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わたしは、
•人がミスをするのは体制や仕組みのせいだから、誰かがミスをしたなら、その人1人の反省ではなく、体制や仕組みを変えるべき
•人を変える唯一のものは環境
という論調派なので、
この「心理的安全性」論にも大賛成。
なので、ふむふむ、そうだよね、こんな職場でいられたらみんな楽しいよね、と思いながら読んだ。
「楽しく働こう」という上司に何人か出会ったけど、それが実現されてるか口だけのものかは、心理的安全性の有無によるものだったと思う。
その会社で地位を築いてる人や失敗の怖さを知らない新入社員みたいな、大体なんでも言えちゃうぜ•許されるから、という人たちじゃない人たちが、のびのびと自分の意見を言える場所。
そんな会社が日本にたくさん増えて、イノベーション起こしていってほしい。
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目的
心理的安全性って最近よく聞くけど、なんなのかを知りたい
どうやったら心理的安全性を高められるのか知りたい
感想
心理的安全性が高まることで対人関係の不安を取り除く。率直な意見を言える、失敗を恐れずそこから学ぶ、そうすることで組織が絶え間なく成長できるようになる点で、心理的安全性は重要。
特に、無知であることを心得ること。完璧ではないこと。相手を敬うこと。
真新しい考え方というよりは、当たり前のことを当たり前のようにやることだった。リーダーでなくてもできそうなこと。心掛けたい
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チームのマネジメントやエンゲージメントを高めることで悩んでいる人にはオススメの本!非常に読みやすくて面白かった!
マネージャーは、部下個人を変えることは出来ないけど、チームの心理的安全性を高めることによりメンバーに影響を与えることができる。好奇心、思いやり、失敗を共有することが大切で、心理的安全性を高め続ける行動がイノベーションに繋がる。
心理的安全性は、一度構築出来たとしても時と場合により変化するものだということも印象的だった。
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・知識労働が真価を発揮する為には、人々が「知識を共有したい」と思える職場が必要。これは、懸念や疑問、過ち、まだまとまっていない考えを伝えるということに他ならない
・ どんな人でも朝、目覚めて気が重いのは、勤め先で無知・無能に見えたり、混乱をもたらす人だと思われたりする場合だ。人間は人生の早い段階で、無知だと思われないために質問しない、無能に見えないためにミスや弱点を認めない、事態をややこしくしないために提案しない、問いうリスクを避ける方法を身につけている
・ 心理的安全性とは、あなたが支援を求めたり過ちを認めたりしたときに、他社があなたをとりあえず信じてみようと思ってくれるということなのだ。正直かつ率直に話すことを可能にし、ゆえに互いに尊敬し合う環境において確立される
・ リーダーの仕事:心理的安全性をつくって学習を促進し、回避可能な失敗を避けること。高い基準を設定して人々の意欲を促し、その基準に到達できるようにすること
・ 心理的安全性を得ている従業員はエンゲージしている従業員である。エンゲージメントとは、自発的に仕事に取り組む熱心さの指標
・ 不正なやり方を使わずに販売目標が達成できないゴールを設け、異議を認められずに目標を追わされることで心理的安全性は損なわれる
・ 「なんとかしてコンセンサスに到達しようとする」せいで、まともな意思決定ができなくなる
・ ピクサーのブレイントラスト
1. フィードバックする際には建設的に、そして個人ではなくプロジェクトについて意見を述べなければならない
2. トップダウンにしろその逆にしろ、相手に強制することはできない
3. 率直なフィードバックは「あら探しをして恥をかかせること」ではなく、共感の観点から行わなければならない
・ 何らかの病気で余命幾ばくもないなら、どんなに恐ろしくても真実を知った方がいい。そのとき初めて何をすべきかがわかるから。
