日本帝国主義型精神主義
2022/10/06 22:05
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先頃の東京オリンピックにはじまり、インパール作戦、特攻、靖国神社と、歴史も遡りつつ日本帝国主義型精神主義に引きずられる日本の姿を論理的にまとめた一冊。「敗戦」を終わらせるということを考えさせられました。
戦後日本の原点の見直し
2022/09/28 17:27
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
国民が日本の狂信的考えにとらわれ批判できず隷従しているのかよく分かった。池上氏、保坂氏の”歴史の予兆を読む:朝日新書)と同じ視点であった。この本は本当に日本を愛し、改善しようとする人や若い人は読むべきである。非科学的な第二次世界大戦の参戦、兵站や工夫無しで強行した作戦。私の叔父は台湾沖のバシー海峡でUSAの潜水艦に沈没され戦死した。そのバシー海峡では何隻も沈没しているにもかかわらず、無策で強行した。まるで、特攻作戦と同じである。亡くなられた御霊には感謝しているが、それを指導した上層部には怒りが今でもある。戦後、中国から別の伯父さん夫婦が逃げ帰る途中に軍部は先に帰り、子供や体の弱い人々は途中で多く死んだと聞いた。日本国は国民を粗末に扱っている。戦争好き(自民党系列)は何も科学的根拠なしに、今でも好戦的なことを言っている。今こそ、戦争の総括をして、情緒より科学的思考で進める政治家が必須である。菅のスピーチを聞いて簡単に感動する人。今まで、彼は赤木事件、息子の縁故採用。自分の言葉を持っていない人。すぐに。ゴーストライタがいることが分かる。簡単な二段論法。69歳。
表紙に「この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?」と書かれ。
2022/08/20 09:25
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投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店で手に取り、表紙や帯・中を少しを見て購入した本ですね。
表紙の帯に、大きく「この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?」と書かれていて。
コロナ禍の現在、ホンマに冷たい国・政府やなぁ。
そう思い、中を読み続けると。
本の題名の「未完の敗戦」と続くのですね。
第一章で、新型コロナウイルス感染拡大の昨年に開催された「東京オリンピック・バラリンピック」をあげ。
感染症拡大の中、政府が言葉を変えつつ開催に突き進み。
反対意見も多い中、大手新聞メディアも同調して。
犠牲者増加の中、選手が一生懸命頑張ってい等々論点をすり替え。
「強制」や「命令」が無いのに、国家の思惑通りに進む社会。
まさに、戦前の日本の再現ですね。
第二章以降で、先の戦争の「敗戦の完結」を行うわなかった事が原因とし。
大戦時の「第日本帝国型の精神文化」をわかりやすく解説。
国民全体が、「情緒的な美辞麗句」で飾られた戦争に喜び加担し。
兵隊さんの「死」を、「散華」と言う言葉に変えて。
やがて「特攻」や「玉砕」へと続き。
敗戦を迎えた後も、教育の現場で過去の検証をせずに。
現在の日本が出来上がってしまった。
労働者を、過労死するまで働かせて。
海外からの労働者を、使い捨てるまで酷使して。
またまた「大日本帝国型の精神文化」が復活してきた今。
私たちは、「どうするのか」の分岐点に立っていますね。
本書は、戦争中の部分が多くて現在の部分がやや少ない。
現代編が出れば嬉しいですね。
ここまで現代日本の思想について指摘するとは…感心しました。
2022/06/22 22:01
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「現代日本の思想は国民に優しくない。戦前時代となんら変わりない」という主張を、著者が様々な視点から指摘し、痛烈に批判している1冊です。
読み進めていって、よくぞ著者はここまで現代日本の思想の欠点を指摘するとは!と思いました。著者の主張のブレが極めて低く、感心しました。
今の与党政権を支持する側の方々にも、与党政権反対派の立場の著者の主張として、一度著書を読んでご覧になることをお勧めします。
