歴史を学ぶ重要性
2021/01/11 13:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
独裁者の出現。それは過去から現代までの政治体制の重要な場面です。優秀な繁栄する民族に何故、独裁者は生まれるのかをあえて制を使わず政を使って解説しています。古代ギリシア・ローマの政治史から現代の日本政治の問題、将来起きるかもしれないデジタル独裁。西欧の法の考え方と現代中国の法の考え方まで簡単に分かりやすく解説しています。独裁政のメリットも説明していますが、使い方では大変な毒薬になることも。いかに古代ギリシア、ローマの歴史から学ぶことが重要な事であるか。
独裁にも理由が有る事が分かる
2023/05/25 20:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:瀬戸内在住の猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代ギリシャ・ローマ史とフランス革命以降の欧州における主要な独裁者を中心に、独裁のメカニズムを分かり易く書いた一冊。
中国やアジア・中南米にアフリカ等の独裁者は登場しないので片手落ちと思われるかも知れませんが、文庫本で独裁について知りたいのであれば充分な知識が得られると思います。
個人的に本書を読んでいて気付いたのは「独裁者は国民からの支持が得られて、初めて独裁者たり得る」と言う点でしょうか。少なくとも本書に登場する独裁者は多かれ少なかれ国民からの支持を得た者達が多いのです。
その意味でも、本書は「独裁を正しく理解して、正しく恐れる」事が出来る一冊です。
理想の政治形態は?
2021/01/19 18:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
必ずしも「独裁」の対義語が「民主」ではないという理念のもと、古代ギリシャ時代から政治のあり方を問う一冊。丁寧に書かれた本と思いました、
考えてみれば現代でも、あくまで民主的な方法で選ばれた、極めて民主的ではないトランプ大統領という実例があります。
「独裁」を先入観なく学ぶ必要性を思い知れる1冊
2020/12/07 16:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「独裁は悪いこと」と決めつけ、それ以上学ばないのではなく、しっかり歴史を振り返って勉強する必要性を、当書を読み切ってつくづく思い知れました。
高校で世界史を学ぶ生徒たちにも適した内容と思います。
投稿元:
レビューを見る
独裁を含む様々な政体について、古代ギリシャローマと近代ヨーロッパを元に考察しています。
要するに民主制でも貴族政でも独裁制でも、結局のところリーダーの素質と言わんばかりの結論で、まぁそれは納得です。
気になるのは、古代と近代のヨーロッパだけの考察でよいのかということで、中国皇帝や現代の開発独裁、選挙を利用した民主独裁についても触れてほしかったように思えます(本村先生は古代ローマ史が専門なので、東洋史まで話を広げるのは困難かもしれませんが)
投稿元:
レビューを見る
共和政、独裁政その2つを軸に論理が展開されていく。
その相反する2つの政治形態が、実は相互に絡み合っていることに、驚きを隠せない。
最終章ではデジタル独裁について、記載されていた。
このパンデミックの中で、人と人とのコミュニティが薄れていくことで、実はデジタル独裁に近づいているのか?と考えてしまった。
歴史を学び、教える立場として、社会の変化に対応し、道を示すこの歴史学を大切にしていきたい。
投稿元:
レビューを見る
民主主義の走りがアテネから、というくらいにしか知らなかったが、古代ギリシャでも政治の形が色々模索されていたのは興味深かった。
そして、民主主義とはもとからポピュリズムで問題を抱えているものなので、共和制や独裁制から学ぶべきこともあるというのが面白かった。最後はハラリの言うデジタル独裁にも言及されていたが、たしかに歴史から学んでおかないとこれからくる未知の時代に愚かな選択をしてしまいそうだと改めて感じた。
投稿元:
レビューを見る
独裁は絶対悪なのかを歴史を紐解き考察している一冊。
これまでの独裁政、民主政、共和政について詳細に解説され、それぞれの可能性を検討しています。
得手不得手や安全危険は各々にあり、独裁について感情で否定せず理性で理解することが重要に思えました。
古代ローマの期限付き権力者の独裁官のような仕組みは、非常・緊急事態ではとても有効と考えます。
負の歴史の印象が強すぎるものですが、常に平和ではない今はまさに再認識と再検討の時期ではないでしょうか。
皆でよく話し合うべき課題です。
投稿元:
レビューを見る
独裁制、民主制、共和制などの政治体制に
ピックアップして世界史を断片的に解説され、
とても楽しく読める本です
それぞれの政治体制の共通点や相違点などが
はっきりと分かり、今日の各国の政治体制と
比較しながら読むとなお理解が深まると思います
特に、独裁制に興味がある人、独裁者になりたいと思っている人、「進撃の巨人」のマガト隊長が好きな人にオススメです!
投稿元:
レビューを見る
独裁というテーマで世界史をグローバルヒストリーとして捉えた視点は面白いが、知的好奇心をくすぐられる知見はあまり得られなかったかな
投稿元:
レビューを見る
ロシアのウクライナ侵攻のタイミングで読んでみた。独裁について、ギリシアとローマ、そしてロシアやドイツについて説明している。私は、独裁=悪い というイメージは持っていない。政治体制のひとつであり、民衆が求める独裁もあれば、権力者が暴走した結果の独裁もある。日本だって安倍総理大臣の時代はほぼ独裁といってもよいだろう。結局、よきリーダーがよき政治をするのにつきると思う。ロシアが独裁政になる原因は歴史からも分かる。そして、独裁を含めて共和政や民主政でよりよき政治を行うには、あらゆる政治体制を経験したローマや1000年以上も共和政を維持したヴェネツィアの歴史を知るべきだと強く思った。
投稿元:
レビューを見る
独裁自体は決して悪いものではないというのが、目鱗だった。共和制、民主制、独裁制、結局、国家や人心が落ち着くのであれば、それが正しい。しかし、1人の人間が強い権力を持ちながら、長い期間正気を保ち続けるのは難しいのだとも思う。
投稿元:
レビューを見る
古代ギリシャ、ローマから中世ヨーロッパ、近代までの独裁体制の歴史を追っている。カタカナの名前が多くて読みづらいジャンルだが、かなり読みやすく書かれている。要所で「繋がり」を重視して書かれているからかも。
独裁=必ずしも悪とは言えず、民衆がそれを支持したがゆえの体制が人類史で何度も繰り返されてきたことがわかる。先人達が長い歴史の中で、時に痛い目に遭いながら理想の政治体制を知恵を絞って構築してきた努力に頭が下がると同時に、同じ過ちを何度も繰り返してきてもいる。
独裁を支持する国民の心境には、「強力なリーダーシップに引っ張ってもらう」中で「考えなくて良い」楽さがあることを指摘している。デジタル技術が発達してきて人間の生活を楽にしてくれる可能性があると同時に、それをうまく使いこなす必要があると結んでいる。
投稿元:
レビューを見る
文章が平易で読みやすいが、政治制度に関する著者独特の歴史解釈に多少の疑問も残る。政治学者と歴史学者のスタンスの違いかもしれないが。
投稿元:
レビューを見る
「独裁」といえばヒトラーやムッソリーニなど、
第二次世界大戦の負債として悪の側面が強いイメージのある言葉だと思います。
ただ、歴史を振り返った時に、
決して悪い面だけでなく、
識者が正しく導く「独裁」については悪くないのかもしれないと考えさせられる内容でした。
「各部署たらい回しで効率よく決め事ができない、決まらない」みたいな事は現代の企業ではよくある事なので、そういう面も考えた時に良い独裁もあるのかなと思いました。