・ 議論に勝とうとしてはいけない。自分の間違いに気づくのは学んでいる証拠であり、それは正しくあることよりはるかに価値が高い
・ 従業員に情熱を持つことを促し、「その情熱を大切にするのを認める」
・ Xではプロジェクトを打ち切ったチームにはボーナスが出る。失敗を不安なくできるものにするために、きわめて楽観的・理想主義的なアイデアがうまくいかない証拠を探す。そのようなアイデアをできるだけ早く取り除いて、別のアイデアへ移るためである
・ 福島第一原発では、命令ではなく情報を出していた。何が壊れていて、どんなリソースが使えるのかの情報を出すことで心理的な安心感を覚えてもらった
・ リーダーシップとは、当たり前にはできない行為(率直に話す、賢くリスクをとる、さまざまな意見を受け入れる、きわめてチャレンジングな問題を解決する、など)に、人と組織が紳士に取り組めるようにする力である
・ 失敗をリフレーミングするために、「自分は失敗のプロではなく、学習のプロだ」ということを自ら述べ、信念としてみん���に納得させた
・ インクルーシブリーダーシップの3つの特徴
1. リーダーは気さくで話しやすい
2. リーダーは自分が完璧ではなくミスをする人間であることを認識している
3. リーダーは他のスタッフが発言しやすいように意見を求める状況的謙虚さを持つ
・ 強力な問い;渡す立ちは何か見落としていないだろうか、他にどんなアイデアが考えられるか、誰か見解の違う人は?、なぜそのように考えるようになったのか、例を挙げてくれないか
このように訪ねて初めて、人は互いの経験や目標について詳しく理解できるようになる
強力な問いの特徴
-聞き手に対する関心を引き起こす
-思慮深い会話を促す
-示唆に富む
-基本的前提を明るみに出す
-創造性と新たな可能性を引き寄せる
-エネルギーと進歩を生み出す
-注意を向ける先を変え、探求的な問いに集中させる
-参加者の話に耳を傾け続ける
-深遠な意味に言及する
-更なる質問を呼び起こす
・最初に感謝という対応をしなければならない
・ 結果がどうあれ人々の努力を賞賛することが重要。よいプロセスが良い結果につながるとは限らず、パフォーマンス面での失敗を恐れてしまうのを避けるため
・ 質問が個人に向けられ、さらに好奇心を伝えられている質問は、発言の安全地帯を作り出すいい質問
・ 上司ではない立場で心理的安全を生み出すには、関心を持っておりいつでも手を貸そうと思っていることを示す言葉を述べるのもきわめて効果的だ。
-どんな手助けができますか?
-どんな問題にぶつかっているのですか?
-どんなことが気がかりなんですか?
・「信頼」は個人が特定の対象者に抱く認知的・感情的態度であり、「心理的安全性」とは集団の大多数が共有すると生まれる職場に対する態度だ。
・ 「このリーダーであれば真実を伝えても怒らない」「このリーダーを助けるために実際の状態を伝えたい」と思わせる信頼関係を必要する必要がある
・ 間違いを伝える。失敗する。助けを求める。これらの行動こそが組織の力の源泉であり、これらの行動なくして組織の学習力や想像力は高まらない
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リーダーとして、より良いチームづくりのために何ができるのかを学びたくて読んだ一冊。
組織のパフォーマンス向上に心理的安全性が大切と昨今よく聞くが、心理的安全性が確保されたそしきをつくるには具体的にどのような行動が必要なのかを学ぶことができ、リーダーが果たすべき役割は非常に重要であることを実感した。
リーダーに限らず、組織に属して仕事をする人は読んでおくとよい一冊と思う。
以下読書メモ
・組織から不安を除くことで、学習, 成長, イノベーションが可能となる
・価値ある目的を共有、明確化し、メンバーの意欲を掻き立てることもリーダーの重要な役割
・率直に話し合える環境を作るには、自ら進んで失敗等を共有していく姿勢が大切
・加えて耳を傾ける文化、発言しやすくする仕組みづくり
・失敗から学べる組織
・仕事をフレーミングする(無意識のフレーミングを変えて、より正確に現実を表すフレームにする)
