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「天皇は日本人が産み出した最高の虚構なんだよ!」
卓見である。本書は、ここが最大のキーポイント。
今後の敷島兄弟の運命は、続巻が待ち遠しい。
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帝政へ移行した満州国。
五族共和の理想にはほど遠く、阿片にたよる経済。
そして、二・二六事件が発生。
満州の歴史を目撃する役目を与えられた敷島兄弟は、これから何を見るのだろう。
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敷島四兄弟が満州国にみな絡んでくる面白さは興味がつきない。第四巻では、天皇という「最高の虚構」が完成され、二・二六事件の渦中をこえて、次は破滅に向っていく。
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1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。
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長かった。思いのほか読むのに時間がかかった(苦笑)。
けれども、物語への引き込まれ感は既読の3冊を上回る。四兄弟の運命の歯車がまた1つシフトチェンジした感じと、狂気へ向かって走り始めた軍部の動向とが、読み手の心を揺さぶり始めた。
★4つ、9ポイント。
2017.04.27.新。
※巻末解説文にある通り、それぞれの「正義」が誤った方向へ進み出て二度とは戻れない時代の荒波へと押し流されていく過程が描かれているというのがよく分かる一冊だった。
※筆者が登場人物に語らせた一言、「正義が何かを解決したことがありますか?むしろ逆に・・・」という台詞が、胸に刺さった。
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昭和の闇を深めるもの、それは軍部だけではなかった。人も、国家も、時代が狂想を奏でる中で何かに必死に抗う、それが歴史の闇だったんだ。4兄弟が見事にそれを活写する。
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大河小説ようやく4冊目。満州国ができ226事件が起き、世のなかがどんどんキナくさくなっていく。それに翻弄されて四兄弟の人生も足踏み状態のような、よくない方向に向かいかけているような……。
解説で髙山文彦が「現代の視点から見れば大日本帝国は明らかに超カルト国家であり、どこまでも生身の人間であったヒトラーを信奉したドイツ国民にくらべても極めて異常な国民、国家であった。」(p.652)というのに同感。