☆火村英生の推理☆
2024/08/12 00:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
国名シリーズ第10弾
-----------------------------------------------
【船長が死んだ夜】
狭いコミュニティで、元船長の52歳の男性が殺害された。便利屋のようなことをしながら町はずれの一軒家で生活していたが彼には、ファンが多かったという。
現場である被害者宅からは、《1枚のポスター》が消えていた。一体、何故?
主要人物の抱える恐怖症とポスター紛失の関係性から、事件を読み解く。
【エア・キャット】
有栖川が先輩作家の朝井に対して聞かせる、まるでマジックのような奇術っぷりを見せた火村のとあるお手柄話。
短編で、緻密なロジックとは違う、蓋を開けてみれば種も仕掛けも本当にないただの偶然なのだが、これはこれで面白い。
【カナダ金貨の謎】
元劇団員の太刀川公司が、先輩の楓丹次を殺害。丹次と同棲中の恋人の留守を狙っての犯行だったが、予想外の帰宅によって太刀川の計画が狂わされることになる・・・
このシリーズでは比較的珍しい倒叙式です。
【あるトリックの蹉跌】
有栖川と火村との、学生時代の出会いの話。有栖川が大学の授業中に執筆していた作品を、その書きかけの内容から火村が犯人を推理していく。
書きかけの作品に混ざりこんでいる《トリックの蹉跌》とは!?
【トロッコの行方】
浮田真幸というネイリストの女性が、歩道橋から転落して亡くなった。亡くなる寸前に「いきなり後ろから背中を」「コノタカリヤッテ」といった言葉を残していることから、事件と断定する。真幸には八野という愛人がいて、パトロンだったという。しかし、その娘からはよく思われていなかったという。
被害者が残した言葉の意味とは!? 事件の真相は!?
思考実験として有名な《トロッコ問題》をちりばめたような作品でした。
☆火村英生の推理☆
2024/07/03 22:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
国名シリーズ第10弾
-----------------------------------------------
【船長が死んだ夜】
狭いコミュニティで、元船長の52歳の男性が殺害された。便利屋のようなことをしながら町はずれの一軒家で生活していたが彼には、ファンが多かったという。
現場である被害者宅からは、《1枚のポスター》が消えていた。一体、何故?
主要人物の抱える恐怖症とポスター紛失の関係性から、事件を読み解く。
【エア・キャット】
有栖川が先輩作家の朝井に対して聞かせる、まるでマジックのような奇術っぷりを見せた火村のとあるお手柄話。
短編で、緻密なロジックとは違う、蓋を開けてみれば種も仕掛けも本当にないただの偶然なのだが、これはこれで面白い。
【カナダ金貨の謎】
元劇団員の太刀川公司が、先輩の楓丹次を殺害。丹次と同棲中の恋人の留守を狙っての犯行だったが、予想外の帰宅によって太刀川の計画が狂わされることになる・・・
このシリーズでは比較的珍しい倒叙式です。
【あるトリックの蹉跌】
有栖川と火村との、学生時代の出会いの話。有栖川が大学の授業中に執筆していた作品を、その書きかけの内容から火村が犯人を推理していく。
書きかけの作品に混ざりこんでいる《トリックの蹉跌》とは!?
【トロッコの行方】
浮田真幸というネイリストの女性が、歩道橋から転落して亡くなった。亡くなる寸前に「いきなり後ろから背中を」「コノタカリヤッテ」といった言葉を残していることから、事件と断定する。真幸には八野という愛人がいて、パトロンだったという。しかし、その娘からはよく思われていなかったという。
被害者が残した言葉の意味とは!? 事件の真相は!?
