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目次内容に興味持ち、読んでみた。
共感は育てていくことができ、その力は社会にとっても良い影響を及ぼすということを、豊富なデータを通じて教えてくれる一冊。巻末に参考リストもあるのが良い。
もちろん良い影響だけでなく、よく言われる共感疲れにや、共感を薄めていく要因になっているデジタルのポジティブな可能性にも触れており、ボリュームはあるが中弛みすることなく読める本だと感じた。
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翻訳本のため少しボリュームは多めだと思いますが、内容はなかなか示唆に富むものだと感じました。
集団心理からSNS等の影響などなど、視点として得られるものが結構ありました。
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たくさんの研究、実験結果とともに事例を紹介しているので、読んでいてわかりやすい。
これは何度も読み返したい本だし、いろんな人に読んでもらいたい。
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「配慮」「思いやり」など現代の社会環境は「利己主義的」(金・見栄え・権力・名誉等)を重要視するばかりで「他人を想う心」が減退していると言う。それは都会に続々集まる「独居生活」(独身・孤独・自律生活者)が自然と創り出す世界と言うことだ。「弱肉強食」のような、まずは自分が満足のいく生活環境を作り上げることが最優先となり、落ちこぼれには目を止めないことにつながると言うことだ。今後身近なソーシャルテクノロジーは使い方次第で人との関係を「繋ぎ・引き裂く・暴走・混乱・破滅」まで創造できるのだ。
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「共感」は、意識的に伸ばすことのできる能力だ。分断や不寛容が広がる時代に不可欠なこの「思いやる力」について、心理学者が解説する書籍。
人は「共感(エンパシー)」という感覚を通じて、相手の気持ちや痛みを推測し、理解する。
この共感の最も重要な役割は、「やさしい行動」を引き出すことだ。共感すると、人は自分を犠牲にしてでも、他人を助けようという気になる。
共感の本能は、周りにいる人のほとんどが「身内」である時代に進化し、確立した。その後、時代とともに都市化が進むと、知らない人が増え、やさしさの行使は難しくなった。その結果、現代に入って共感力は大きく減少している。
科学者や哲学者はかつて、共感力も含めた人間の本性は生来のもので、変わらないと考えてきた。しかし、研究の結果、体験や習慣が脳を形成することが確認され、私たちの脳と精神は生涯を通じて変わり続けることが明らかになった。
人の性質が、遺伝子によってある程度決定されるのは事実である。例えば、共感力の約30%は遺伝で決まる。しかし、残りは体験や環境、習慣などに大きく影響され、大人になってからも低くなったり高くなったりする。
共感力は、意図的に伸ばすことができる。
マインドセット(思考回路)に関する研究では、「共感力は伸ばせる」と信じれば、実際に共感力が伸びることが示唆されている。
現代のテクノロジーは、私たちがネット上で多くの他人と会うことを可能にした。しかし、それは昔の人付き合いよりも薄いものである。結果として、私たちは直接顔を合わせる付き合いから遠ざかり、共感力を高める機会を逃している。