・リーダーシップとはみんなの取り組みを総合し、1人では不可能なことを成し遂げること。持てる才能と技術を一人ひとりが活かしきるのを手助けすること。最高の仕事をするのに必要な文化をつくるのがリーダーの仕事。
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とても大切なことが書かれている気がするが、ケースが長いせいか、頭に入らなかった。
別本を読みながら振り返るか、再読するか。。。
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本書で取り上げられている「心理的安全性」という言葉は、グーグルのプロジェクト・アリストテレスによって非常に有名になった言葉である。
本書内でも紹介されているが、プロジェクト・アリストテレスは、グーグル社内の、「生産性の高いチームの条件は何か」を調査・研究するためのプロジェクトであり、グーグルは、その研究成果を2016年に「チームを成功へと導く5つの鍵」として発表している。それによると、「心理的安全性」は、5つの要素の内の、他の4つの要素を支える「土台」であり、チームの成功にとって最も重要な要素である、としている。なお、ちなみに、「心理的安全性」以外の4つの要素は「明確な目標」「頼れる仲間」「個人的に意味ある仕事」「その仕事に影響力があるという信念」ということであった。
会社で働いた経験のある者であれば、誰でも思ったことを100%言っているわけではないはずだ。それは、上司への配慮からであったり、あるいは、こんなことを言って皆から低く見られないか、嫌われないかという人間関係の心配からだったりする。心理的安全性とは、「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」あるいは「対人関係のリスクを取っても安全だと信じられる職場環境であること」である。こういう文化がなかった場合、場合によっては非常にまずいことが起こったり、あるいは、こういう文化があった場合に非常に良いことが起こったりすることを、本書中では色々な事例をあげて説明している。
また、高いパフォーマンスをあげるためには、心理的安全性だけでは十分でないことも筆者は強調している。それは、とても重要な必要条件であるが、十分条件ではなく、職場・グループ内のパフォーマンス目標に高い基準を設定することも合わせて重要なことを述べている。
更に、グループの中に心理的安全性を築くことは、リーダーの特に重要な責任であることも本書中で筆者は強調している。
以上が本書のあらまし。
筆者はハーバードビジネススクールの教授、学者であり、本書は、筆者自身のものを含めた心理的安全性に関しての世の中の様々な研究成果に基づいて書かれたものである。一種の学術書でもあるが、色々な事例を取り入れたり、あるいは筆者の文章や本の構成のうまさもあり、読み物としても面白いものになっている。
上記したが、リーダーの(あるいは、組織マネジャーの、と言い換えても良いが)重要な役割は、高い目標を設定し、かつ、心理的安全性を担保することであることが本書では強調されている。VUCAの時代であると言われている。不確実性の大きな時代背景の中では、皆が知恵の交換をスムーズに行いながらチームとして成果を出していくことが重要で、そのために心理的安全性の重要性が更に増しているのだと思うが、高い成果基準とメンバーへの配慮は従来からマネジャーにとって重要なことであった。問題は、それが出来るマネジャーと出来ないマネジャーがいること。私は人事部門に所属しているが、人事部門の大きな課題の1つは、如何にしてそのようなマネジメントが出来るマネジャーを増やすかということである。
そういった面で���ヒントも多く含まれている本だった。
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The Fearless Organization 「心理的安全性」がある状態であれば誰もが率直に意見提起ができ、失敗を恐れずにチャレンジすることができるため、結果としてイノベーションを起こしやすい組織となる。 ざっくり言うと上記が本書の主張であり(現実はどうであれ)ごもっともである。
「心理的安全性」の研究に20年以上も費やされてきた著者、かつ、論文と書籍が引用された総回数51,598という途方もない数字を持つ権威からの最新の本。
