心の悩みは人それぞれ
2001/09/05 20:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クラリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
『心の悩みの精神医学』とあるが、いわゆる鬱病や分裂病の解説の本とは違う。
著者の野村先生の(心の悩み外来)と野村先生自身が名付けた精神科外来を訪れた8人の患者さんの診療・治療の例をあげながら、精神病、神経症などを分かりやすく解説している。
何だか読んでいるうちに、ああ、こういう事もあると思ってします(私自身は精神科を訪れたことはありませんが…)。
何といっても、野村先生も文中で云っているが、文にユーモアがある。例えば、患者さんの名前(仮名)など。けれども、決してふざけているのではなく、わかりやすく読みやすいという意味である。
心の悩みが無くとも? 一読に値する本である。文中の所々にある精神医学ノートという精神医学用語や病名の判定の基準だけでも、ちょっとした価値がある。
また、精神科の医者の診療・治療のちょっとした苦労話なども所々に載っており、医者の先生も心の悩みがあるのだな?と、ちょっと安心?した。
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うつ病や神経症など、精神科にかかる人の病を幾つかの症例で解説した本。精神医学に興味がある人の入門書としてどうぞ。新書で簡潔にまとめられています。
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精神科の症例とその症状・発病の原因・治療の仕方などが、ケースごとに書かれている。
社会的背景なども書かれており、とても判りやすい。
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8章にわたって、その背後に見える現代についてユーモア溢れるタッチで書かれています。参考になりました。
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[ 内容 ]
本書では、最近増えている八つの特徴的なケースを解説しながら、その背後に見える「現代」という時代を、温かくユーモアあふれるタッチで綴る。
[ 目次 ]
第1章 パニック・イン・中央線特別快速
第2章 うつ・ウツ・鬱
第3章 耐える母
第4章 災難の後遺症
第5章 過食の盛典
第6章 偉大な父の息子
第7章 境目にいる人達
第8章 濡れ落ち葉を踏みしめて
終章 「心の悩み外来」から見た現代
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暗いトーンになりがちな精神病をユーモラスに、分かりやすく、具体的に解説。読みやすいので俺にしては珍しく2回も読んでしまった。
とても勉強になったし、現代という時代と精神の病の関係図を頭に描きやすくしてくれた、素晴らしい本。あと実際の臨床医ならではの視点や感想(医者としての苦労や喜び)がとても新鮮。
現代人なら間違いなく、一度は読んでおいて損はないでしょう。
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パニック発作、うつ等のトラブルは、得てして個人の問題とされることも未だに少なくない昨今、その原因を掘り下げて分かりやすく書かれている。
周囲の人も理解しないと、問題解決は程遠い。
本書は、その症状と原因について、専門的なことは良く分からないけれども、イメージは掴みやすいのではないか。
一歩間違うと、自分もその患者となり得ることも可能性として理解しながら、
自分の状況をいつも客観的に分析できるトレーニングが重要なんだろうと思う。
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特に境界性パーソナリティ障害の症状が非常に的確に表現されていると思いました。そういった患者さんを数え切れないほど診てこられたのでしょう。
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一般の人にも向けて分かりやすくかいてある。
よい治療者とは何か?に繋がるヒントがあるけれど、そこまで突っ込んでかいてはいない。
結局のところ「人となり」なのだ。
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ちょうど『グランド・ブダペスト・ホテル』を観る数日前から読み始めて、観終えた後に読み終えた、というのもあり何となくこのとぼけた雰囲気を身にまといつつ確信を付いてくる、という意味で本日はすごく良い気持ちで眠れそうな読後感。
著者は医学の立場から分かりやすい症例を紹介しつつ、専門的な話は別枠でかみ砕いて説明しており(しかも専門家から見ると多少違うニュアンスかもしれないがあえて、とのこと)、信頼できる印象の先生である。
とはいえ内容は普通。この手の書籍を好んで読む私のような人たちには新しい発見はないと思います。初版1998年と古いので(しかし読んだのは2003年第8刷&改訂なし版なので名著と言えよう)、もしかしたら現代医療では異なるアプローチになるのかもしれない。
しかしあえて★5にしているのはすごくトボけている文体です!コロンボ風に語ってみたり、謎が謎を呼ぶミステリー風に書いてみたり、嫌な患者だなあーしかし私もプロである、なんて正直に述べてみたりなど、本として飽きさせない面白さ。著者の最近の本もぜひ読もうと思います!オススメです!