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投稿者:ナナP - この投稿者のレビュー一覧を見る
おとうさんに感情移入。
中高年男性の悲哀や、わんちゃんと人間のつながり、ときに人生に大きな影響を与えることなど感じながら一気に読み終えました。
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありふれた家族は犬を飼っていた。その犬は娘が拾ってきた犬で娘が面倒をみる約束で飼い始めたのであった。しかし娘が大きくなるにつれ犬の面倒はいつしか父がみることになっていった。家族の輪から離れつつあった父と犬。父の離婚と同時に彼らは放浪の旅に出る。運にも見放されて弱っていく父を見た犬は・・・・・。
ペットでもなく飼い犬でもなく家族なんですね・・・。人間ではないこのワンちゃんに人情味を感じてしまいました。素朴ではありますが心に残る作品でした。
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人間はひどく勝手でいっときの興味、好奇心だけで何かを手に入れようとする
でも時間がたてば興味がうすれ見向きもしなくなる
たとえそれが小さな命であっても
家族から見放されたおとうさんと
そんなおとうさんと最後まで家族だった犬のハッピー
1人と1匹の暮らしは決して裕福ではなく
苦しいものだったけど彼らは幸せだった
※
※
おとうさんとハッピーの絆があまりにも尊すぎて、あまりにも深くて涙が止まりませんでした。
犬は人間と暮らし始めた時から、1番頼れる存在は人間の家族だ
だけど人間はその時、その時の興味や好奇心で簡単に可愛がったり、時には犬を見捨ててしまったりする
そんな現実があるだけにおとうさんとハッピーの家族としての絆がより心に染みると思いました。
犬や猫など大切な家族の一員がいる人には是非読んでもらいたい1冊です。
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原田マハさんが好きで、手に取った一冊。
私も犬を飼っているので、すごく感情移入して最後まで一気読みしてしまった。
ただ一途に愛し続けること、ずっとその気持ちを抱きつつ、生きることは、実に難しく、だからこそ尊い。
愛し愛されるそんな関係になれる存在に出会い、最期まで一緒にいられたら本当に幸せなことだと思った。
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犬という生き物は、最後の最後まで人間に寄り添う生き物なんだと、改めて実感させられた一冊でした。そして、そんな生き物はこの世の中で唯一、犬だけだと思わざるをえませんでした。
読んだ後から、感動のような、温かい愛情のような、なんだかそんな感情がじわじわとおそってくる、1人の人と1匹の犬の、愛しくなるお話でした。
***ネタばれ***
お父さんの人生は、なんだか気の毒でかわいそうに思えたけど、でも、孤独死が多い世の中、大好きなハッピーが最期まで側にいてくれたお父さんは、奥津さんが言うように、とても幸せだったのかもしれない。そしてハッピーも、大好きなお父さんの側にずっといれて、最期はおとうさんが迎えに来てくれて、幸せだったことでしょう。そしてもう永遠におとうさんとハッピーは一緒なのだから。
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コミックも映画も見ていないのにひかれてしまった。
犬という存在が人に寄り添ってくれるのはとても幸せなことだろう。一人と一匹の最期は幸せと程遠いように見えるけれど、彼らにとっては幸せな時だったと信じられる。
ある日のニュース/星守る犬/ひまわり
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原作のマンガも映画も知らない中で手に取った、この本ですが、美術や旅行に関連しない原田マハさんの作品の一つだった。これで、文庫本になっている、原田マハさんの本はすべて手にしたことになったか。次の文庫本が楽しみだ。
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現実の日々がちょっとしんどくて、小説で泣かせてもらおうかな?と思って読んだら
泣かせてもらいました。
犬とは、なんと憐れな生き物だろう。ひたすらに飼い主を愛し、付き従い、見向きもされなくなったとしても、人間の足音が自分のほうへ近づいてくるのをひたすら待っているのだ。
なぜ、そうまでして人間を待つのか。そうまでして、私たち人間を愛するのか。
真っ直ぐなワンの愛に比べると、人間って雑念ばっかり。
いや、私って雑念ばっかりで嫌になる。
いやいや、ワン達と比べる事じたい、不相応なことだった!