「近年では、心理的安全性がチームワークを向上させ、失敗の共有を促進するなど、その効果に対する認識は学会で確立した」とあり、「心理的安全性」を組織にて高めていくことは、もはや必須の課題となっている。
自分目線での話へ切り替えると、「心理的安全性」という言葉は、何度も触れてきたしなんとなくはわかっていたが、書籍にたどり着いたこと(とくにエドモントン教授の書籍)は、初めての経験であった。 いきなり最新書を読むのでなくて、二三冊周辺の本を勉強してから、こちらの本を読んだ方が理解が深かったかもしれない。
(というのも書いてあることはなんとなくわかるのだけれど、日々の日常との差異にも困惑しつつ、かといって日々を嘆いてばかりもいられないので、と、そういった思考が頭の中でぐるぐる回ってしまったか)
また、自分の生き方においても「正直であれ」「真摯であれ」「Be Unique」などといった人生の軸のようなものをもって日々行動しているだけに「心理的安全性」というトピックには考えさせられることが多い。 今後とも勉強を続けていきたい。
さて、自分の見解よりも抜粋引用の方が伝わると思いますので下記多めとなります。
===========
P14
心理的安全性とは、大まかに言えば「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことだ。より具体的に言うなら、職場に心理的安全性があれば皆、恥ずかしい思いをするんじゃないか、仕返しされるんじゃないかといった不安なしに、懸念や間違いを話すことができる。考えを率直に述べても、恥をかくことも無視されることも非難されることもないと確信している。
P60
発言と沈黙の非対称性に関する考え方は、この言葉によっても表現されている―「沈黙していたために解雇された人は、これまで一人もいない」。 安全第一で行こうとする本能は強力だ。 組織の人々は無意識に、対人関係のリスクを取らない。聖域に足を踏み入れるなど御免被る。 黙っていれば安全であることは100パーセント確信できるが、発言して確実に成果を得られるかどうかは自信が持てない―チームワークなど、とうてい望むべくもない。
P125
どんなに詳しく書いても、この報告書では―とりわけ世界の人々に対して―十分に伝えられないことがある。それは、この大惨事の背後にある、過失を促したマインドセットである。これが「日本であればこそ起きた」大惨事であったことを、われわれは重く受け止め、認めなければならない。根本原因は、日本文化に深く染みついた慣習―すなわ��、盲目的服従、権威に異を唱えたがらないこと。 「計画を何が何でも実行しようとする姿勢」集団主義、閉鎖性―のなかにあるのだ。
黒川が挙げた「染みついた慣習」はいずれも、日本文化に限ったものではない。それは、心理的安全性のレベルが低い文化(率直な発言も抵抗もしたがらない姿勢と、世間に対して体裁をよくしておきたいという強烈な願望とが混ざり合っている文化)に特有の慣習なのだ。
P144
「あなたには自分の意見や考えを、ともに仕事をする人々につたえる義務がある」ことが示されているためだ。 ある意味、あなたの意見や考えは、あなたや人々が所属する企業のものと言える。ゆえに、胸に秘めている権利はあなたにはないのである。
P242
逆に、発言しすぎる人となると、めったに見かけない。私は、基準を過度に下げてあらゆる種類の無駄な、あるいは不適切な発言を自由にさせるのは現実的ではないということより、むしろ、度を越して発言する人が期待するほどいないことを伝えたい。また、もしそのように発言する人が現れたときには、(過度な発言という)この特別なリスクに対し、心理的安全性を減らすという対処法をとるのではなく、発言者にみずからがもたらした影響について意見を伝えるのが最良の対処法である。
P257
たとえば日本では、率直な発言やミスの報告を促そうとしても徒労に終わるというのである。言うまでもなく、この完璧な論理は、トヨタ生産方式という現実にぶつかる。トヨタ生産方式は、たゆまぬ改善と完璧な実行に対するアプローチであり、ヒエラルキーの上下を問わずあらゆる従業員に絶えず、積極的に、進んで誤りを指摘することを求める。これは日本の文化で一般的に行われることなのだろうか、ノーである。では、トヨタの文化に深く根付いているのだろうか、答えはイエスだ。
