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桜が創った「日本」 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー22件

みんなの評価3.8

評価内訳

22 件中 1 件~ 15 件を表示

ソメイヨシノは明治維新と共に表れ、日本中の桜と春を一変した「革命の花」である

2005/04/15 16:58

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みち秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

寒い冬が去り、待ちに待った春が来ると突然パット桜が咲き出す。私たちは満開の桜の美しさだけでなく、その短命さに心動かされる。このような時節になかなか面白い本が出版されている。
明治初期ソメイヨシノは染井を出て、日本中を席巻し、桜と春の景色を一変した。
本書はこの革命ともいえる足跡を辿りながら印象的な痕跡を探してゆく。もろもろの説話、伝承を踏まえて、ソメイヨシノが全国に普及して行った理由と時代背景を描いている。
安直に桜に深い意味、特別な観念を持込まず、桜を語る言葉を自らの視点で冷静に見つめようとする基本姿勢が貫かれている。そして先人の語りを参考にしながら桜の歴史を見直そうとしている。
まず圧倒されるのは、膨大な史料の活用、引用である。しかもその引用も要所に実に的確にはめ込まれており、著者の努力と執念には驚かされる。
桜の流れを簡単に説明しておこう。明治期はソメイヨシノは只の花であったが、目新しさで拡大していった。日清日露戦争は拡大の契機にはなったが、戦争や軍隊とのナショナリティにはつながらなかった。大正期に入ると桜はナショナリズムの表象になり、昭和ゼロ年代後年から桜は急激に観念化されてゆく。それは軍国主義の圧力だけでなく、桜そのものに強い観念、精神を見出そうとする風潮からであった。そして戦後桜の歴史、文化、思想が思い思いに語られナショナリティとの関係が論じられ、観念が肥大化し桜の精神論のみが語られるようになった。
著者は戦後の個人化された桜語りを厳しく批判している。「記憶・感情の個人化が進み、桜語りは一人ひとりが思い思いに桜に深い意味を見出すようになり、植物学、史料と無関係に思い付きや、想像で歴史を語り、桜に対する明確な観念や思想がない中で言葉だけ空転して感傷的な語りに陥っている 」。著者の桜に対する博識からすれば先人たちの作品に対する批判精神が出るのは当然と思われる。更に続けて「桜、それ自体意味を持たない曖昧な物であるが、私たちはそこに何かの意味を見出すことをやめることが出来ない」と自ら桜の妖艶に心奪われ空虚さの中を彷徨している。
「花より団子」派の評者が、卑見を述べるのは恐縮ですがあえて一言。
桜=戦争が直感的に脳裏に浮かぶのは年を重ねたせいかもしれないが、戦死者250万とも言われる人々が、桜のように散っていた太平洋戦争と桜の拘わりを語らずに真の桜語りは出来ないと思う。これに言及していないのは1963年生まれの著者の心にはあの戦争は風化してしまったのだろうか。それともこれが著者の言う「新しい桜語りの創出であり、ソメイヨシノの革命」だろうか。
染井から出てわずか150年でこれほど多くのソメイヨシノが日本全国に咲くようになったのは、著者が言う「空虚さは半ば見えつつもそこに何かの意味を見出そうとする」人々がこの桜にいかに強く心を動かされたかを示していると思われる。
いま日本らしさの象徴である自然が徐々に失われてゆくのと同様に、桜も自然=日本らしさと言うナショナリティーの表象として位置づけられてきたが、この図式が揺らぎ始めているらしい。
今後バイオ技術の発達で新たな桜が出現するかもしれないが、ソメイヨシノは桜らしい桜であり続けるだろうし、又そうあって欲しいと思う。

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日本人が日本語で「桜について語る」ということの意味を社会学者が解き明かした本

2012/04/16 16:44

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本人が日本語で「桜について語る」ということの意味を社会学者が解き明かした本。ものの見方が変わる刺激的な本である。

桜と日本。この切っても切れない関係については、これまでにも無数に語られてきた。日本人なら桜の季節に何も思わないことはない、というほど密接な関係にあるからだ。なんだか日本人のDNAに刻み込まれているのではないかと思うほど、無意識のレベルまで入り込んでいる桜。春になると日本人なら誰もが桜について思い、桜について語る。そしてその語りはひとさまざまでありながら、定型化した語りのパターンをもつ。

だが現在、日本の桜の8割を占めるソメイヨシノは、明治になってからエドヒガンとオオシマの交配によって発生した新品種である。接ぎ木によって増えていった種であり、現代風の表現なら、クローンとして増殖していったという言い方も可能だ。
著者は、ソメイヨシノの起源と急速な普及について、さまざまな文献をあたって探っているが、「日本近代そのものであったソメイヨシノ」に投影されているものは、じつはソメイヨシノ出現以前の日本人の美についての観念(=イデア)であるという。この著者の語りには納得させられるものがある。現実が理念を後追いして実現したのがソメイヨシノであり、ソメイヨシノについての語りが、ふたたび過去に投影されているのが「桜についての語り」なのだ。だから、単純に「創られた伝統」だと言ってしまうのも乱暴なのである。
「ソメイヨシノ以前の主流は山桜だった」という語りは、わたし自身もこれまで何度となくしてきたものだが、「山桜」についての語りじたいが、「始原」をもとめる心性の働きにすぎないことを本書で知ることになる。ああ、なんとやっかいなことよ。

