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投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の語り口の温度感が冷めすぎてて違和感。私の期待していた、よくあるような展開にはならなかった。
ある日突然虫になってるのを見た家族は、それが彼だとなぜすぐ分かるんだ?食べられたんじゃないかとかどこかに逃げたんじゃないかとか思ってまずは探しそうだけど。。
「障害者と健常者は平等である」という幻想を体現させられた気持ち。
結構な違和感だらけ。
新訳、訳者の解説が良い
2022/05/17 15:40
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
超有名な小説だが、読むたびに発見、というか新たな感覚?がある。
最初に読んだときはシュールで悲しい話だと思い、その次は意味不明で笑えもした。
今回も不思議な感覚は相変わらずだが、理詰めで答えを探そうとして疲れてしまった。
本書は川島隆氏の訳。訳者の解説が非常に分かりやすく、良かった。
虫になっても仕事に行きますか。
2022/04/22 21:38
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投稿者:hachiroeto - この投稿者のレビュー一覧を見る
名前は有名でも、案外読んだことがない人が多いんじゃないかと思う。でもそれはもったいない。特に、大人になってから読み直すと面白い。突然虫になったザムザが、どうやって出勤しようか考えるところとか、家族がザムザをどうしたもんかと冷静に話すところとか。なんだかザムザが他人事じゃなくなってくる、案外に切ない小説でもあるのである。
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伊集院光さんの『名著の話』がとても良くて、改めてこちらを手に取った。100分de名著の講師をされていた研究者による新訳。充実の解説がうれしい!
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『変身』
体中のいたるところが痛み、左肩などは自分の思うようには動かせない自分と"虫けら"になったグレゴールとを重ねて読む。
グレゴールを包囲する家族全員がピリピリとした空気に包まれている状況は、認知症の祖母に対峙していた当時の我が家の状況とピタリ一致する。
『変身』を読むきっかけは『文學界』での頭木さんたちの鼎談を読んで。身体的な痛みに照準して「当事者批評」的に文学を読む楽しさを味わってみたいなと思い立ってのことです。あぁ自分の体なのに動かせなくなることあるなぁと共感しながら、大変おもしろく読むことできました。
#読了 #君羅文庫
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名著といわれれば必ず出てくる作品のひとつであろう「変身」。誰しもが知っているであろうあらすじは割愛します。
どう解釈されてるかは勉強不足なのでわからないのであくまで私の感覚だけでここは書きます。私にとってグレゴール・ザムザはどうしようもない人間です。当時はどうだったかはわからないので現代に住む私の感覚です。
虫になったとわかっても仕事のことを考える。ひきこもる。私にとってはなんで虫になってしまったのか?ということよりも、なんでそんなに仕事のことを考えるのか?言い方を変えればなんで家族のことをそこまで重要視しているのか?ということが疑問に思ってしまいます。
義理堅い人間であれば、血は水よりも濃いという話をすることもあるでしょう。現代でもそういう話はよく聞きます。でもそれはあくまで日常生活の延長線上の話でしょう。
わけのわからない状況になってまでそこを気にしなければいけないのかというところがまず私の理解を超えています。
カフカは今でいう子供部屋おじさん、ひきこもりニート、という問題が一定数の人にとっての普遍的な問題だということをていしていたのでしょうか。
もちろん彼が生きていた時代まで(1950年代より前)においてはひきこもりなんてしていたらほぼ生きいけてないでしょうから、自然淘汰されていただけの人たちだったのかもしれません。
それにしてもこの変身という作品は異質だと感じます。理由もなく虫(役に立たないもの)になり、家族のガンになり、そのおかげで家族が仕事し始め、最終的にはやっかいな存在なだけでしかなくなる。見るのも禁忌に触れるようなものとなる。
作品内でのグレゴール・ザムザはあまりにかわいそう。50代ヒキニートの最後をみているようです。
現代にも通じる作品ですが、あまりにも救いがない作品。それが私の変身を読んだ感想です。
私にとっては共感するような作品ではなかったですが、豊かになった社会にとってこの作品は語り継ぐに値する作品なのかもしれません。
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最初に新潮文庫の方を読んだので、別な方の翻訳を読んだ形になるんでしょうが、あんまそんなの気にしないで読めたので違和感はないんでしょう、たぶん。小説自体の感想は新潮文庫の方にあげたので割愛。
むしろ巻末の解説が多かった気がするので、そっち読みたい人オススメ。この人の伝説エピソード好きなんだよね。
