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オーフェンの第一部開始までの時間軸を描く第二弾。
主役はコミクロンに続いてハーティア。そこにコギーとキースまで巻き込んで一気に無謀篇の空気に。
コミクロンについて掘り下げた前作とは変わって、これぞ無謀篇とはぐれ旅の融合といった今作。
ハーティア、コンスタンス、キース、マリアベル、ケシオン、岬の楼閣と濃いキャラ大集合。バトル、ナンセンスギャグ、心の実在と幅広く網羅する秋田先生の無茶なキャラを崩さずにシリアスへと取り込んだストーリーの巧さが光る。
隙間編というコンセプトの通り、無謀編時点でのハーティアはなんであんなになっていたのか、トトカンタが戦場になったときになんであんなことするに至ったのか、という部分をつなぐお話。
と同時に、オーフェン最大の謎だったキース・ロイヤルの正体が明らかになる一冊です。
執事対決の最終戦がクイズなの、ギャグであると同時に、よりケシオンそのものに近くより白魔術の深淵にあれば正解が出せるというわけで設定ともかみ合っていて非常に高度。
しかしキースの正体に答えが出てしまうと、オーフェンという物語が一つ完結してしまった気がする。二十年来の謎が解けた快感もありつつ、とても寂しい。