後、何十年後かに価値があるものに変わるかもしれないと考えると鑑賞することが楽しみになりました。
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脳科学視点の考察は余り無かったが、熊澤先生のミュージアム講義目当てで手にしたので満足(*‘ω‘ *)。体力が無く、美術館巡りや生講義の受講は実現が難しい自分のような素人学習者にとって、こういった良書は光明。
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博士後期課程でキュレーションを学ぶ脳科学者の中野さんと、博物館学等を専門にする熊澤さんの対談。驚異の部屋を意味するヴンダーカンマーから始まった西洋の博物館という仕組みがどのように日本に受容されたか、教育や国威発揚といった政策としての博物館、性的なあるいは冒涜的な作品を展示し物議を醸した展覧会、所有者と作品がそれぞれブランディングしあう関係などなどをテーマに脳科学の話を交えて語る。
明日の自分ではなく10年後20年後の自分にインパクトを残すため博物館に行く、これ賛同。
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前書きが一番楽しかったです。
もう少し、脳科学者としての観点からアートを話してほしかったなと思った。
美術館を脳に例えらメッセージは、読む前から割と想像できてしまう。
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脳科学者と藝大美術館の先生による対談。ミュージアムの成り立ちとか、意義とか、絵の見方等の広い話題が、とても面白かった。
脳が美をどう捉えるかを知る本かと思ってたけどそちらはやや薄め。でも無問題。
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めちゃ面白かったです。
脳科学者の中野信子さんと、東京藝大大学美術館准教授の熊澤弘さんとの対談、という本になるかと思うのですが、体裁としては。
熊澤さんの博物館とはなんぞや?の講義を、中野さんが生徒として受講する、みたいな感じ、だと思います。
ただ、熊澤さんが「博物館とはこーゆーものなんですよ」と、中野さん(と、この本の読者)に教えるのとは別に、中野さんも「脳科学的見地から見ると、博物館って、コレコレこーゆーものだとも言えますよね」と、熊澤さん(と、この本の読者)にも教える、という体裁にもなっている。
即ち、熊澤さん(主)→中野さん(従)という単純な構図になっているわけではなくて、熊澤さんと中野さんの対談が、エエ感じに相互補完、相互補助の関係になっているんですよね。
で、お二人が、お互いに対して敬意を持っていることが、見事にお互いの口調から感じられる、という、なんとも読んでいて心地よい、温かな関係性を感じられる一冊なのです。こういうの、なんか、すっごく良いなあ~ってね、思いながらね、読んでおりました。
ちなみに、自分は、ミュージアムには、いわゆる博物館、美術館、みたいな所には、ほとんど行ったことがないです。図書館と映画館には、ガンガン良く行くんですが。ちょっとジャンルが違いますよね笑。
ですが、もうね、こういう良書を読むと、こらもう行かなきゃ博物館!とかね、ガンガン思う次第ですね。というわけで、ちょっと新型コロナウイルス禍が落ち着いてきたら、是非とも行くぜ博物館。美術館。間違いなく、そう思いました。そういう気持ちにさせてくれたこの本は、間違いなく僕にとっては、抜群の良書でございましたね。いやあ、エエ本だったなあ~。
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目先の利益より先を見通す力を養う。それがミュージアムに触れる意義である。倫理や、正しい表現より、美しい振る舞いが大切になる。
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森美術館の売店で買った一冊。話題の脳科学者が東京芸大美術館の先生に聞く形式の美術館・博物館についてのお話。脳科学はあんまり関係なかった。中野信子さんは最近、東京芸大のこの先生の学科の大学院に入学したそうです。