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訳者解説が面白い。
文字を追うことは読者誰でもできるけど、ドイツ語で書かれた、他の版から、技術がどう変遷しているか、というのは、一人の読書では絶対に読み解けない。ということを思い知った。
訳者ってすごい。キーワードとか、宗教的背景のある表現は日本語訳難しいらしい。確かに言われてみれば、絶対にそうだと思う。本作でいう「虫」だって、様々な訳がこれまで当てられては変えられて、らしい。虫ではニュートラルすぎるので、毒虫、でも攻撃性はないから、毒は違うんじゃない?っていって虫に戻るとか。虫けら。ごみ虫。なんてのもあるらしい。
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「もし、あなたの家族が「虫けら」の姿に変わってしまったら…
あなたはどこまで耐えられますか?」
主人公とその家族、どちらの不条理も同情してしまう
こんな人にオススメ:
・家族との関係が上手くいっていないと感じている方
・海外文学で短めだけど考えさせられる作品が読みたい方
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『この早起きというのは、人間をまったく薄ばかにしてしまうのだ。人間は眠りをもたなければならない』
『ただ我慢することだけが家族の義務の命じるところなのだ』
『音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか』
『これで神様に感謝できる』
グレゴールはある朝、目が覚めると自分の姿が毒虫になっていた…
その姿を見た家族の反応はどうなのか?
見た目は毒虫だが、間違いなくそれはグレゴール本人。最初は妹も母親もらしく接してくれるが、徐々に毒虫としての扱いを受けるようになる。
いずれ毒虫の死、つまりグレゴールの死が訪れる。家族の反応は…
グレゴールには「死」の選択しか残されていなかった。
この小説を通じて、カフカは何を言いたかったのか。
時代背景。見た目と心の相違。
そして人間である尊厳。
単なる、朝起きたら姿が変わっていたSF小説ではない。
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100分で名著を見て、そんな話だっけ、と思い再読。色々と難解な解釈があるらしいけれど、浦島太郎だって不条理な話だし、現実問題として不条理なことは起きうるし、そこに無理に意味をつける必要はないと思った。グレゴールの顛末は悲しい物語だけれど、なぜか切迫感がないのが面白い。虫のくせに出勤しようとしたり、妹と駆け引きしたり、天井からぶら下がったりして楽しんだり、とってもシュール。
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こんな気持ち悪い(良い意味で)作品出会ったことない!
虫の表現がほんとに事細かくてページめくるのもためらった!良い意味でゾワゾワして気持ち悪い!
もちろん主人公に同情するけど、主人公の家族の気持ちも分かっちゃうから「す、救われねぇ〜!」感が満ち満ちててたまらなかった。
読了した時の「はぁ、気持ち悪かった…」って感想を充実感と共に持つことができた。良き良き。
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あらすじは知ってたけど、読んだことがなかったので思い立って読了。内容については考察され尽くしてきていると思うので割愛。ラストシーンで憑き物が落ちたようになる家族のシーンが印象的。
本文が100ページなのに、解説が70ページほどある。
翻訳はあえて原作の初版に準拠したなど、こだわりのある作られ方をしていて好印象。こんな不条理な内容でも、人の心を長く掴み続ける作品になるのは面白いですね。
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珍しく外国人の方が書いた本を読んでみた。淡々とストーリーが進む。
私はいつもわかりやすい文章の本を読んできていたので、これだけ淡々としていると感想が持ちにくかった。(持ちにくかった?笑)
でも世では大作と言われているので、私が合わなかった、ついていけなかっただけだと思うのですが。。
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本来、こういう不条理ものは苦手な方なんだけど、なぜかこの「変身」は好きだなぁと思った。
私はカフカの文体が好きなのかもしれない。
最初は「ある朝起きたら虫になっていた」という常人では思いつかないような突飛な発想に気を引かれるが、そのうちこの「虫になっていた」というのは何かの比喩でもあるのでは?と思い出したりする。
「虫」というのを「人間だと思えない」「(それがたとえ気心知れた兄だったとしても)なるべく関わりたくない」と思わせるような何か、に置き換えて読むとどうもこの話がただの「ゾワっとする話」には思えない。
この「変身」はある意味残酷・不条理極まりないと言えるのに、読み終わった時にはなぜか満足感があった。本当になぜなんだろう。
自分でもよくわからない。ただ、こういう感覚でいろんな人がカフカ文学の虜になっていったんだろうとなんとなく思った。