VUCAな時代のマネジメント
2021/05/22 21:26
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「こんな指摘をしたら気分を害するのではないか」「こんなことを尋ねたら愚かだと思われるのではないか」など、そんな組織の中の人間関係・コミュニケーションにある心理的障壁が理由で「言おうと思ったけど言えなかった」経験はだれしもあるでしょう。
そうした”恐れ”がなく、誰もが率直に意見を言え、それに耳を傾ける心理的安全性のある組織こそが、今のVUCA(Volatile (変わりやすく), Uncertain (不確実で), Complex (複雑で), Ambiguous (あいまいな))な社会で伸びるという話です。なぜなら、リーダーが全てを知っているわけではなく、むしろみんなの知恵を出し合わないとそうしたVUCAな環境に対応することが難しくなっているから。
村木厚子さんも中竹竜二さんも、このタイプのリーダーだと思っていて、「このスタイルでもいいのかな」「このスタイルが今の時代に向いているのかな」なんて勇気づけられました。
また『宇宙兄弟』の話になって恐縮ですが、主人公のムッタの長所も、チームに心理的安全性をもたらせる点だと思っています。
バリバリのエリートが世界中から集う宇宙飛行士だからこそ、また極限状態におかれる職業だからこそ、個別に見れば能力的に一番でなくてもムッタがもたらす心理的安全性が重要なのでしょう。
心理的安全性に意識的に取り組みたいと思いました
2022/08/22 19:27
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:one story - この投稿者のレビュー一覧を見る
ますます複雑化し、不確実性が増す世の中を生きていくため、本当の意味で協力するためには、皆が安心して気兼ねなく発言できる「心理的安全性」が不可欠だということを改めて認識しました。そのため、自分の感覚がズレてしまうことを念頭におき、心理的安全性を作り出せるよう、197ページに書いてあるように、枠組みを作り、参加を求め、生産的に対応することを意識的に取り組んでみたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
今の自分に読み切れるとは思ってなかったのでまず嬉しい。章ごとに豊富な企業事例、具体的な変化のためのプロセス構築法やツールなども多い。
第8章冒頭のp230, "発言より沈黙を好む心理的・社会的な力の基本的非対称性、つまり自己表現より自己防衛しようとする性質は、今後も変わらないだろう"…うぅ…でしょうね。
だが、"発言と沈黙では、見返りもまた非対称である"…ほんそれな!! やはり諦めたくない、沈黙の文化を揺さぶる活動。
心理的安全性は繰り返し探求し続けるものであるし変化もする。
質問集、どれもあるあるすぎて笑う。
第8章はなんと言ってもラストが秀逸。胸熱。風上に向かってジグザグに進め。ヨットの如く。
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性をテーマにした本書。
不確定な要素が多い世の中、新たなサービスや価値を生み出していくためには前線からのフィードバックやトライアンドエラーを繰り返しながら精度を上げていくことが大切。
けっして甘えや緩みではなく、目的を共有しながら高い目標にむかって進んでいくチームこそが強い。
事例も多く読みやすく一気読み。
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性とは何か。こうではないと、こうであるがたくさん示されていて、この言葉への理解が豊かになった一冊でした。チャレンジできる環境つくりたいものだなぁと。
そして、到達点は学習する組織なのだなと。
投稿元:
レビューを見る
同じことを角度を変えて、丁寧に伝えてくれる一冊でした。
恐れなのないーフェアレスな組織は、集団的知性・知識集約型の組織で、コミュニケーション・協働があり、イノベーションが生まれる……当たり前のことだけれど、これが実践できている組織は、大きな単位になればなるほど限られてくるよなと思いました。
意外だったのが、アプローチが認知と仕組みだったところ。リーダーは、認知バイアスに気づき、意識的に仕組みを作っていく必要がある、つまり誰でもできる可能性があるのだと思いました。
「沈黙して得な人はいない」 何かを恐れて、サイレント化していくのは、もったいないぞと改めて。
投稿元:
レビューを見る
この本の著者である、エイミー・エドモンドソンの論文と書籍が引用された総回数は5万を超えるという。
前著「チームが機能するとはどういうことか」でも心理的安全性の概念は中枢に据えられていたが、本書はさらに心理的安全性へのフォーカスが強まっている。
本書の構成は以下のようになっている。
第1部 心理的安全性のパワー
第2部 職場の心理的安全性
第3部 フィアレスな組織をつくる
心理的安全性とはなんぞや、近年の学術領域における関心事は何か。
心理的安全性のない組織で何が起きたのか、心理的安全性がある組織でどのようにそれが形成され、保たれているのか。
前著と重複する部分がある。また、ここ日本における現場にフィットした「心理的安全性のつくりかた」という名著が昨年出版されている。心理的安全性のエッセンスを知りたい、という観点では、本書が存在しなくても事足りる部分はある。
それでも数々の事例、とくに福島第2原発の話は胸を熱くさせたし、最終章における畳み掛けるようなFAQ形式は「課題はすべて潰す、心理的安全性を少しでも多くの現場に普及させるぞ」という気迫を感じた。
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性と聞くと、なんとなくぬるま湯のイメージがあったけど、VUCA時代に賢く失敗するための土壌のようなものと理解出来た。アジャイルに仕事を進めるために不可欠な概念。
投稿元:
レビューを見る