やや小難しい議論が繰り返し、繰り返し延々とつづくなあと思う読者もすくなくないだろうが、第一章だけでも読めば、間違いなくものの見方が変わるはずである。有名な西行法師の和歌も、王朝時代以来の花を歌った和歌も、解釈を変える必要がでてくるだろう。
しかし、翌年に桜の花が咲くのを見たときには、また無意識のうちに定型的な語りに身をゆだねているのかもしれない。それほどの呪縛力のあるのがソメイヨシノである。本書には言及がないが、日本で製作されたアニメ作品にでてくるのも明らかにソメイヨシノだ。もしかするとすでに日本を越えてそのイメージは拡散しているのかもしれない。ワシントンの桜だけでなく、世界中に偏在するソメイヨシノのイメージ。

ここまで繁殖に成功したソメイヨシノサクラは、果たして今後どのようになっていくのだろうか? 「大学の秋入学」の議論が話題になるこの頃、昭和時代以降、出会いと別れの季節を象徴してきた桜の意味合いも変化していくことになるのかもしれない。さまざまな意味でじつに知的に刺激的な内容の本である。ぜひ一読をすすめたい。

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『同期の桜』的美学は日本古来のもんなんかぢゃない!?

2005/09/20 11:01

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江戸末期,武蔵国染井村(現在の豊島区内)の植木屋がオオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて作り上げたソメイヨシノ(当時,桜と言えば吉野が有名だったのでそれにあやかって「吉野桜」と命名された。吉野の桜は当時ヤマザクラ類が主流だったので,完全なイカサマですけどね)は,その成長の早さ,苗木の安さで明治期,全国に広まった。
 江戸期には,品種の違う(開花時期も異なる)数種類をバランスよく植え,単一では1週間から10日程度である花盛りを長きに渡って楽しむのが普通の桜の楽しみ方であった。それが明治期のソメイヨシノ(の大量植樹)により,その短い開花期間を思い切り愛で,その散り方に勝手な意味を付与するようになった。
 ……すなわち,軍歌「同期の桜」に見られるような,「美しく咲いて潔く散るのが日本古来の美学」とかいう「桜語り」は,全然日本古来のものなんかではなく,ソメイヨシノの拡散とナショナリズムの確立が時同じく起きたためのスリコミであるということを古来よりの詩歌・文献に現れる桜の記述をもとにたんねんに検証したのが本書なんである。
 ともあれ,そういう形而上の話以前,ソメイヨシノの生物学的真実の説明もワタシのような門外漢には面白く,ソメイヨシノがすべてクローンであるのは,そもサクラという植物にはバラと同様(当然か,サクラはバラ科である)自家不和合性という性質があり,実生(種から育てること)すると必ず親とは違う性質が出てしまうからであるとは知らなんだ。つまり人間に例えれば俳優ナニガシが名優だからといってその子もそうとは限らない。ナニガシのクローンを作る方が名優の作り方としては確実だ,ということだったんである。なんか身につまされるけどねぇ(笑)。

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反日の日本人学者佐藤俊樹が出した失敗作

2005/09/22 10:43

8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「花は桜木、人は武士、柱はヒノキ、魚は鯛、」と江戸後期の俳人横井也有が詠んでいます。「敷島の大和ごころを人とわば、朝日に匂う山桜花」と本居宣長も読んでいます。確かにソメイヨシノは江戸中期に東京染井の職人が作り出した種類ですが、そんなこと、わざわざ佐藤ごときに指摘されなくても、川添登著「東京の原風景」NHKブックスを読んでいた私はとっくの昔に知っていた。それにしてもである。サヨクのごりごりの反国家主義者であり自称社会学者を気取っては現代日本の悪いところばかりを指摘してやまない佐藤俊樹が、どうして専門外ともいえるサクラを取り上げ、その「歴史」なるものをわざわざ上梓したのか。その魂胆はミエミエだ。佐藤は「右翼」「保守層」が魂の拠り所とするサクラが実は人工的に作られたクローン(これも語感としておどろおどろしさ、まがい物臭さをかもし出すために意図的に選ばれた嫌な言葉だ)であり、しかもその歴史は古くからあったのではなく近世、主として明治以降にとってつけたようにでっち上げられた国家主義の産物なんだ、だからサクラが日本の魂だなんて右翼ごっこをするのは止めろという聖像破壊(イコノクラスター)が目的なのである。しかし、本書を読んで、このあざとい佐藤の試みは完全に失敗したと断言できる。だって佐藤がなんと言おうとサクラは日本人の魂であり、国の花、日本の象徴であるという理解は広く国民の間に既に根付いており、これに反発を覚えるのは、せいぜいが佐藤がくだを巻いている取り巻き連中くらいであることは証明済のことだからだ。その証拠に来年の春になれば、多くの人がやっぱりサクラを愛でに花見に出かけ、有名進学校に合格した善男善女たちは希望と期待に胸を膨らませながら校庭に咲くサクラの木下を歩いて入学式の式場にむかうのであろう。佐藤、何が理由か知らんが、いいかげん、日本社会にカラミ、喧嘩を売るのはやめろ。人を呪わば穴二つというではないか。もっと素直になれ。そして実直に生きろ。わかったな。

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2007/01/06 13:04

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2008/03/11 09:41

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2008/04/11 23:37

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2009/05/17 23:57

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2011/04/24 19:15

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2011/04/29 13:46

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2011/11/14 21:38

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2012/04/01 20:34

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2012/07/27 19:36

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2013/05/27 16:44

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2014/04/13 23:32

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