学芸員の仕事とか「コレクション」の意味とか書いてあります。ところでこの本を買った森美術館や近所の新国立美術館は自分ではコレクションや常設展がない「箱だけ」美術館なのだけどこの本の定義から言えば美術館としては半人前ですかね。学芸員とかはいるのだろうけど、企画展の準備専業なんだろうな。
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猫丸さんの本棚にあって、
面白そうだなと思って手に取りました。
脳科学者の中野信子さんは、2018年から
東京芸術大学でキュレーションについて学び
共著の 熊澤弘先生 の講義を受けていたのだそうです。
これは、お二人の対談集の形を取っています。
中野氏は、ミュージアム(美術館・博物館)の仕事は
脳のある種の機能に似ていると述べています。
人生の3分の1を占める睡眠の間
脳は記憶を整理しているのだそうで、
その作業は、ミュージアムの裏方の作業に似ていると。
つまり、ミュージアムでは表に見えないところで
作品を整理したり研究したり…。
何年もかけて次の展示会の準備をする作業にこそ
重要な使命があるから、ということのようです。
たしかに、私たちが楽しむ展示会は
キュレーターさん達の大変な努力の上に実現しています。
膨大な作品を保管し、整理し、展示するという
お客さんの目に触れない作業は
見えない頭蓋骨の下の働きに似ているのかも。
中野氏は、ミュージアムに行くと
自分の中で化学反応が起こることがあると述べます。
「明日の私は変わらないかもしれない。
でも、3年後、10年後の私のために観に行く」
この考え方、面白いと思いました。
ずっと前に観た絵がふっと頭に浮かんで、楽しくなったり
観た時と別の意味を持ったりすることってありますから。
興味深かったのは、「松方コレクション」の話。
神戸の実業家・政治家の松方幸次郎さんが
現地で選んだ名品を購入したものの、世界大戦のため
敵国財産としてフランス政府に差し押さえられた話。
これって、原田マハさんの
『美しき愚か者たちのタブロー』に描かれていた世界!
大感動して読んだマハさんの作品 ☆彡
熊澤氏は、こう力説します。
「ミュージアムを衰退させてはいけない。
なぜなら、ミュージアムは
人間世界の文化・歴史の森羅万象を記録した
『脳』のような場所だから」と。
時間を見つけて 観に行くしかないですね。
追記:
昨日レビューにあげたばかりですが、
松方さんの絵画購入経緯について
内容に間違いがありました。
それで、児島虎次郎さんのお名前を削除しました。
児島氏は大原美術館を創設した大原孫三郎さんから
留学支援を受けた方でした。
大原氏と松方氏、お二人のコレクターの経歴が
混ざっちゃった~~のです。
すみませんでした _(._.)_
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脳科学者と美術史家のお二人の対談形式の本です。
ミュージアムの誕生史から陰の面まで、
鑑賞の楽しみ方から体験することの意味まで語られています。
沢山のアーティスト名が出てきて、ネットで作品を検索しながら楽しく読めました。
ライトな本♪
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中野さんは常設展に対し「整う」という表現をされている。アートの中には心をざわつかせるものも多々あるが、中には確かに「整う」作品もある。
どちらが良いというわけではないが、自分の中に基準を持つという意味では、この「整う」という感覚は大事だと思うし、それを与えてくれる作品と出会うことは人生を豊かにしてくれるだろう。
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尊敬する中野信子先生が気づいたら藝大大学院で、脳とアートについて学んでいらっしゃって、こんな本を出していたとは!
美しいものに価値をもてるのはホモサピエンスだけで、美術館や博物館は,その美しいものや、人の叡智を記録した脳のような存在。
ミュージアムに行くと必ず化学反応が起き、すぐに影響はないが、将来必ず変わる。ということは、子供達にこそ、将来に対する投資として、もっとアメリカのように自由に観る機会を与えたい。
おすすめ方法は、なせ?って、問いを持って観ることとは、まさに速読や仕事と同じ。最初はなにも先入観なしで観ても良いが、なぜだろうと後から考えてみる。
子供に対して、学力以上にアートのリテラシーが一番親の影響があるのでは?と言われると、胸が痛い。