世界大富豪列伝 20-21世紀篇 みんなのレビュー

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表紙に取り上げた人物の名がある。そこに林芙美子の名前。これは大富豪の本だ。読んでみると、昭和5年に刊行された「放浪記」がベストセラーになった。それで同年、台湾総督府に招かれ望月百合子、生田花世と一緒に台湾訪問旅行に出かけ、名士の仲間入り。昭和6年11月には１人パリに行き、1年間を過ごす。昭和9年には樺太を訪れる。昭和17年10月末には陸軍報道部の徴用でシンガポールやジャワに行く。が、この頃の芙美子の経済状況は火の車だったという。「浮雲」を長期間かけて昭和26年4月に完成。読書界にも認められ、成瀬巳喜男監督、高峰秀子終焉で映画化。昭和26年6月27日、心臓まひで死亡。

外国人7人を含め21人。短いのでさらさらっと立志物語をなぞれる。

「週刊現代」2012.9.8日号～2015.8.15,22日合併号に連載された「蕩尽の快楽　世界大富豪列伝」を構成しなおしたもの。編集者の「金持ちの話は読者うけがいい」のひとことで連載開始。

2021.9.7第１刷　図書館