「ティーミング」(「チームが機能するとはどういうことか」)の著者で、近年、注目される「心理的安全性」の発見者による新著。
内容はなんとなく想像できるものの、「ティーミング」がとても難しいことをとてもわかりやすく整理したものだったので、一応、読んでおこうというくらいのスタンスで読み始めた。
最初のほうは、それはそうだよな〜という感じなのだが、具体的な事例の紹介などを通じて、だんだん、そうそうその通り、と引き込まれた。
とくに、福島の原子力発電所のケースがわりとしっかりと取り上げられていて、そういう観点からも、身に迫るものがある。
まったく新しい知見が示されているわけではないのだけど、自分がずっと感じていたことが言葉にされ、そして他の本を読んで共感していることがリンクされ、ツールとして、整理されている。
内容的には、たとえば、センゲの学習する組織やティール組織などで議論されていることと共通するわけだけど、とてもクリアで、わかりやすく、実践的な書き方で、なんというか「オレンジ」な人々にも訴えかける書き方になっている。
「オレンジ」にわかるように説明するというのは、ある意味、ハーバード大学的な特徴なのかな?(キーガンの本もそんな感じ)
で、この議論の先には、自然と、自己組織化やナラティヴアプローチに繋がっていく感じがあって、いいな。
これからのリーダーシップのあり方として、これはベースなのかもしれないと思った。
投稿元:
レビューを見る
クラスを安心電話安全な場にするためには
「心理的安全性」をクラスの中で育てていかなければならない。
そのためには教師自身のあり方が大きな一因となるなと本書を読んで思った。
失敗してもいい。そう思うのは簡単だが、日常のささいな出来事の中で、本当にそれができているだろうか。
子どもたちに働きかける以前に自分自身のあり方を考え直さないといけないと考えさせられた。
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性に関する理論だけでなく、事例も豊富。これだけ幅広いケースをどうやってリサーチしたのだろうと感心してしまう。教科書的存在。
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性の重要性が言われる中、成果主義による評価やジョブディスクリプションの明確化など、日本企業はVUCA時代に対応できているのかな?
昔のほうがよっぽど心理的安全性が高かった気がする…。
投稿元:
レビューを見る
翻訳が平易な文章なのでスラスラと読めてしまうけど、2周、3周と読まないと本質には辿り着けないように思った。
心理的安全性は信頼とは違って、個人間ではなく組織、チーム、場の中に築き上げられるもの。
上司の機嫌や自分の査定、人間関係への影響を気にすることなく、率直にものが言えるかどうか。どうやって心理的安全な場をつくれるか、という問いに対して、こうすれば良いというひとつの正解がある訳ではなく、「風上に向かってジグザグ進む」しかない。まずは、好奇心と思いやりと真摯な熱意(コミットメント)を自分の行動に現していきたいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
自信が40%しかない時でも発言できるのが心理的安全性
心理的に安全な組織では、発言する→議論できる→自信のないものは不安を克服しやすくなる
発言すべきではない、ではなく発言できない
賛同できる主張が、効果的な主張であるかは別問題
立場のなると忖度される側に回る
できるだけ現場リーダーの声に耳を傾けること
「責任を問われない報告」
目的を際立たせる
思慮深く尋ねるには良い問いをしなければいけない
選択肢を広げたい▶︎見解の違う人は?
理解を深めたい▶︎例を挙げて欲しい
負けないようかなするのではなく
勝つための
そこを表面的にしか捉えないとダメ
心理的安全性とは、もちろん万能薬ではなく、ほかのさまざまな項目、モチベーションやダイバーシティなどをさぽーとするなど
リーダーは、手助けに入る時に、自分で結論を勝手に決めるのではなく、どんな手助けがいるのか、を本人と相談する
投稿元:
レビューを見る
心理的安全性の2冊目。著者のエドモンドソン教授が心理的安全性の第一人者。
感想。
事例中心。全300ページ中200ページくらいが実際に起こった事象をもとに、心理的安全性って大事だよねという展開。石井氏の本の方が実務的・ビジネス書的。
備忘録。
・VUCAの時代は、優秀な人材を採用すればそれでいいという時代ではない。優秀な人材が、力を合わせて仕事をする必要がある。各職場のパフォーマンスに差が生じる一因が心理的安全性。
・心理的安全性とは、みんなが、気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化のこと。
・迷った末に意見を言わない。意見を言った結果自分が軽視されたり、叱責されるリスクを回避する。何も言わずに傍観し、他の人を敵に回さないようにし、自分が愚かに見えてしまうかもしれないリスクを冒すより、安全地帯に留まることを選択する。その結果重大なミスに気づく機会を、組織として失ってしまう。避けられた筈のミスや事故を引き起こしてしまう。
・心理的安全性は、感じ良くあることとか、誰もがいつも相手の意見に賛成することではない。無条件で支持を得られることでもない。礼儀正しいとかいう話でもない。心理的安全性とは、率直であること、建設的に反対したり気兼ねなく考えを交換しあったりできるということ。
・職場にこんな暗黙のルールがないだろうか。上司が関与した案件は否定できない。確実なデータがないなら何も言ってはいけない。上司の上司がいる場で意見を言ってはいけない。他の社員がいる場でネガティブなことは一切言ってはいけない。率直に意見を述べることはキャリアに影響する。
・例えばノキアでは、研究者も経営陣も、個人個人ではスマホの脅威を理解していた。そして皆が忖度し「このまあガラケーで大丈夫!」と説明。。
・心理的安全性を職場にもたらすには。リーダーが感謝を示し、失敗を恥ずかしいものではないとし、その一方で明確な遺産については処罰する。