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何冊目かのインバスケットで、今回は経営思考について。今までのマネジメントやリーダーシップというのを超えて、経営者の立場で考えるもの。
ただ経営学の本を読むよりかは、ロールプレイ的に自分に当てはめて考えて答えを出しながら読み進めるので、理解を深めやすいか。しかもサクサクと読みやすい。
全体を見て最終的な決定をして責任を取るという経営者の立場。方向性を示し、ビジョンを語る。長期的な視点を持ち、ブームに乗るのではなく時流を把握する。シナジーを生み、創造する。優先順位を設定する、問題の深層から解決する。必要な損切りをし、最悪のシナリオを考える。我慢すること、批判を受け入れること、時には保留すること、任せること、代わりとなる人間を育てること、終わりから逆算すること、やり切ること。
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経営に必要な取捨選択などの思考の大事さとその鍛え方がわかる本です。
副業やテレワークも進み、1人で仕事をすることが増えた中で、自分で判断し、行動することが求められる機会が多くなっているようです。
最後はすべて自分で責任を取り、自分で判断していく経営者の思考が、以前より誰にでも求められていると思われます。
経営思考とは何か、どう鍛えるべきかを、さまざまなケースを想定しながら教えてくれています。
経営者だけでなく、多くのビジネスパーソンにとって、これから身につけておくべきことのヒントを得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「『明日の糧を得る思考』『生き抜くための思考』である経営思考は、経営者だけでなく、誰でも持っておいた方がいい。今は、テレワークや副業なども進み、誰もが自分の判断には自分で責任をとり、自分で成し遂げたいことを決める時代になった。」
「経営者でなくても経営思考を持っている人は多い。①未来を起点に物事を考えることができる、②課題を明確につかみそれを解決できる、③自分の価値を高める術を知っている、という3つが強みになる。」
「経営は、紛れもなく『自分のため』。経営には不安がつきものだが、とにかく突っ走ってみる。自分の正しいと思ったことをやり抜く。経営思考は、自分の信じたことを実現するための手法。経営者はその身と人生をかけ、その代償として大きな報酬を得るが、すべてを投資して得られるリターンは、お金よりも『達成感』が残る。」
→経営者目線を持つということは、どのビジネスパーソンにとっても重要であると実感します。大局観を持つことができ、課題の解決のために何をすべきかを第一とし、部分最適ではなく全体最適で物事を考えられるようになる可能性が高まります。そのために、サラリーマンであっても、副業などで実質的な経営者として行動するのもよいかもしれませんね。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・「明日の糧を得る思考」「生き抜くための思考」である経営思考は、経営者だけでなく、誰でも持っておいた方がいい。今は、テレワークや副業なども進み、誰もが自分の判断には自分で責任をとり、自分で成し遂げたいことを決める時代になった。
・多くの人が、感性や経験だけに基づく、安定性のない「謎の経営思考」を持ちがち。経営思考を理解し、実践することで身につけることが大事。
・当たり前ができずに会社を倒産に追いやる経営者もいる。優秀や管理職やリーダーでも、経営層と求められる能力や考え方が違うので、良い経営者になれるとは限らない。
○なぜ、経営思考が必要なのか
・経営の世界は厳しく、企業を10年間潰さない経営者は全体のわずか10%と言われる。急激な環境変化のせいにしがちだが、経営者はどんな状態でも会社を潰さないための判断をすべき。変化に対応して生き残っている会社も多い。本物の経営思考を持っていれば、変化に対応できる。
・経営者でなくても経営思考を持っている人は多い。①未来を起点に物事を考えることができる、②課題を明確につかみそれを解決できる、③自分の価値を高める術を知っている、という3つが強みになる。
○経営思考の将来
・経営は、紛れもなく「自分のため」。経営には不安がつきものだが、とにかく突っ走ってみる。自分の正しいと思ったことをやり抜く。経営思考は、自分の信じたことを実現するための手法。経営者はその身と人生をかけ、その代償として大きな報酬を得るが、すべてを投資して得られるリターンは、お金よりも「達成感」が残る。
