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銀行員俳人の随筆です
2018/05/21 21:45
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
小川軽舟『俳句と暮らす』(中公新書)は、神戸に単身赴任している銀行員俳人の随筆です。
阪急岡本駅前在住なので、買い物や散歩といった日常風景が具体的に思い浮かべられます。
コープやイカリで買い物したり、保久良神社まで散歩したり。
「俳句と暮らす人の散歩は、次に来る季節を迎えるための散歩なのである。」と書いてありました。
私は句作はしないけど、次の季節を見つける散歩はいいなあと思います。
また、「粕汁にあたたまりゆく命あり」という石川桂郎の句が紹介されています。
わがやでは家人が酒粕が苦手だったので、食卓に粕汁が登場することがなかったのですが、最近、それが少しましになって、酒粕入りの味噌汁が登場するようになりました。
冬の朝、ほんのり酒の香りのする味噌汁を啜ると「あたたまりゆく命」を実感します。
桂郎のように病を抱える身ではないのが幸いですが。
俳句を勉強するなら欠かせません
2017/03/14 07:26
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけ読むと、なんだか古風な俳人は世捨て人のようにして暮らしている様を描いた作品だと誤解してしまいそうだが、声を大きくいうが、けっしてそんなことはない。
むしろ、俳句という文芸をその技法だけでなく俳句の歴史や様々な俳人の特長をしっかり描いた刺激的な学術書に近い。
とても為になった。
そもそも著者の小川軽舟氏は古風な俳人ではない。
著者の略歴を読むと、昭和36年生まれであるから、まだまだ仕事も現役である。
この本が描かれた2016年当時は神戸岡本で単身赴任中である。
だから、章立ては「飯を作る」「会社で働く」「妻に会う」というようになっているが、冒頭に書いたように、それらに騙されてはいけない。
略歴を続けると、藤田湘子に師事し、湘子が亡くなったあと俳句雑誌「鷹」を主宰している。
師匠である藤田湘子のことは「酒を飲む」という章でほのぼのと描かれている。
これもまた、いい。
俳句には「二つのものを取り合わせることによって、広がりと奥行きのある情景」を生む「取り合わせ」(「配合」)があったり、「一句の構造を切ることによって韻文としての格調を得る」「切れ字」があったりする。
この本ではそれらのことも簡略にしかし的確に記されている。
あるいは歳時記については「傍らに置いて生活していれば、身の周りのあれもこれもが季語である」という記述もいい。
それになんといっても、俳句を「ちょっと爪先立ってみる」というのがいい。
「それだけで日常には新しい発見がある。その発見が詩になる」と書いた著者に魅かれた。
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