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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリミア併合からウクライナ侵攻は、もちろんロシアの行為は許されることではないが、ウクライナの複雑な地域性や歴史的経緯を踏まえると、単純化された一面的な見方が余りにも多くの事実を削ぎ落としていることに気付かされます。
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専門家の知識・分析が、とりわけ後半に出てくる。私は、国土というのは、歴史的に、ある程度ひとまとまりのもののはずだという先入観を持っていたが、この本に書いてあるウクライナはちがう。肥沃な農地のある国というイメージを持っていたが、西部と東部で、農業の基盤としても、また工業地帯としてもポテンシャルがちがうんだということも知らなかった。とてもためになる本でした。
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緊急出版だそうな。
確かに、今出せば売れるだろう。
内容は前半は、これまで既出の記事の寄せ集め、どこかで見聞きした(実際に読んだことのある)話だ(2005~2021年にさまざまなメディアに発表したもの)。
本書の価値は終盤の第5章、第6章あたりか。
2014年クリミア併合あたりからの分析ではあるが、有料メールマガジンの記事だけにインテリジェンス価値は高いと見る。
書下ろし終章は、池田大作先生礼賛に振れはするが、今のロシア・ウクライナ戦争を「宗教的観点からからも考えてみる必要がある」と、他にはない視点を示している点も特筆してよさそうだ。
さすがの佐藤優も、プーチンを擁護することはないが(”既存の国際法に違反する”と冒頭に名言している)、今の日本の、ある種のウクライナ・ブームには警鐘を鳴らしている。また、ロシアの行為に対する弾劾、国際法違反への批判は行いつつも、
「しかしそのことは、キーウの現政権を手放しで支持することにはつながらない」
と言う。これは、ウクライナ国民が支持するか否か、ということではなく、我々に日本人の立場として、冷静に情報を分析して考えた上でどうすべきかを言っているのだ。
刮目に値する指摘、分析、視点が数々示されている。
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この方はやはり良い意味での宗教者なのですね
外交官時代に詰腹切らされるほど、ロシアーソ連に精通しているのは間違いない上に、一歩踏み込んだ精神性の面から物事を語る事ができる方
だから他の政治の専門家さんとは視点が少し異なっています。
その部分が受け入れられない人にしてみれば、ちょっとと思うかもしれませんが。
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タイムリーな書き下ろし…ではなく、2005年以降くらいの過去の各誌への寄稿を「プーチン」「北方領土問題」「クリミア併合」そして今回の「ウクライナ侵攻」など各章のテーマに従って集めて再構成した内容なのでかなり話が重複する。よってやや読みづらいが著者の見方を歴史をやや遡ってざっと概観できるので今一度基本事項の理解の整理となり大変参考になった。
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佐藤優氏の鋭い目が光る内容であったが、そりゃそうだよなという、「普通の内容」でもあった。どちらか一方が正しく、どちらか一方が間違っているという二元論ではないというのは、ニュースの上っ面しか見ていない方には考えてほしいとも感じた。
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流石ロシア分析の第一人者だけある。佐藤優氏の真骨頂。プーチンの思考回路とロシア気質から見えるウクライナとの戦争の意味合いが非常によく理解できる。現在のウクライナ侵攻は許されざる蛮行ではあるが、どのような落としどころを考えなければならないかがよく理解できる一冊。如何に新聞・テレビ・ネットニュースが浅はかな論拠で記事化してるかよくわかる。佐藤氏には体調に留意いただき、今後も貴重な発信をし続けていただきたい。。
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同じ事柄に関して、それぞれの真実があるということ。悲しいけれど、戦争はそのために起きる。
それはわかるけど、チキンレースはそろそろおしまいにしてほしい。
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ロシアとウクライナの戦争が始まって、一方的にロシアが悪い風潮が流れているが、各国の思惑もあり、ロシア側にも言い分があり、感情抜きに情勢を見る力が必要なのだ。
