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こぼしたぎゅうにゅうはどうなるの…?よしおくんが語る、ある朝の出来事。愉快なナンセンス絵本。
2009/08/13 14:23
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
愉快でへんてこなおはなし。第13回日本絵本賞大賞受賞作品です。
発売してすぐに、保育園の年長組に置かれていました。わたしが購入するなり、二男は「これ、保育園にある!」
どこかで見た本を、またうちで見られるというのは、ちょっとした喜びがあるようです。
本のつくりからしてちょっと変わっています。
見返しからおはなし(よしおくんのモノローグ)ははじまっているのです。
それは ぼくが あさごはんの チョコレートパンを たべて
ぎゅうにゅうを のんでいたときの ことです。
ぎゅうにゅうをこぼしてしまったよしおくん。ぎゅうにゅうはビンからこぼれ、なくなるどころか勢いはますます増していき…
そこではじめてタイトルが出てきます。ぎゅうにゅうでまっ白な部分に青色の文字。印象的です。
ぎゅうにゅうびんはあちこちを飛び回り、よしおくんはあっといまに家の外へ…そして大きな看板に書かれた「ぎゅうにゅうこぼすな!」の文字に、よしおくんはドキッとするのです。
「ぼくは ドキッとしました。」と繰り返し書かれています。
以前、三男(当時4歳)にふたりの兄の様子を話したことがあります。
始業式で先生が変わるので「ドキドキしながら学校に行ったよ」と言ったところ、
三男は「よしおくんみたい」
ん?よしおくん?
この本の主人公、よしおくんのことでした。
読んでからしばらく経っているのに、おぼえている…!
お話の中でよしおくんが感じたドキッ。それと兄たちのドキドキ…
本人の体感とはちがうようですが、結びついている…!
本と現実の体験が結びつく。その瞬間がとても好きです。
特に子どもがその結びつきを話してくれると、自分の読書経験以上にうれしく、それこそドキドキと胸が高鳴ってしまいます。
ちなみにわが家でも瓶で牛乳を飲んでいますが、いまのところ、こぼしてしまって、その牛乳が…というよしおくんのような恐怖!?(それともおもしろ!?)体験はありません…
うちの外にいる牛、ふしぎな魚ミルクフィッシュ、「こぼすな」号でやってきたふなのりのおじさん(つりたかったのはなんでしょう?)、最後にたくさん咲きみだれるミルクフラワー。
これらの無駄のない登場人物も含めて、ナンセンスさがたのしい絵本です。
個人ブログ□□本のこと あれこれ□□
祝!第13回日本絵本賞大賞受賞
2008/03/28 12:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩崎書店編集部・堀内日出登巳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このたびは、『よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』が、日本絵本賞という伝統あるすばらしい賞を受賞し、たいへんに感激しています。
受賞作家の及川賢治さんと竹内繭子さんは、ごぞんじ100%ORANGEというイラストユニットとして活躍しています。新潮文庫のパンダのキャラクター「Yonda?君」や、YA新書「よりみちパン!セ」(理論社)のイラストでもおなじみです。
「かわいいイラストを描くイラストレーター」
そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ですが、私が「よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」の最初のラフ(絵本の下書きスケッチのようなもの)を見たときの印象は、まったく違いました。
「なんてへんな話を書く人なんだ!」
もちろん良い意味で、です。小さなアイディアを大きくふくらます力、それを表現する文章力、そして絵本を理解しているからこそできる遊びのかずかず……驚きました。
お二人は「絵」だけではないのだと、あらためて思いしりました。
今回の受賞にあたっても、そのあたりが評価されたのだろうと思います。じっさい、受賞作以外にも、たくさんおもしろい「お話」を書いているのです。これからも、どんどん書いていくことでしょう。
及川さん、竹内さん、本当に受賞おめでとうございます! これからも、すごい絵本を期待しております。
印象的なイラスト、色彩!よしおくんの語る不思議におかしい冒険譚。
2008/04/10 22:00
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
空の青、草や木の緑、そして牛乳の白が、なんともあざやかで、そのストーリーとともに、強い印象を残す絵本。
表紙をめくれば、見返しからすぐ、お話は始まる。
オレンジ色のテーブルの上に、真っ白い牛乳びんと、こげ茶色のチョコレートパン、そして、主人公のよしおくんの腕が画面いっぱいに描かれている見返しには、こんな文章。
「それは ぼくが あさごはんの チョコレートパンを たべて ぎゅうにゅうを のんでいたときのことです。」
うまいなぁ~。画面には、静かだけれども、何かが起こりそうな不安定な感じがよく出てるし、何かが起こったと予感させるこの言葉で、お話への期待をあおる。
果たして、次のページでは、倒れたびんから、どくどくと流れ出る牛乳が描かれ、また、その次には、それがみるみるゆかいっぱいにあふれ、チョコレートパンも流れてゆき、そして、その次のページで、見開きいっぱいの白い牛乳瓶とこぼれたぎゅうにゅう。そこに青い文字でようやく「よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし」と、タイトルが出てくるのだ。おもしろい構成!
ちょっとびんを倒してしまっただけなのに、あっという間に牛乳だらけの海になってしまうおかしさ。不思議なんだけど、当たり前のように、その海には白いミルクフィッシュが泳いでいて、ふねまで浮かんでいるという、一瞬の荒唐無稽な場面転換の楽しさがある。
思いがけず、こうした世界を作る原因になった主人公のよしおくんは、どうやら、きちんとしたまじめな性格らしくて、「ぎゅうにゅう こぼすな!」なんて書いてある大きなかんばんを見てはドキッとしてしまうのだ。
さてさて、どうなることかと思いきや、このぎゅうにゅうだらけの世界を救う(?)のが、ふねにのっていたおじさん。みごと、あのぎゅうにゅうびんをつりあげて、せんをしてしまうのだ。まるで生き物のようにビチボチあばれるぎゅうにゅうびん!おじさんがこれをどうするかというオチまでついていて、このおはなしは、とてもうまくおさまっている。
裏表紙の見返しでは、ミルクフラワーの咲く野原で、よしおくんがとても満足そうにしているという静かなシーン。自分の冒険譚を語ったという按配なのだ。イラスト、構成は新しく、けれど、起承転結がしっかりした、きちんとした形式なので、心地良く楽しめる絵本に仕上がっている。
ドキドキ
2018/11/08 20:42
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投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただただぎゅうにゅうをこぼしてしまったお話なのですが、予想以上のスケールで、とても面白い絵本でした。
絵がかわいくて良かったです。