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氏のtweetや著書に通底する、今この国に対する違和感をまとめた集大成的本書。当たり前の日常を生きていると、意識しないとなかなか気づかないんだけど、実は全然大切にされていないよな、自分たち。そんな違和感を的確に言語化してくれているから、どこを正せば良いのか、何に対して声をあげるべきなのか、そのあたりが理解されてくる。”保守”という響きと、実際そう呼ばれる面々の間にある大いなる隔たり。字面通りを疑わずにいたら、知らないうちに思いもよらぬ状況に…ってなことを防ぐために、必読の書。
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サブタイトルは「この国は、なぜ人を粗末に扱うのか?」。本書の主張は「大日本帝国」的な、国・会社・集団の都合を第一に考えて、個人を尊重しない考え方が、長時間・低賃金労働などの現代の日本の悪状況を作り出している、ということ。会社のために低賃金・長時間で働く過労死は「特攻」となんら変わらない。
その根本原因は今でも残る「大日本帝国」的な精神。ドイツがナチスを完全悪として消し去ろうとしていることと対象的に、現代でも「特攻」を軍指導部の狂った作戦と同調圧力による犠牲ではなく、国を守る英雄的な行為と考える人が一定数いる。大日本帝国の信奉者だ。まさしく敗戦が完結していない、ということだろう。次は本書からの引用だが、現代でもよく見られる。
目的を達成できるか否かという「可能性」が、その目的を達成するための「努力」にすり替わり、目的を達成する「努力の尊さ」が「その努力において自分を犠牲にすることの尊さ」にすり替わる。
それらの大日本帝国的な精神論・考え方は単なるイデオロギーにとどまらず、批判的な考え方の欠如・権威への盲目的追従となり、現実的に、日本の発展の妨げとなり競争力・国力を削ぎ続け、失われた30年(もっと続く?)となっている。 大日本帝国時代(1889-1945)の57年よりも日本国時代(1947-2022)の76年ほうが、はるかに長い。いいかげんに現代に適応しないといけない。
憲法が「日本国憲法」から「大日本帝国憲法」に変わろうとしている、今こそ読んでおくべきかもしれない。
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日本国内のオリンピック観=宗教的側面のつよさ
・聖火⇔オリンピックの火
復興五輪
防衛白書の表紙=楠木正成?
特攻隊員の悲劇的な最期に意味を見いだす情緒的思考の危険性
実際に指揮官のミスやらのせいで飢えて死んだことも国のための戦死として処理する
P.175 『新教育指針』
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今の自民党が大日本帝国であるというシンプルで簡潔な主張で(実際にもそうなのだが)、現代を大変分かりやすく表している。
日本人にとって、敗戦をキッカケに、急に民主主義や女性参政権が降ってきたため、まだ江戸時代の百姓なんだということがよくわかる。
日本本当の民主主義が根付くには、もう一つ歴史的に大きな事件が起きなければいけない気すらしてくる。
最後に、情報批判的に捉えようとする筆者であるのに、新型コロナについては、無批判に危険なものとして扱う態度には、違和感を覚えた。
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安定の普通の切り口で安心して読めたけど,僕にとっては目新しくなく刺さる事もなかったな.
でも,最近の統一協会の問題とかであれあれ⁈と気づき始めた人が手に取ってくれると,とても良い気づきにつながるのでは?
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言いたいことはよくわかるが、処方箋はない。物事には表と裏があり、右にも左にも正義があり、良い面悪い面がある。これは一つの意見に過ぎない。勿論人間を大事にしない世の中に住みたいとは思わないが、民主主義社会が結局行き過ぎた資本主義を生み出し、グローバル企業帝国主義になったことを思えば、色々な側面から物事を考えていくことが大事であるとしか言えない。正解はない。
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「日本には民主主義が定着していない」問題提起。
明治維新・敗戦を経て、なお「国家主義」の風土見られる。
大日本帝国の教育は「天皇と国家への服従と奉仕」
現代日本はそれに変わる「新たな規範」を作れているか?
