「失敗」かは判断がわかれるが今こそ過去から学ぶべき
2022/03/29 07:23
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「中国モデル」に惹かれる人が増えている
中国の成長を見ると「代表制民主主義」に疑問を感じる気持ちは理解できる
だからこそ、過去を振り返り代表制民主主義のどこを見直すべきかを考える時期にきているのだと思う。
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治学等が専門ではない自分にとっては、読みやすかった。
民主主義が機能しない仕組みについてはいくつか参考になるものもあった。
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社会や政治の私物化を防ぎ、共有化して自由を取り戻せ。
「人新世の『資本論』」にも通じる問題意識を持った注目の書。政治学や民主主義のおさらいになる教養書でもある。
現代は民主主義が機能するための前提が崩されてしまった危ない時代といえる。とはいえ、「中国の誘惑」に屈するのはイヤだ。ではどうすれば?
「そもそも民主主義ってなんだ」という根源から考察することで、道筋が見えてくる。コロナ後を見据えて、より良い政治・社会へ、まず一歩を踏み出すために、必読だ。
ただし、やや書き方が固いかもしれない。ぜひとも岩波ジュニア新書あたりで、中学高校生向けにも分かりやすく広く伝えてほしいところだ。
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トランプ登場によるポピュリズムや中国台頭による権威主義への懸念から市民参加型の熟議民主主義を提唱。その背景・経緯としては、ポスト工業化社会→新自由主義→社会や政治の私物化→代表制民主主義の危機という流れで、内容的にはオーソドックスな印象も受けるが、政治思想史も交えながら説得力のある説明になっている。最終章で熟議民主主義の実現に向けてのプランが提示はされているが、ITを活用した具体的な方策等が提示されているともっとよかったように思う。著者はあくまでも代表制民主主義の再興を主張しており、直接制民主主義には否定的なようであるが、ネット世論やネット投票等々の可能性についての言及も欲しかった。(この辺までいくと著者の専門外なのかもしれないが。)
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代表制民主主義の欠陥が指摘されていて興味深いです。改善策も考え出されているが、新書のせいかかなり短め。もう少し自分なりに深堀って考えていきたい。
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第1章 民主主義諸国における社会の私物化
私物化から支配へー自由はどのように失われるのか
新自由主義と社会の私物化
第2章 民主主義諸国における政治の私物化とその先
政治権力をどうコントロールするのか
新自由主義が政治の私物化を加速
私物化の時代の民主主義はどこへ向かうのか
第3章 民主主義とは何か――古代と近代――
始原にさかのぼる
近代に復活した民主主義
第4章 代表制度とは何か
民主主義と代表制度との理論上の接合
代表制度を民主化する
民主的な代表制度の変容
第5章 行き詰まる代表制度とポピュリズム
第6章 代表制度の改革
具体的なイノベーションを評価する
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題材が題材だけに全体的に文章も固いが、一つ一つの事は実例などを通じて分かりやすくしてある。それが、正に今、進行形の悪夢(youtuberが思い付きで立候補、撤回など)と重なり、スルメの様な本。氏はネットでダースレーダー氏との対話も興味深く拝見したのだが、それとは異なる側面も見えた。尚、本書は平成の正体の続編に当たるらしく、それも読んでみたいと思わせる力量。
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ルソーは「人間不平等起源論」で、本来平等で自由であったはずの人間たちの間に不平等が生まれ、自由が喪失されていく歴史の端緒は、すべての人間たちの共有のものを私有することによって開かれると述べている。
国家を誕生させた直接の原因は、万人の万人に対する闘争を終わらせるために人間たちが契約を結び、為政者の職を設ける必要が生じたから。
民主主義がうまく機能するには、憲法や裁判所だけでなく、不文律の規範が必要なのだが、それがなし崩し的に反故にされることで、民主主義がおかしくなる
「社会契約論」における国家の目的は、安全と自由を構成員に提供すること。
そのためにはまず全面的な譲渡がなくてはならない。これにより共有のものとしての国家を設立する。
その国家という共有のものを一般意志の指導の下に置くことで、私物化を防ぐ。
共有のものの構築と私物化の防止こそ、自由でいるための不可欠条件
急速な近代化は、身分や土地によるそれまでの保護を奪うことで人々を根なし草的な存在にし、生活を不安定化させることになり、社会が液状化していった。
民主主義のシナリオは2つの終焉が生じることが予想される。
①ロシアのようなポピュリストによる穏やかな専制政治
②メリトクラシーに基づく中国的統治