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物語の中で、とても素敵な表現に心を奪われた。〈田代は広大な館内のあちこちを豊かにさまよい、心ゆくまで名画の数々を堪能した〉まさしく、わたしも〈豊かに〉〈心ゆくまで〉この、『美しき愚かものたち』の物語を〈堪能した〉 -日本に美術館を創りたい-松方コレクション。 なんと熱く心が踊る物語だったのだろう。時間と時代を越えて『とっておきのタブロー〈絵画〉の話』に希望をのせて、読了。
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【アートに青春と情熱をかけた男たちの物語】「日本に美術館を創りたい」。その夢を追いかけ、絵を一心に買い集めた男がいた。国立西洋美術館の礎“松方コレクション”誕生秘話。
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今度、美術館に行ったら、今までと見方が変わるだろう。これほどまでに苦労し、希望の元に作られた美術館。とても考え深い。
当たり前に見られる数々のタブローは、いろいろな人の力によるもの。
早く美術館に行きたくなった。
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国立西洋美術館の礎である〝松方コレクション〟を取り戻す、歴史を描いた長篇。
原田マハさんはノンフィクションとフィクションの間を描くのかとても上手だと思う。史実に基づいて描かれている部分も多いのだろうけれど、人物の関係性や交わされる言葉…まるでその場を見て来たかのように錯覚してしまう。不思議な感覚が癖になる。
日本の美術館の歴史はここから始まったのだなぁ、と感慨深く読み終えた。
時間を戻すことは出来ないから、コロナ禍で、そして戦争で現存する芸術が失われないようにと同時に願った。
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タブローにかける情熱。
敗戦国日本に本当の豊かさ、本物の美術を見せれる美術館をと願い行動した人々の情熱。
胸が熱くなった!
パリには行ったことないけれど、若き田代の目線で芸術の都、パリにワクワクドキドキした!
直島の地中美術館でモネの絵を見てからモネが大好きになったけど、この小説に出てくるモネとモネの庭の描写を読んでますます大好きになった!
この衝動のまま今からモネの絵観に向かっているところ!
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「戦闘機でなく、絵画(タブロー)を。」今、本当に必要な言葉です。松方コレクションについては関連本も読みましたし、この脇役で出てくる田代は〇〇先生だったのかぁ!と解説を読んでビックリしました。うちの父が西洋美術館のために募金した、と言っていて「良いなぁ~そういうことやってみたかった」と時代が違うとは云え、羨ましく思いました。国立西洋美術館へまた行ってみたくなる作品です。
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戦況下においてタブローが平和の象徴として描かれていることが素敵だなと思った。混沌としている今だからこそグッときたのかもしれないが。国立西洋美術館に行きたくなった。
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芸術に対してさまざまな想いを持った人たちの情熱の物語。
じんわり、胸に熱く、一気に読んでしまいました。
すごく素敵な作品です。
国立西洋美術館に行きたくなる!
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買い集めてくれてありがとうございます、守ってくれてありがとうございます、日本に連れてきてくれてありがとうございます、建ててくれてありがとうございます、そして描いて教えてくださってありがとうございます。感謝の気持しかありません。国立西洋美術館、ちょうどリニューアルもされたので是非訪れて美術品との対話を楽しみに行きたいなと思いました。
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松方幸次郎さんの存在が希望だった。戦争が無ければ彼のコレクションは散逸しなかったかもしれないが、彼の資産は増えていなかったかもしれない。
周囲の人たちの望みと努力で出来上がった国立西洋美術館を彼が見ることが出来たなら……と思う。
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夢中で読みました。
史実に基づくフィクション。松方コレクションを巡る胸が熱くなるお話し。国立西洋美術館に行きたくなる。
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国立西洋美術館設立のいしずえとなった、松方コレクションの形成と数奇な運命を巡る「美しき愚かものたち」の物語。史実をふまえて展開するドラマは文句なしにおもしろい。
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【美しき愚かものたちのタブロー/原田マハ】
これまで原田マハさんのアート小説は何冊も読んできたマハオタクになりつつある私だが、今まで読んだものは画家やその代表作にまつわる話が多かった。
この作品は、いわゆる松方コレクションと言われている 日本人のコレクターとその松方コレクションを寄贈返還するまでの話である。
松方コレクション というワードは何度も目にしてきたものの、松方とは誰なのか?いつどうやってコレクションしたものなのか?など全く気にしたことがなかった。
つい先日 3年ほどの改修工事を経て再開した上野の国立西洋美術館の建設は、松方幸次郎が買い集めたからであることを知った。
いつも入り口入ってすぐにあるロダンの地獄の門も これがロダン?レプリカ?と思っていたが 松方が買った作品のひとつだった。
表紙になっているゴッホのアルルの寝室の絵は取り戻せなかったが、もし取り戻していたら もっとゴッホが身近に感じたかもしれないし、SONPO美術館にある ひまわりも日本になかったかもしれない。
とても不思議な気持ちになった。
日本の美術館は企画展が多く、常設はおまけ的な扱いになりつつあるけれど、常設展もちゃんと見ておきたいなと思った(いつも企画展で疲れて端折りがち)。
また、東京にも岡山 倉敷の大原美術館のような 企画展よりも常設の作品に力を入れた美術館があったらいいなと思った。
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国立西洋美術館の松方コレクションが日本に返還されるまでのストーリー。
やはり原田マハはアート小説がしっくりくる、と感じた一冊。絵画への情熱、想い、そこに関わる人のストーリーが繊細に描かれているのはさすが。年代を行ったり来たりしながら話が展開していくのもお馴染みの手法だが、決して煩雑な感じではなく人物が生き生きとしているのですんなりと読める。
史実に基づいているので報われない人物もいるのが切ないが、その事実が一層、アートが時を経ても人々の心を動かすということの証明になっている気がして心打たれた。
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生きていれば、不思議な縁に行き当たることがある。どこかで偶然出会ったときに友人に紹介されたからとか、傾倒していたものが同じだったとか、ニッチな本や映画の感想を語り合うことができた喜びだとかがきっかけで。
そしてその相手は、立場や世代を越えることもしばしば。
松方幸次郎と田代雄一も。
本物のタブローを日本へ、そして青少年たちのために西洋美術館を作ろう。
ただそれだけと言ってしまえば、それだけなのだが。
「それだけ」をするために、戦時下で筆舌を尽くしがたい苦労があったのかと思いしらされた。
今は、入場料をいくらか払えば作品を観ることができる。これは幸せなんだと。この本で与えられた幸せの重さをずしりと感じることができた。
戦闘機じゃなくて、タブローを。戦争じゃなくて、平和を。後半はずっとジェルメンヌの言葉がやさしく聞こえるようでした。