1人で調べたり考えたりしても結局感情的になってしまっている自分がいるので、本書は冷静にロシアの分析をされているのでとても勉強になった。
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エリツィンに取り入れられ、メドベージェフを巧みに操り大統領に長く君臨するプーチン。
ウクライナは正義なのか?これがこの書で1番印象に残る
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■2014年2月当時、ウクライナで進行していた事態は「革命」にほかならない。この背景には歴史的、文化的に根深い対立構造がある。半政権側は西ウクライナ(ガリツィア地方)に基盤を置く民族主義勢力だ。帝政ロシア時代、ウクライナは「小ロシア」と呼ばれていた。現在も「自分は広義のロシア人だ」という自己意識を持っているウクライナ人は、ウクライナの東部や南部に少なからず存在する。 また東部には軍産複合体や宇宙関連企業があるので、軍事的にも経済的にもロシアと緊密な関係を維持している。
これに対してガリツィア地方と呼ばれる西部は歴史的にハプスブルク帝国の版図であり、同帝国解体後はポーランドに属していた。ガリツィア地方がソ連領ウクライナと統合されるのは第二次世界大戦後のことだ。
ガリツィア地方のウクライナ人は日常的にウクライナ語を話す。これに対して東部、南部のウクライナ人は日常的にロシア語を話す。ウクライナ人の大多数は正教徒だがガリツィア地方のウクライナ人はカトリック教徒他多数派だ。このガリツィア地方の人々はロシアを嫌いEUとの統合を強く望んでいる。軍産複合体、宇宙関連企業と結びついた東部のウクライナ人はロシアとの連携強化を望む。また、東部、南部では、ウクライナ人、ロシア人の意識が未分化な人も多い。
ウクライナは決して一枚岩ではない。国民のアインティティがまだら模様であることが革命とウクライナ危機をもたらした。
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2005年以降のプーチンに関する記事のまとめが8割で、終盤の2割がウクライナ侵攻後の書下ろし。過去記事であってもプーチンの人物像や思想を理解するには有益ではあるのだが、内容的に重なる記事も多く冗長な部分もある。
全体的なスタンスとしてはややロシア寄りというか中立的なようにも思えるが、それが元外交官ならではのリアリズムなのかもしれない。とはいえ、出版社の事情によるものだろうが、最終章で創価学会の賞賛があり、精神世界をベースとするある種のユートピア的平和主義を唱えるあたりは、そのギャップの理解に苦しむ。この辺が良くも悪くも、外交官&宗教者という2面性の表れであり、著者の魅力のひとつなのかもしれないが。
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独裁者・プーチンを徹底解明!その内在的論理を理解しなければ、ウクライナ侵攻を理解することはできない。外務官僚時代、大統領となる前の若き日のプーチンにも出会った著者だからこそ論及できる、プーチンの行動と思想。
実は以前に著者が書かれていたものが多くて再編集されているのだが、まるで未来が見えていたのかと思うくらいに違和感がない。ロシアが悪いのは間違いない。でも果たしてプーチンを非難すれば現実が上向くのかというと、そういうわけではなく、ウクライナ国民が次々と犠牲になっている。国際社会でどう立ち向かっていくのがよいのか、非常に悩ましい問題であり、かつ結局北方領土の問題は解決まで至っていないため、著者の主張が全て正しいとも判断できないが、この膠着した事態から打開する交渉力のある人に頑張ってほしいと願う。
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この本のための書き下ろしではなく、過去の原稿に加筆修正を行ったもの、ということだけど、今の情勢で知っておきたい基礎がおさえられたいい本。それぞれの内容についてより深く知りたくなる。
特にウクライナ問題については、基本知識が分かりやすく書かれていて現状理解にすごく役立った。欲を言えば地図と年表が欲しい。(特に地図。)
北方領土問題については、当事者だけあって圧巻の臨場感。読みごたえあった。
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時間ができたら必要なものだけを置いて、すっきりとした部屋で過ごしたいと思ってきました。この数ヶ月間、読み終わった本を中心に処分をしてきましたが、部屋が気持ちよくならない元凶は「読みかけの本」が多数あることと、それにも関わらず興味のある本を買ってしまうことでした。
まずは購入してから1ヶ月経過したにも拘らず読破できていない本は、途中で打ち切ることにしました。読破していないということで本の評価は「★1つ」としていますが、内容が悪かったわけではありません。