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論理的でわかりやすい文章を書くための留意点をまとめたもの。著者の「小論文作成指導」の経験とシカゴ・スタイルといわれる論文作法が奇しくも同じだったとのことでより説得力があるを感じた。
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・接続語で読者のストレスを減らす。どんな接続語があるかに注意すれば、次に書いてある内容を予測できる。接続語がない時は、内容に変化がないと予想すればよい。
・主張を出したら、理由、具体的説明、例示、データと続ける。すると疑問が解消する。
・読んでいくときに湧き上がってくる疑問が、いちいち解消されると、それはもう相手の自己主張とは感じられない。読者自身の心の動きに沿った形で書かれているから、抵抗やひっかかりがなく、自然に受け入られる。
・シビアなツッコミを想定して、事前にツッコミに答えていく。
・根拠を列挙するピーコック型(孔雀型)は不利。一つの根拠を掘り下げるスネーク型で書く。
・初心者はピーコック型になりがち。論理展開が薄いので説得力がない。何故? どのように? どうして? 具体的には? 効果は? 利点は? と深堀りしていく。
・一つの前提から考えたことを詳しく展開することをアンパッキングという。
・狭さと深さは結びついている。最初の段階では意図的に狭く始める。
・解決はクリア・アンド・ディスティンクトに。
・断定表現をする。「~だろう」「かもしれない」と推論するのは、明晰に論理展開されてない証拠。
・常識に訴えない。常識に訴えるのは、自分の問題提起がユニークでない証拠。
・断言しないまま議論を続けると、言いたいこともあいまいなまま終わる。自分の考えの不徹底は必ず表現に出る。
・結論は、今まで述べたことから当然予想されることを書く。今まで述べたことの繰り返しか、そこから必然的に予想される結果を簡潔に書く。
・作家の仕事とは、何か。ある事実が自分にとってどういう意味を持つのか? 道徳・常識に反しようが、他人と取り替えのきかない「自分」という存在に徹底的にこだわって考えること。
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シカゴ大学で教えられている論文=「論理的文章」の書き方。文章・段落のつくり方、文章の全体構造とそれぞれの構成の仕方について、要約、事例、まとめで説得的に書かれている。
論文を書く場面がない自分のような者にとっては本格的にすぎた感があったが、読み手を想定して、その疑問やツッコミに答えるような、テーマと結論、そして根拠を意識してみたい。
15-123
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相変わらず怜悧で切れ味抜群の著者の文章。
ただこれまで数冊同著者の本を読んでいる僕にとっては、ちょっとだれてくるところもあり。
もちろんそうでない読者には驚き・納得・感動の連続だろうから、ぜひぜひお勧め。
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論文を書くための本としては軽い。
文章を書くための本としては重い。
シカゴスタイルの特徴の打ち出しも弱く参考になることが少ない。
ちょくちょく英語がてでくるのも気になる。
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・要約とは、問題+解決を簡潔に述べたもの。要約においては、根拠の部分は基本的にカットしてかまわない
・「そして」「また」などの曖昧な接続語はなるべく使わない
・分かりやすい順序は「既知から未知へ」
・複数分で段落をつくる。ポイントは段落冒頭に1文で書く
・読者はもっとも「意地悪な人」を想定すべき。自分の中にツッコミを入れてくる「他人」を住まわせる
・展開できている文章では類義語が繰り返し出てくる
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「論理的に考える・・」系の本はこれまでたくさん手に取ってきましたが、その中でも圧倒的におススメできる本です。私はこの本をバイブルとして常に持ち歩いており、文章の作成につまづいた時には、いつもこの本のお世話になっています。
この前、修士課程の学生が「もっと早く文章の書き方を教わっていたら良かったなぁ」、「文章を書くテクニックなんて誰からも教わらなかった」と言っている姿を目にしました。そんな学生にぜひ言いたい!!「この本読んだらすぐ解決するよ」と。
この本の良いところは、各チャプター毎に悪い文章と良い文章を比較したパートがあることです。読みづらい文章と読みやすい文章を比較することで、どの部分を修正すると文章が読み易くなるのかを深く理解することが出来ます。ある程度この本を読み進めて、文章の校正テクニックが掴めてきたら、実際に自分の書いた文章を校正してみると良いかと思います。本を読み終わる頃には、かなり書く力や論理的に考える力が身についてるでしょう。
ぜひ研究者の方だけでなく、学生の方々、一般の方々も手に取って見てください。(名古屋大学国際開発研究科 博士課程1年 綿貫竜史)
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シカゴのスタイルマニュアルの読み方と、日本の人文・社会学系の大学院入試の小論文をネタにしていて、発想はとてもおもしろい。かなり読者を限定してしまってる感じ。要約/パラフレーズはもっと徹底的にやってほしかった気がする。
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仕事で稟議書を書くときなど、つい自分の主張を強調しようとするあまり、文章の構成に思いが至らないことがあります。シカゴ大学で教えられている論文のスタイルが、世界標準として認められているとの表題が目にとまり、この本を手に取ってみました。
特に印象に残ったのは2点です。ひとつは、理由を明確かつ先鋭に説明(Warrant)することにより、文章の論理性を高めることの重要性。もう一つが、対立する二つの視点を俯瞰して、その双方を批判しつつ持論を主張するという手法です。
また論文は、現実にあるテンション(問題、矛盾など)をあぶりだして行くこと、という筆者の主張には大変強く感じ入るものがありました。確かに、常識的な内容であれば、文章としての付加価値はないといえるかもしれません。テンションを見出す視点というか、アンテナを張っていることも必要な気がします。