思考実験として有名な《トロッコ問題》をちりばめたような作品でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この二人のシリーズにしては、偶然が解決したとか、たまたまそうだったから……みたいな事件の顛末のお話があって、えーっと思ってしまいました。もうすこし、論理的に緻密に進むお話が多いような気がしていましたが……
投稿元:
レビューを見る
火村とアリスの名コンビが活躍する国名シリーズ10作目。王道の本格推理から二人の出会いを描く掌編まで、バラエティー豊かな作品集です。
ミステリの趣向としては表題作の「カナダ金貨の謎」が面白かった。
ワトソン役であるアリスの視点と犯人側の視点と二つの視点で語られる、倒叙型ミステリの趣向も凝らされた一編。
倒叙型ミステリは犯人の追い詰められていく視点が面白いけど、この「カナダ金貨の謎」はいきなり犯罪計画が狂ってしまった犯人の視点から始まるのが面白い。
犯人が狂ってしまった計画を立て直そうと悪戦苦闘する様子と、火村がいかに犯人にたどり着くか。当初の犯罪計画とはどのようなものだったのか。読むポイントがいくつもあって、面白かった。
「トロッコの行方」はトロッコ問題という思考実験を下敷きにしたミステリ。犯人指摘とトロッコ問題を掛け合わせたラストが、運命の皮肉や因果応報を思わせる余情を残します。被害者を突き落とした時刻をめぐるロジックもさすがなのだけど、この余情がいい意味で本格ミステリらしくなくて、有栖川さんらしい雰囲気を醸し出している。
電光石火のごとく事件を解決に導くヒントを見つけた火村。その理由を推理する「エア・キャット」は探偵火村の違う側面が見られる一編で、シリーズファンこそより楽しめる一編。
火村とアリスのファースト・コンタクトを描いた「あるトリックの蹉跌」もシリーズファンとしては嬉しい一編。
王道の本格ミステリから、変わった趣向のミステリ。さらに二人の新たな側面を見せる作品など、存分に火村・アリスコンビとミステリを楽しめる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
表題の中編は作者らしく合理的な理由づけでスッキリした解決。ただ、いわゆる倒叙ミステリ(犯人視点で語られ犯人がわかっている)なので、好まない人はご注意を。
ある短編では火村&アリスコンビのファンには、長らく語られなかったあれがここで明かされるか!というところもあって面白いです。
関西の県警所属のおなじみ刑事たちもそれぞれ登場して、長年のファンとしては元気そうで何より(?)という視点でも楽しめました
投稿元:
レビューを見る
火村英生と有栖川有栖の〈国名シリーズ〉。このシリーズに限らず火村シリーズは信頼して読める。今回は5編収録の短編集。表題作はもちろん楽しめるけれど「あるトリックの蹉跌」という一編がいい。火村と有栖の大学での出会いを描いた作品。短いなかに二人の今につながる空気があって面白くオチも見事。火村シリーズは長編のほうが好きだけど今作は全編を通して楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
火村+有栖シリーズの中編三本に、二人の日常(?)を描いた、短めの二作を足した短編集。メインはやはり国名ものの「カナダ金貨の謎」になるのかも知れないが、これは少し特殊で、いつもながらのパズラーを期待する向きには「船長が死んだ夜」の方が歓迎されるかも知れない。少し無理のあるロジックの気もするが。
投稿元:
レビューを見る
火村&アリスのシリーズが好きでつい手にとってしまう。二人の出会いを描いた〝トリックの蹉跌〟、〝トロッコの行方〟が好みだった。
猫好きには〝エア・キャット〟も外せない!
表題作の〝カナダ金貨の謎〟はいつもの国名シリーズとは違った描かれ方だったなぁという印象。
投稿元:
レビューを見る
火村英生と有栖川有栖のコンビの中の、国名シリーズ、文庫化最新作。
安定の静かな面白さ。描写の適格さ、丁寧さ、柔らかさ、それを含んだわかりやすさ。今回は短編小説。
【船長が死んだ夜】
火村が免停をくらったために、アリスに運転手を頼んでの小旅行の終わりに出くわした殺人事件。もと船長が殺された。犯人は失われたポスターが必要だった人。最後のアリスの気づきが秀逸。
【エア・キャット】
朝井小夜子とのバーでのマジックショーから連想された最近の事件。猫の名前と、文豪の文庫本がぎっしりの本棚の中の新しい文庫本、そして三匹の猫たち。
【カナダ金貨の謎】
表題作。
カナダ金貨を幸運のお守りとしていつもつけていた元ラッパーの男が殺された。
彼を殺した男と、アリスの視点それぞれで語られる物語。
自分の影を殺したって、自分が薄れるだけかもしれない。
【あるトリックの蹉跌】
大学時代の火村とアリスのお話。
【トロッコの行方】
トロッコ問題について質問してきた学生たち。
火村先生の本心の答えがいい。
ある女性が歩道橋の一番上から突き落とされた。彼女が残した言葉から犯人を絞り込んだが、そこから動けない警察が火村英生に助言を求めた。
トロッコが止まるときにひき殺したのは。
どれも面白かったけれど、トロッコの話が特に面白かった。
火村さんの答えがいい。誰も自ら手を下せないという火村さん。
それを分かっているアリスの二人が好きだ。
投稿元:
レビューを見る
ーー
「国名シリーズ」と云えば日本ではアリス・アリスガワなんですよ憶えときな!