・「天(タイミング)・地(場所)・人(人脈)」が、経営で欠かせない3要素。どんなに素晴らしい能力を持って、資金があったとしても、世間のタイミングと合わないとうまくいかない。周りの声をよく聞き、アンテナを高くして時流を読んでスタートする。経営はどこでも可能なので、慣れている場所にこだわるべきではない。一人で仕事はできないが、会社で得た人脈は会社としかつながっていないので、独立したら役に立たない。どんなご縁も大事にする。
○インバスケット経営思考トレーニング
・経営思考では明確に方向を示すことが求められる。意思表明は確定した答えでなくてもよい。周りの全員が反対の意見でも、自分自身がどうしたいのかをはっきり表明することが大切。表明次第で会社の運命が変わる。空気を読むより、作り出す思考。ブレは、部下の意思決定の混乱につながる。
・理念は定性的なものが多いが、目標を定性的にすると、不明確になってしまうので、ごっちゃにしない。目標は数字で明確に立てる。「いつまでにいくら儲けるのか」を定量化し、明確にするという行動が、計画組織力の1つになる。
・経営思考に「現状維持」という言葉はない。その時点で、問題が見えなくなっている可能性がある。常に環境は変化している。それに合わせて変化する。人のローテーション、問題のあるサービスや商品の入れ替え、成功体験に縛られず仕事のやり方を変えることなどを意識する。
・仕事には、とにかく目の前の利益を取り続け、なくなったら別の利益を追求する狩猟的方法と、種をまき、苗を育て、実がなるのを待つ農耕的方法の2つがある。狩猟的方法は安定せず、競争も激しいので、農耕的方法を選択する。今の利益に目を奪われず、長期的な利益を追う。
・会議は、お互いの考えをぶつけ合うトレーニングの場。社長は最終的に決めることができるが、自分が決めないといけないという危険な状況を作り出すデメリットもある。特に現場を知っていると、つい口を出したくなるが、ぐっと堪えて、現場にはそこの仕事の進め方があるのかもと考えてみる。
・自分たちだけで顧客の価値を生み出すという考え方は通用しない。一つだけで生み出す価値には限界がある。「相乗効果」という考え方を常に持ち、他部署や外部を巻き込んでみる。経営戦略だけでなく、一般のビジネスでも活用される。「1+1=2」以上になるかどうかを考えておく。
・会社の中で一番情報が回ってくるのが経営者。いかに迅速に正確な情報をつかむか、情報をどのように分析するかが求められる。入ってくる情報量が多いので、「取捨選択」が求められる。ほとんどが無駄な情報(ノイズ)と考え、不要な情報を振り分ける仕組みを考える。
・時流には敏感に���っておく。見つけた変化を深堀りし、変化の根底にある時流を押さえる。現象の裏に何があるのかと考える経営思考は深くなる。
・限られた資源をどこに集中するかを決めるのが戦略的判断で、「なんでも屋からの脱却」の第一歩。2つの切り口によるマトリクス分析などでセグメント(分類)すると、どの事業や領域に限られた資源を投入するかの判断材料になる。
・かつての垣根にこだわらず、自分たちの生き抜く領域を見出し、顧客への価値を作り出すアイデアをひねり出す。今まで一つの企業のある部門という枠の中で守られた垣根が取り払われた時、どのように生き残るのか、自身の強みをよく把握しておく必要がある。
・情を入れるとあやふやになり、判断できない。感情移入させないためにも、「役」になりきる。経営者の役割は会社の経営で、会社を潰さないこと。辛い判断は、与えられた「経営者」としての役割で判断する。
・株式投資や不動産売却益、補助金等の営業外の収入は、一時的な補助輪のようなもの。安心感と安定性を得ることはできるが、それを強化しようとするのは「本末転倒」。本業を強め収益を上げるのが経営の本筋。収益に直結する部分を大事にする。
・アウトプットを出すには、ある結果を出すためにコストを減らす効率と、コストを増やしても最大のアウトプットを生み出そうとする効果、2つのアプローチがある。効率は、現状よりアウトプットが良くならない環境に適し、効果は、まだ伸びる要素がある環境で用いる。
・どのような状況でも生きていく可能性も確保しないといけない。判断が誤ったときの最後の逃げ道を持つ必要がある。「自主廃業」も、「背水の陣」で破れた結果よりは「逃げ道を確保する」という点で評価できる。一か八かで出たとこ勝負は経営的思考ではない。
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例題と解説が読みやすく理解しやすい。
インバスケットの問題を解く練習ではなく、インバスケット思考の先の経営思考を解説する本。