言い換えるなら、やろうと思えばできるということである。
(中略) 成功できるかどうかは、及第点と言えるくらいの心理的安全性をつくれるかどうかにかかっている。問題やミスについてどんどん率直に話さなければ、質の向上は望めない。躊躇なく支援を求めないなら、従業員のパフォーマンスは平均以下になる。判断に対し恐れず異を唱えなければ、回避可能な大小さまざまの失敗をしてしまう深刻な危険性がある。 そのため、本気で取り組もう。これはあなたがやり遂げるべきことだ。文化的な力に逆らうことになるかもしれないが、やろうと思えばきっとできる。
P270 (解説より)
エドモントン教授によると、「信頼」は個人が特定の対象者に抱く認知的・感情的態度であり、「心理的安全性」とは集団の大多数が共有すると生まれる職場に対する態度だ。
(中略)個人間に存在する信頼の影響は、あくまでも信頼を抱く個人と信頼される対象者のやりとりに限定されるが、集団で共有される心理的安全性は集団全体の行動に影響を与える。職場に異なる意見を受け入れる雰囲気があれば、メンバーは率直な提案が可能となる。周りはそれに耳を傾け、チーム全体で建設的な議論を交わす。
一方で、個人間の信頼のままであれば、会議中は各自が自身の思いを胸の内に留め、後に信頼する相手にの���考えを共有するので、チーム全体の活発な議論にはつながらない。
(中略)そして、チームワーク研究者は「チームは単なる個人の寄せ集めではないので、分解せずにチームとして現象をとらえるべき」と唱え、個人間と集団で起こる心理的現象の区別をより意識的に行うようになった。エドモントン教授も、心理的安全性が単なる個人間の安心感ではなく、集団にしか起きない特殊な心理現象であることを示したのだ。
===========
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心理的安全性の効用と、そこにいたるまでのリーダーのとるべき行動とは、大変参考になる。
組織のリーダーにとってファシリテーションスキルは特に重要と感じるのだけど、なぜかミーティング時にレビュアーあるいはお客さん役、になってしまうリーダーはいませんかね。
で、どうするの?とメンバーを詰めても何も出てこないですから。
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心理的安全性とはチームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義されている。
これが組織には重要。
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内容説明
日本の人事部主催 HRアワード2021書籍部門優秀賞受賞!
『チームが機能するとはどういうことか』の著者であり、2011年以来、経営思想家ランキング「Thinkers50」に選出され続けている、エイミー・C・エドモンドソン教授最新刊!
篠田真貴子氏(エール株式会社取締役)推薦!
「心理的安全性ってそういうことだったのか!
心理的安全性の解釈が人によって違うことが気になっていた。しかし、本家本元による本書を読んで、すっきりと整理ができた。心理的安全性とは個人の資質ではなく集団の規範、ぬるい環境というよりもむしろ成果志向の環境なのだ。失敗と成功の事例を通して、このコンセプトへの理解が深まり、実践への示唆が得られるだろう。「恐れ」から解き放たれれば、私たちはもっと大胆に行動できる。」
Googleの研究で注目を集める心理的安全性。
このコンセプトの生みの親であるハーバード大教授が、 ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、 対人関係の不安がいかに組織を蝕むか、 そして、それを乗り越えた組織のあり方を描く。
目次
はじめに
第1部 心理的安全性のパワー
第1章 土台