2013年からの安倍政治は再び「服従と奉仕」を求めたものではないのか。
ドイツのメルケル首相のように「過去の歴史を直視する」誠実さをリーダーが持ち、国民が受け入れることが民主主義の王道と思う。
これから日本は国のリーダー選びの時期だが、国民・マスコミがそれだけの覚悟を持たなければ民主主義国家は造れず、同じ過ちを繰り返す。
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「大日本帝国型の精神文化」の温存化がやまないどころか、復興しつつあるのではないかと思ってしまう今の日本。もう破滅するしかないのかな。
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子どもにとっては脅迫に近い情緒的「平和教育」のせいで日本近代戦争史に関わると祟られるようで恐ろしく、エンタメにしても読み物にしても全般的に避け気味だったので、目から鱗の情報ばかりで面白かった。
まさか朝鮮戦争によるアメリカの圧力で戦後日本の民主主義形成が阻害されたとは。あれが1950年だから、つまり、たったの5年間しか「大日本帝国」の支配層が表舞台から追いやられていなかったわけか。これはショック。てっきり昭和天皇のラジオ放送のあと日本人全員で反省してすべて刷新したのだとばかり思っていた。
戦時中の徹底した人命軽視の方針も、「日本古来の考え方」でも「サムライ魂」でもなく、軍国主義国家をうまく回すために1930年代に新たにでっちあげた教義だった。そして、天皇を守るために死んだ楠木正成を過剰に祭り上げたり、それまで忘れられていた『葉隠』を都合よくトリミングしたりして、「お上のために命を積極的に犠牲にするカッコいい武士」のイメージがいつのまにかできあった。まるで歴史ファンタジー創作か新興宗教の教義ようだ。
なのに、漫画『シグルイ』など読んでいると、かつての武士はみんなマゾヒストだったのかと思ってしまう。あれこそ被虐趣味のファンタジーであるのに、どこかで本当であったような気がしてしまう。これもまた今の日本人の意識に大日本帝国型の精神文化が温存されている証拠だろう。
靖国神社があれほど問題視される理由も理解できた。単なる神社ではなかった。「敵を倒したら英雄」を「死んでこそ英雄」にすり替えるための装置として戦時中利用されていた。つまり、非人道的滅私奉公の象徴なのだなと。そりゃ問題視しないと危ない。
「死んでこそ英雄」がまかり通れば、いくら死人を出してもトップは責任を問われないで済む。責任逃れに全力を尽くして本末転倒になってしまう日本人トップらしい方法だ。税金を使って育てた前途有望な若者たちをどんどん使い潰して廃人を量産するブラック企業と同じ無責任さと独善性を感じる。
敵国人捕虜およびアジア人労務者の扱いも同様にむごい。ジャングルの鉄道建設のためにたったの1年3ヶ月間で 9万8千人も死者を出している。満足な通訳も食事もなく、1日あたり215人死亡するジャングルの工事現場とはどんなだったろう。そこら中死体だらけか。戦時中で神経が麻痺してるとは言え想像すると気が遠くなる。
こういう、金も権力もない人たちの命が物のように扱われる点で、大日本帝国型の精神文化と新自由主義は真逆なようでいて、実は親和性が高いのではないか。定期的に死人を出して隠蔽するアマゾン倉庫を思い出す。
国内(既得権益の保持および増強)と国外(多国籍企業および海外資本家への市場の開放)の思惑が一致しているからこそ、自民党の議員が靖国神社を参拝するのでは?命など惜しむな、人権意識も捨てて命ぜられるまま働けと。もちろん、美しい日本を守るやら大日本帝国の栄光云々なんていうのは信者向けのファンタジーでしかない。そもそも、戦時中と違ってこのご時世では非現実的かつ空疎に響く。
現代の自称「保守」が全然保守主義ではなく、薩長藩士から続��「革新」路線を受け継いでるとか、日本会議が日本国憲法を目の敵にしている理由なども、色々と分かりやすく説明してあり面白かった。
ただ、日本人が論理よりも情緒や空気を優先しがちなのをすべて教育のせいにするのは違うのでは。むしろ日本独自の社会構造によるものが大きいと思う。確かにGHQの占領下で作られた文部省の『新教育指針』による民主主義教育がそのまま継続されていれば、今よりは多少マシな民主主義社会ができていたかもしれないが、多国籍企業が国家を越える権力を持つような時代では、単純に民主主義を各自で標榜するだけでは弱いのでは。何かもっと有効な方法はないものか、いやもう遅いのか、とまたしても最後には頭を抱える読書だった。