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非常に真面目に丁寧に書かれた本、というのが第一印象。
本は、著者によって書き上げられた段階で完成していて原稿に従って版を組み、刷り上がったゲラに誤字脱字がないかチェックをするのが校正の仕事と思っていたが、本書では、そんな簡単に本が出来上がるものでないことがよくわかる。
編集者が原稿の構成をサポートし、デザイナー・装丁者が書籍としての体裁を整えるように、校正者も原稿の言葉を支援し本に組み上げる作業に参加する。
映画が監督の作品であるが大勢のスタッフのクリエーティブが絡み合ったものであるように、本も大勢の人の営みが絡み合ってできあがる。本書の作者は、著者の書いた文章は生まれたばかりの赤ちゃん、と言う。
前半は校正という仕事の実際と校正という職業に対する著者の思いが綴られ、後半は著者の言葉、文章に対する思い入れが描かれる。
メインターゲットは校正の仕事につきたい人、校正の仕事を勉強しているないしは仕事を始めたばかりの人だと思うが、本好き、日本語フリーク、校正ってどんな仕事と思っている人も面白く読める本である。ちなみに私は後者に分類される。
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校正の仕事に興味のある人だけでなく、なにか自分で書いてる人にはぜひおすすめしたい一冊でした。校正大事……!
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途中から、言葉の世界、校正の世界から見た生き方指南書のようだった。
言葉なしでは人や社会とのコミュニケーションは実現できず、また、言葉が時に支えになったり、励みになったり、安らぎになったり、あるいは武器になって相手を傷つけたりすることを思うと、日々発する言葉に一人ひとりがもっと意識を向けることが、より良い社会に繋がるのだと感じた。
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総じて面白かった。身が引き締まる思い。
ただ著者の校正経験談や方法論以外が少しノイズだったかも。素晴らしい内容だとは思うし、納得もするけどね。
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NHKプロフェッショナルに登場した著者に興味をもったので読んだ。言葉、出版、校正者という仕事に対する熱い想いが伝わってきた。
言葉に関わる仕事をする者としては、差別用語、言葉狩りに対する回答が興味深かった。
今は、誰でも気軽に広く発信できるが、その言葉が残ってしまう(保存されてしまう)時代でもある。それぞれの心の中に、言葉と真摯に向かい合う校正者が必要なんだなと思った。
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読んでみて、僕は、言葉が生き物のようだと思った。だから、人間と接するように言葉と向き合えば、その言葉は、自らが使われたその文章に彩りを添えてくれる。校正者という仕事に、小説家とは違う、浪漫を感じた。繰り返し読みたい本だ。
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「校正するこころ」を欠いて世に出された言葉は、不幸です。
そして
P71〈一冊の本を何か月、何年もかけてじっくりつくりあげる時代ではなくなったのです〉
読む側も、そこは理解しなくてはいけないのだろうか。
完璧などありはしない。
ただ、「校正するこころ」を欠いた本はわかってしまう。
本書からいろいろ知ることができた。
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言葉のもつ限りない力をたくさん知る事ができた
すこし哲学的な表現があって面白かった
著者の真摯な仕事への姿勢に感服する
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出版、ひいては言葉に対する切実な態度が“校正”者にはあることがわかる。著者、編集者をささえる黒子的役割でありながら読者からも信頼をよせられる大切な仕事。日本語の表記法、フォントやDTPについての考え方も参考になった。