p37 心理的安全性は、単なる職場の個性ではなく、リーダーが生み出せるし生み出さなければならない職場の特徴だということである。(中略)きわめて強力な企業文化を持つ場合でも、心理的安全性はグループによって著しく異なっていたのだ。心理的安全性は、グループ内の相性が良くて生まれるものでも、知らぬ間に生まれるものでもなかった。明らかなのは、心理的安全性の条件をうまく作り出せるグループ・リーダーがいる一方で、作り出せないリーダーがいることだった。
p42 心理的安全性は、信頼の別名ではない
最大の違いは、心理的安全性がグループレベルで経験される点だ。
これに対して信頼は、二人の個人あるいは二つの組織間での相互作用である。
第2章 研究の軌跡
p51 「もし、自分はすべての答えを知っていると思うなら、辞職しなければならない。きっと道を誤るからだ」
p60 「発言と沈黙の非対称性」
発言するためには努力が必要であり、ここぞというときにもしかしたら効果を発揮するかもしれない(発揮しないかもしれない)。残念ながら、多くの場合、効果が表れるには時間がかかり、成果なく終わる場合も少なくない。一方、沈黙すべきであることは本能的に悟るものであり、そして安全をもたらす。自分の身を守るという効果を発揮し、その効果は直ちに、かつ確実に得られるのである。
第2部 職場の心理的安全性
第3章 回避できる失敗
p102 組織戦略を、計画ではなく仮説と捉える
第4章 危険な沈黙
p114 率直に意見を言うことが当たり前になるためには、心理的安全性(および発言を期待すること)が制度化・組織化される必要がある。
p121 石橋克彦2007「なぜ懸念されるのか。地震の被害の深刻なリスクにさらされている日本の原子力発電所」
「原子力発電所は地震に対して脆弱だ。直ちに抜本的な対策を講じなければ、日本は近い将来、核の大惨事(津波によるものも含め)���見舞われるだろう」。残念ながら、他の人々は石橋の警告に見向きもしなかった。
p125 国会事故調の委員長、黒川清
どんなに詳しく書いても、この報告書では――――とりわけ世界の人々に対して―――十分に伝えきれないことがある。それは、この大惨事の背後にある、過失を促したマインドセットである。これが「日本であればこそ起きた」大惨事であったことを、我々は重く受け止め、認めなければならない。根本原因は、日本文化に深く染みついた慣習―――すなわち、盲目的服従、権威に異を唱えたがらないこと、「計画を何が何でも実行しようとする姿勢」、集団主義、閉鎖性―――のなかにあるのだ。
第5章 フィアレスな職場
p137 ピクサーの共同創設者であるエドウィン・キャットムルは、素直さを促すために、組織においてそれを制度化する方法を模索している。分けても注目すべきは「ブレイントラスト」というミーティングである。
数名が数か月ごとに集まって、製作中の映画を評価し、忌憚のない意見を監督に伝え、創造的問題の解決を手伝うブレイントラストは1999年に生まれた。
専門家集団(ブレイントラスト)
一大スキャンダルになったフォルクスワーゲンのディーゼルエンジンを、失敗を恐れ素直に話そうとしない人々ではなく、エンジニアという専門家集団(ブレイントラスト)が管理していたら。そのようなエンジンの実現可能性について、もしエンジニアたちが素直に意見を言えていたら。
p144 ブリッジウォーターのレイ・ダリオ「あなたには自分の意見や考えを、ともに仕事をする人々に伝える義務がある」
ある意味、あなたの意見や考えは、あなたや人々が所属する企業のものともいえる。ゆえに、胸に秘めている権利はあなたにはないのである。
p159 信頼が重要であること、タイムレコーダー、休憩を知らせる合図、人事評価の非公開がそうした信頼を阻害してしまうこと
責任ある大人にふさわしくない、「信頼を打ち砕き自尊心を傷つける習慣」
p160 フィアレスな職場では、「改善」のための提案が、積極的に採用・導入されている
第6章 無事に
p176 アングロ・アメリカン社が率直に発言できる環境を、どのように整え、制度化したか
p178 安全性の問題について意見を言うようあからさまに求めるのではなく、「どんなことをすれば、思いやりと敬意に満ちた職場環境を作れるだろうか」と尋ねたのである
それによってはじめて従業員たちは十分に安心し、具体的な懸念を述べ始めた。
p181 ホワイトボードによる透明性
増田尚宏(福島第二原子力発電所長)
