このボリュームで少年文庫!?
2020/11/26 15:15
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
インド、特にヒンズー教に関する神話がたくさん盛り込まれています。結構、壮絶なストーリーが多かったです。
しかし、このボリュームで「少年文庫」と位置付けるとは、かなりハイレベルな読解力を出版社は求めているな、とビックリしました。当書は読者の対象年齢を「小学5・6年以上」としていますが、この内容を小学5・6年生が理解できるでしょうか?
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インド神話の創世譚のプルシャが気になったので手に取った。まず驚いたのはインドの創世神話は数パターンあること。色んな文献があるからかしら。
インドの神様はゲーム『女神転生』シリーズでよく登場するが、神話は読んだことがなかったので興味深かった。カースト制度がしっかり染み込んでいたのも感じた。
私はガネーシャの話でシヴァとパールヴァティが夫婦喧嘩していたのが1番印象に残った。パールヴァティが嫌がっていることにシヴァが配慮しないのは、インドの男女の関係の典型なんだろうか?
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インド神話、難しいーってなりましたが、そもそも神話というものは難しいものかも知れない…と思いました。
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インド神話を、時代に沿って収録した本。若年層向けの神話集が最近出ていなかったので、とても嬉しい1冊だった。小学生5・6年以上向けになっているけれど、比較的原典沿いで、子ども向けの「物語」には編み直されていないので、社会科でインド(あるいはヒンドゥー教)に関心を持ってから読んだ方が良いかも…ただし、普段本を読み慣れていないタイプの子にはある意味楽しめるかも(主に◯んこ大好き児)。『三神の競走』が収録されていたのは、正直驚いた。『解説』では、他地域の類似神話の紹介もあり、神話学の視点を体験できて大満足。
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岩波少年文庫、こういうシリーズも置いているのか…!
今年は神話モノに挑戦したいとブックリストまで出していたので、本書(対象年齢小学5・6年以上)の力を借りて踏み出していきます笑
インド神話学者である著者が「ヴェーダ」とヒンドゥー教の神話を子供向けに編集、そこから面白い&重要なストーリーを厳選している。
古代アーリヤ人の宗教が、インドでは「ヴェーダ」という聖典に収められている。ガネーシャなど日本でも有名な神様はまだ登場せず、内容は聖書で言うところの創世記を彷彿とさせた。(創世記との違いは天地万物は神様からではなく黄金の卵から、または一体の巨人から分裂して出来たとされている点)
インドの神様が仏教では別の名前で呼ばれるという話は有名だが(例: 戦の神インドラ→帝釈天)、閻魔大王のルーツまでインドにあったとは思いもしなかった。
その正体はヤマという男で、人類最初の死者とされている。死後はヤマの使いである2匹の犬に誘われ、あの世へ向かうシステムらしい。ヤマのあの世での実態は、日本のそれとは違っており逆に仏教はどうやってあの閻魔像を導き出したのかが気になる。また別で調べてみるのも良いな。
「ヴェーダ」やインド土着の民間信仰を吸収したものがヒンドゥー教。
数ある神々の登場もここでいよいよ本格化する。一人の神様から別の神様が生まれたりして、正直名前を覚えていくのが大変だった。巻末には各章の解説が寄せられているものの、神様の簡単なプロフィールや相関図もあればもっと助かるのになー。
その代わりどの神様も異彩を放っているので、著者のようにお気に入りの神様を見つけるなんてこともある。
ちなみに自分はガネーシャが好き。
それまでの話では戦闘狂だったり、私欲のためにえげつないことをする神々が突出していた。「神々の王」というこれまた最強ポジションにあるシヴァ神を父に持ちながら、自分を生み出した母親の命令を最後まで守るところが従順すぎて愛おしいのだ。最初から象の頭をしていなかったんだけど、あの従順さが今の優しい目にも表れているのかなー…なんて思ったり。
著者のお気に入りはドゥルガーという女神で、好きな理由は「独立していて力強いから」。彼女は言ってみれば、神々と悪魔との戦いのために生み出された兵器のような存在。誰の力も借りずに悪魔をなぎ倒していくのは確かに頼もしいし、男性の神様よりも格段に強い!
でも彼女から生み出された獰猛なカーリー女神といい、存在自体がえげつないことには変わりない笑(バチが当たりませんように…)
ようやく入口が見えてきた感じ。
「古代の発想って伸びやかー…!」と思うのが関の山だが汗、他の神話にも触れていくとまた違った感触を覚えるようになるのだろうか。まだまだ入口まで距離がある。
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あまり日本では紹介されないインド神話のディープな(ところだと思う)話をまとめたもの。インドラやシヴァなど日本でのおなじみの話もあれば、初めて読むものもある。
著者は比較神話を専門にしているとのことで、あとがきでは他国の神話との共通点も語られており、一読に値する。
神話としては、さすが悠久の国、平気で数千年単位の時間が経過する。しかし、苦行の量と時間が評価基準になるのはひどすぎる。悪魔だけどその苦行っぷりが「ナイス苦行!」なので、世界を支配する力を与えちゃうよ、って突っ込まざるを得ない。