安心と信頼のミステリ、なんてものがこの世にあるのならそのひとつ。
クイーン読んでたら読みたくなるというのは必定で、前回『オランダ靴』でバディということばを出したけれど、個人的にコンビとしては江神×アリスよりも火村×アリスのほうが好み。付き合いの長さみたいなものが染み出しているから、というのもあるだろうけれど、掛け合いだとかお互いの、懐に入っている感じなどが安心して読んでいられる。
一編の小説として、ミステリとして、となるとまた変わってきますが。
学生アリスシリーズだと、掛け合い担当は別に居るからなぁ…そのせいってわけじゃないけどあちらで一番好きなのは『孤島ゲーム』である。なんか申し訳ないですねお二方。
というわけで、「あるトリックの蹉跌」は是非。作家アリスと火村英生の貴重な学生時代を覗きつつ、驚きの事実をどうぞ。
ふたりのカップリング感 (なんだそれ)を楽しみたいときは「トロッコの行方」。わたしはコマチさんと同意見です。欲張りで自己満足したがりなんだよな要するに。
もちろん中編ミステリとしての出来も素晴らしいです。ジェットコースター的というか、この場合もちろんトロッコのイメージなんだろうけれど、カチリとポイントが切り替わってからのスピード感が凄い。
表題「カナダ金貨の謎」は国名シリーズの割に少しトリッキーな倒叙型ミステリ。しかしそれが、諧謔的な有栖川さんの筆致にとてもマッチしていて良かった。
安定感も読み応えもある一冊。☆3.6
投稿元:
レビューを見る
偶然、ミステリの分類について調べていたあとだったので、カナダ金貨の謎を読み始めてすぐに、
おお、これがあの倒叙ものか!とわくわくした。
※たしか以前にもあったはずではあるが、もともと細かいことは気にしないタイプなので、その時はあまり調べていなかった。
投稿元:
レビューを見る
『あるトリックの蹉跌』
ここへきてアリスと火村先生の
初顔合わせ話が読めるとは♪
「講義中に原稿書いてて声をかけられた」
…っていうのは明らかになっていましたが
それがどんな原稿だったかは…
作者も今になって考えたんですね(笑)
嬉しいからいいけど(笑)
『船長が死んだ夜』
どの恐怖症が原因かで、犯行がバレちゃう。
殺人の現場であっても
理性で克服できないのが恐怖症。
これも『カナダ金貨の謎』も
「なぜそれがなくなったのか?」が
ポイントになっていて
そういう「腑に落ち」かたが私の好みでした。
投稿元:
レビューを見る
もう30年近く?もの長きに渡って続く火村シリーズですが、時代の流れに乗って最新機器なども自然に取り入れ、読むごとに火村&アリスについて新たな発見ができることに感嘆します。私の中で、この二人のコンビを越えるホームズ&ワトソンコンビは、今後も現れないような気がするなぁ。
火村のSOSから始まる「船長が死んだ夜」。犯人を罠に嵌めるやり方は、このシリーズには珍しいような気も? 船長の寝言と犯人の名前とのつながりは、少々苦しいというか、これをやりたかったがための「船長」だったのかなぁ、などと野暮な勘繰り……。
準レギュラー二人の登場が嬉しい「エア・キャット」。幻の猫が現実になる日も近いのかな? どうでもいいですが、マスターのキャラが濃かったので、彼も準レギュラーだったけかと錯覚しそうになりました(笑)
表題作「カナダ金貨の謎」。筆者は倒叙形式も書くのが上手い……! 解説にもありましたが、犯人視点からの火村&アリスの描写が、読者の目にはとても新鮮で、愉快ですらありますね。
そしてこのコンビファンには垂涎ものだろう「あるトリックの蹉跌」。あったあった、こんなエピソード、と懐かしみつつ……なんとその小説の「トリック」が明らかになる日が来るとは! 手書き原稿の付け足しの痕跡や、アリスの発言やリアクションから推理を組み立てる学生火村がスマートです。若い二人のやりとりがよそよそしいのが堪りません(笑)
まさかの「逆〇裁判」としか思えないゲームの登場に驚かされた(笑)、「トロッコの行方」。序盤のハイになっているアリスの「聞こう!」と、火村の「黙って聞け!」に、電車の中で噴き出しそうになりました。今巻、このコンビ絶好調ですね……。
投稿元:
レビューを見る
(短編)国名シリーズ10火村&有栖シリーズ26
目次
船長が死んだ夜
エア・キャット
カナダ金貨の名zp
あるトリックの蹉跌(さてつ)
トロッコのゆくえ
あとがき
文庫版あとがき
解説 越前敏弥
投稿元:
レビューを見る
読了です。近隣の図書館ではなぜか間の短編集がないので、間を沢山抜かして10作目の中短編集を先に読みました。
少しだけ繋がりがありヒヤッとしましたがそこまで大きな繋がりではなかったので全然大丈夫でした。
10作目になっても変わらずとてもとても面白かったです。 好きなのは『トロッコの行方』と表題作の『カナダ金貨の謎』ですね。2人の出会いのお話である『あるトリックの蹉跌』も印象に残ってます。
トロッコの問題は最近よく聞くので、私ならどうするのだろうとよく悩みますが全然答えが出ません。人間の心理は難しいです。