自分は、人間として生きていくんだなぁ。
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原田マハさんにルソーの表紙なんて反則やん(笑)
これも漫画の原作をずいぶん前に読んだけど、今回は悲しいと言うより、いいな、と思った。
幸せな最期だと思う。(本人達に取っては)
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犬のハッピー目線で描かれた悲しい家族の人間模様がちょっと辛い。だからこその犬の健気さが際立って切なく感動を与えているとも言えると思うが。。
お父さんが白骨化していく過程は、この物語の骨格となっている人間と犬との絆や愛情などと相反して少々リアルで、感動というより悲壮に思えてしまった。
お父さんの全財産の財布を盗んでいなくなった少年がその後どうなったのかも、もやっとするところ。いなくなる直前にハッピーを抱いて泣いていたくらいだから、お父さんの優しさに触れその後はきっと後悔して曲がった人生を歩まずにすんでいるに違いないと想像するしかないのでしょう。
感動するにはお父さんの人生があまりにも辛くて、貧乏でも慎ましやかにハッピーと静かに暮らしていける道はなかったのかと思ってしまうのは私だけでしょうか。。夢のない大人になってしまったのかなぁなんて自問してしまったが、ただ単に、離婚して1人になってしまったお父さんの幸せに暮らす姿を望んでいただけの私です。
この小説は、原作者が別にいらっしゃいますが、マハさんの犬の話は『一分間だけ』がやっぱり感動的で好きだなぁ、と改めて思い出しました。
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お父さんと犬があまりにも気の毒です。お父さんの犬への愛情もたっぷりだし、犬もよく頑張った。幸せにのどかに暮らしてほしかった。
でもきっとこれが現実。私も現場で働く心理師として本当に生きるのが大変な人が支援につながるように仕事していきたい。
うちの犬もいよいよ家族みんな新学期や在宅ワークからの出勤などでお留守番になります。夕方帰ってきたらたくさん愛情も注ぎます。
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2022/03/27リクエスト 1
犬は言葉をしゃべれない。その前提が最初からひっくり返る。
最初に電光掲示板のニュース、原野に放置されていたクルマの中に白骨化した男性が発見され、その近くに死後3ヶ月と思われる犬がいた。
そのニュースを見て、男は自分が、かつて飼っていたバンという犬を思い出す。
そのエピソードが一番良かったかもしれない。
近くを僕が通るたびちぎれそうなほどしっぽを振る。でも僕は忙しいと相手にしなかった。それどころか、キャッチボールをするフリをして喜ぶバンの鼻めがけ投げつけた…
そんなとき、バンは
ごめんなさい、今の遊びのルール理解できなかったんです…と済まなそうな顔をしていた。
そのバンが最期の時を迎えそうなとき、よろよろしながら僕に持ってきたのは、なんとあのときのボールだった。
もはや、投げてもくわえに行く為、走ることもできなくなったのに。
ハッピーはある日、みくちゃんに拾われる。セオリー通り、パパと約束した、散歩もえさやりもきちんとする、ことはなく、すぐにパパの仕事になった。
やがてパパは狭心症になり、仕事を失う。そして家族も失う。
パパとハッピーは、クルマに乗って旅に出る。
持病がある上、なけなしの財産の入った財布を信じて車に乗せてやった男の子に盗まれ、一文なしになる。
ガソリンが尽きたところが最終地点だ、と。
そこでおとうさんが、力尽きる前に、ドアを開けハッピーを野に放ってやる。なのにハッピーはおとうさんあそぼ、おとうさん、チョココルネあったからもって帰ってきたよ、と喜びそうなことを考えてできることを全てする。
なのに痩せ衰えたハッピーはある家族のバーベキューの場で野犬と間違われ、袋だだきにあう。
おとうさん、もう楽になってもいいですか?
そのおとうさんとハッピーこそが電子掲示板ニュースに出た二人だった。
犬の特性をよく表している作品だと感じた。
何度も泣く、という最近の帯は大げさだが、昔飼っていたジョンを思い出した。
あの犬が死んでから、何ヶ月かあと、子どもが生まれた。
やっぱり捨てられていた犬だった。
日本にはたくさんこんな犬の話があるんだろう。
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村上たかしさんのコミックは読んでないけれど
原作を大切にしながら小説化されたことが
伝わってくるようだった。
全てを、ほんとうに全てを失ったおとうさんに残ったのはがらくたのような宝物と
いつガス欠するかわからない車だけ。
でも、そばには犬のバンがいる。
実際、犬は“言葉”は話せないけれど
おとうさんとバンは、いつも“話”をしていた。
バンにはちゃんと伝わっていた。
さびしさも愛も。全部。
人によっては、おとうさんの人生や最期は
不幸に見えるのかもしれない。
それでも、おとうさんとバンは幸せだった。
そう、わたしは思いたい。
なにが幸せか、それは自分が決めること。
自分にとってなにが幸せなのか
改めて考えるきっかけにもなる一冊だと思う。
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泣いてしまった。
犬はとても狭い世界で生きているから、家族から大きな影響を受けてしまう。
時にそれはとても恐ろしいことのように感じる。
実家にいる豆柴と、その前にいたダックスフンドのことを思った。
彼らは幸せだろうか。
もっと話しかけて、一緒に過ごしたい。
短い命を少しでも幸せに生きて欲しい。
そう思わせられるお話でした。
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なんとも言えない。悲しいし切ないし感動はするけど、忘れちゃいけないのは犬の気持ちは人間が一方的に当てはめて描いたものであること。
人は、気持ち次第でなんとでも、幸せだったかもしれないし、これで良かったかもしれない。
けど、犬も幸せだったよね、と言っていいかどうかはわからない。
責任をもって飼育できない状態になったときに、飼い主と一緒にいることがこの子の幸せだから、という思考には陥らないでほしい。