正直になり、自分の弱さを認め、コミュニケーションを図り、情報を共有した。加えて、重要アイテムとしてホワイトボードを使った。
第3部 フィアレスな組織をつくる
第7章 実現させる
p194 参加を求める
「あなたの患者は、あなたが目指した通り、今週ずっと、あらゆることにおいて安全でしたか」
「ミスや事故を度々みませんでしたか」とは尋ねなかった。代わりに、向上心を刺激する言葉を使って、人々に考えるよう促した。「あなたの患者は、あなたが目指した通り、今週ずっと、あらゆることにおいて安全でしたか」と。
何らかのフォーカス・グル��プに参加すると、意見を述べることを明確に求められる。考えを言わず黙ったままでいるほうが、落ち着かない気分になる。「発言と沈黙の非対称性」が軽減されるのである。
p197 心理的安全性の土台の作り方
心理的安全性を確立するためのリーダーのツールキット
土台を作る
仕事を(リ)フレーミングする
目的を際立たせる
参加を求める
状況的謙虚さを示す
探究的な質問をする
仕組みとプロセスを確立する
生産的に対応する
感謝を表す
失敗を恥ずかしいものではないとする
明らかな違反に制裁措置を取る
p210 「自分は何か見落としているかもしれない。君たちの意見がぜひ必要だ」
p212 ナイーブ・リアリズム(自分は世界を正しく客観的に認識していると考える傾向)
リーダーのツールキットの基本原則を実施している「ワールドカフェ」
p215 心理的安全性を高めて参加を促す三つ目の方法は、従業員の意見を引き出すための仕組みを整えることだ。
対人関係の不安を減らしていく仕組みとしては、従業員同士で学びあうのも効果的だ。グーグルの「g2g」(Googler to Googler)ネットワークがまさにこれである。6000人を超えるグーグル社員が進んで時間を提供し、同僚が学ぶのを手伝うのだ。
第8章 次に何が起きるのか
p242 Q:職場が心理的に安全になると、時間がかかりすぎてしまうのではないか
一般に秀逸な存在になるには規律正しが必要であるのと同様、(意思決定、問題解決、あるいは単なる報告のための)ミーティング運営を効率的にできるかどうかは、スキルと規律正しさと優れたプロセスデザインがあるか否かの問題である。
p257 日本で心理的安全性を作ることは可能なのか。
トヨタ生産方式は、たゆまぬ改善と完璧な実行に対するアプローチであり、ヒエラルキーの上下を問わずあらゆる従業員に絶えず、積極的に、進んで誤りを指摘することを求める。
言い換えるなら、やろうと思えばできるということである。
解説 村瀬俊朗
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心理的安全性 が組織においては必要である
イノベーションの源泉でもあり、リーダーがこれを作ることができないとチームメイトは意見を言うことをしなくなってしまう。しかしただおちゃらけた雰囲気ではなく、出た意見に対しても反対意見が言えないと意味がない。その制度を確立することが大事である。
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組織、企業カルチャーだけでなくそれを作るための行動指針、組織のどの階層においても実践が可能なリーダーシップ論にまで踏み込んだ良書
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心理的安全性の正しい理解ができる
いくつかの事例を元に心理的安全性を解説している
実践に向けたノウハウも書いてる
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近年話題になった心理的安全性に関して詳細に解説している本。
あまり詳しくはないのですがたぶんこの方が提唱している?
心理的安全性とは何なのか、なぜ必要なのか、どのように確保するのかを豊富なケーススタディを挙げつつ解説してくれる。一方で、内容はとてもボリューミーなので読んでいる最中に段々飽きてくる瞬間も正直あった。
それでも書いてある内容に関しては概ね同意で、心理的安全性が確保されていないより絶対確保されている職場の方がイノベーションが起きやすかったり、リスクが回避されやすいように感じた。